飛島建設は、建設事業(土木事業・建築事業)及び開発事業等(不動産の開発、販売及び賃貸)を主要事業とする総合建設業を営む。連結子会社は総合建設業、耐震補強の設計及び部材の製造・販売、潜水工事業、不動産販売・賃貸及び仲介、ITシステム開発及び保守等を展開する。関連会社は建設DXトータルサポート事業を手掛ける。
**1. 事業概要と競争優位性**
当社グループは1883年の創業に端を発する歴史と、1967年開設の技術研究所を基盤とした技術開発力を競争優位性とする。
土木分野では、学校法人東京理科大学、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所と共同で、コンクリート中鉄筋の腐食状態を非破壊で測定する「Dr.CORR」を開発し市販を開始する。これはコンクリート構造物の効率的な維持管理に貢献する。また、国立大学法人埼玉大学と共同で、建設工事振動を低減する「防振堤」を開発し製品展開を開始する。
建築分野では、FMS合金製U形ダンパー制震工法「アイラッド制震工法」(登録商標)について、一般財団法人日本建築センターより評定を取得する。アイラッドは小型・軽量で二次壁内への配置が可能、低コストかつ繰返し性能に優れる特徴を持つ。学校法人早稲田大学と共同開発した音場可視化システム「OTOMIRU Ver.2」(商標出願中)は、3次元の音場情報をリアルタイムで実空間上に投影し、空間全体の騒音源や遮音欠損部の探査を可能にする。
DX・生産性向上では、「トビシマダッシュボード」で情報・作業所管理を可視化し、業務効率化・高度化を図る。AIを活用した「生コンクリートの荷下ろし管理」や「不安全行動検知」により、省力化と労働時間削減に寄与する。登録商標「サイバー建設現場」は、映像・写真・BIM/CIM、センサデータ等を統合し、建設現場を4Dモデルで再現する情報共有・遠隔支援プラットフォームであり、国土交通省発注工事で運用を開始する。これらの技術は、社会基盤施設の維持管理、国土保全と防災・減災強化、建設生産システムの革新といった重点戦略を支え、技術的優位性とノウハウ蓄積による参入障壁を構築する。建設業法に基づく建設大臣登録・許可、宅地建物取引業法に基づく免許も参入障壁となる。
**2. 沿革ハイライト**
1883年、飛嶋文次郎が請負業者としての端緒を開く。1947年3月、飛島土木株式会社を設立する。1961年9月、東京証券取引所に上場する。1965年4月、飛島建設株式会社に社名変更する。1967年9月、技術研究所を開設する。1972年5月、住宅事業及び不動産取引業を事業目的に追加する。1996年2月、TOBISHIMA BRUNEI SDN.BHD.を設立し海外展開を開始する。2017年以降、M&Aにより杉田建設、㈱フォーユー、㈱アクシスウェアなどを子会社化し事業ポートフォリオの改革を進める。2022年4月、NTTグループと共同で㈱ネクストフィールドを設立し建設DXトータルサポート事業に参入する。同月、東京証券取引所の市場区分の見直しによりプライム市場へ移行する。
**3. 収益・成長**
国内建設市場は労務費・資機材高騰が続くものの、国土強靭化施策の推進を背景に堅調に推移すると予想され、当社グループの成長ドライバーとなる。中長期経営ビジョンとして、『建設技術でインフラを造り・守る建設会社』から『イノベーションで建設業を創り・育てる建設会社』への進化を目指し、事業領域の拡充と多様化する社会課題への対応を成長戦略とする。研究開発活動では、「建設生産システムの革新」、「社会基盤施設の維持管理」、「Well-being」、「国土保全と防災・減災強化」を重点戦略とし、新技術・新製品の開発を推進する。「Dr.CORR」の市販、「防振堤」の製品展開、「アイラッド制震工法」の積極提案、「OTOMIRU Ver.2」の他分野展開、AI活用、登録商標「サイバー建設現場」の適用拡大などが具体的な成長ドライバーとなる。開発事業等における賃貸用建物への設備投資は、ストック型収益の確保を目指すビジネスモデルの質向上への取り組みを示す。
**4. 財務健全性**
2024年3月期の連結総資産は150,869百万円、純資産は48,803百万円である。現金及び現金同等物は23,673百万円、有利子負債は34,846百万円である。営業キャッシュフローは9,992百万円を創出する。
**5. 株主還元**
2024年3月期の年間配当金は70.0円である。
**6. 注目ポイント**
建設業界全体で技能労働者の減少や時間外労働上限規制への対応が課題となる中、当社グループはAI活用や「サイバー建設現場」等のDX技術開発により、生産性向上と労働時間削減を図る。国土交通省発注工事での「サイバー建設現場」運用開始は、公共事業における技術的優位性と顧客ロックインの可能性を示す。M&AやNTTグループとの共同設立による事業領域の拡充は、持続的成長と企業価値向上に向けた戦略的な取り組みである。国際紛争によるサプライチェーンの混乱や資機材価格高騰、国内建設市場の縮小・競争激化、取引先の信用リスク、品質不良・工事災害、技能労働者の確保困難などが事業リスクとして認識される。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| — | — | — | — | — |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 132.0B | 125.9B | 117.7B |
| 営業利益 | 5.3B | 4.1B | — |
| 純利益 | 3.4B | 3.0B | 3.2B |
| EPS | 177.9 | 158.8 | 168.3 |
| BPS | 2,549.1 | 2,389.7 | 2,293.1 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 0.13% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.07% |
| トビシマ共栄会 | 0.06% |
| 飛島建設株式会社自社株投資会 | 0.02% |
| RE  FUND  107-CLIENT  AC (常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 0.02% |
| DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO (常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 0.02% |
| BNP PARIBAS NEW YORK BRANCH - PRIME BROKERAGE SEGREGATION ACCOUNT(常任代理人香港上海銀行東京支店 カストディ業務部) | 0.01% |
| 上田八木短資株式会社 | 0.01% |
| BBH  LUX/BROWN BROTHERS HARRIMAN (LUXEMBOURG) SCA CUSTODIAN FOR SMD-AM FUNDS - DSBI JAPAN EQUITY (常任代理人株式会社三井住友銀行) | 0.01% |
| BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE(常任代理人株式会社三菱UFJ銀行) | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2024-08-21 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 4.29% | (0.98%) |
| 2023-08-02 | 稲村 政彦 | 6.29% | +1.13% |
| 2023-07-27 | 稲村 政彦 | 6.29% | +1.13% |
| 2021-08-05 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 5.27% | (0.81%) |
| 2021-07-27 | 稲村 政彦 | 5.16% | +0.16% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024-08-21 | EDINET | 大量保有 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株 | 大量保有 4.29% | — | — |
| 2023-08-02 | EDINET | 大量保有 | 稲村 政彦 | 大量保有 6.29% | — | — |
| 2023-07-27 | EDINET | 大量保有 | 稲村 政彦 | 大量保有 6.29% | — | — |
| 2021-08-05 | EDINET | 大量保有 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株 | 大量保有 5.27% | — | — |
| 2021-07-27 | EDINET | 大量保有 | 稲村 政彦 | 大量保有 5.16% | — | — |