**1. 事業概要と競争優位性**
鉄建建設株式会社は、土木工事と建築工事を主たる事業とし、不動産事業、付帯事業、その他事業を展開する。当社グループは、子会社・関連会社を通じて建設資機材の調達、専門工事の施工、設計業務、海外工事を手掛ける。いちご観光農園の運営や小水力発電事業も行う。
競争優位性として、独自の技術開発力を有し、高い参入障壁を構築する。土木分野では、CalTa株式会社、株式会社マップフォーと共同で、非GNSS環境下でも重機の動きと出来形をリアルタイム検出するマシンガイダンス技術を開発する。これは建設現場の遠隔施工促進と生産性向上に貢献する。鉄道高架橋のプレキャスト化技術(鋼管拘束型鉄筋継手、閉合鉄筋継手)を開発し、実プロジェクトに適用することで、足場不要、省力化、高効率な施工を実現する。サステナブル推進では、山岳トンネル工事におけるCO2排出量削減のため高炉セメントB種を用いた吹付けコンクリートを適用し、シールドトンネルではジオポリマーコンクリート「セメノン®」を国内で初めてシールドセグメントに適用する。セメノン®は耐酸性、透水抵抗性、耐摩耗性に優れ、長寿命化と維持管理費低減に寄与する。
建築分野では、大型物流倉庫・工場向けに柱(RC)梁(S)の混合構法(MIRACR構法)を改定し、適用拡大を目指す。耐震対策として、疲労特性に優れたFMS合金を用いたレンズダンパーを開発し、鉄骨造10階の事務所ビルに採用された。東日本旅客鉄道株式会社と共同で、既存ホーム上家の省力化架設工法を開発し、仮設上家施工の省略と工期の大幅短縮を図る。これらの技術は、建設業におけるノウハウ蓄積と技術的優位性を示す。
**2. 沿革ハイライト**
当社は、1944年2月1日に鉄道建設興業株式会社として設立された。当初は鉄道工事の施行、測量、設計、監理を営業種目とした。1953年5月には土木建築工事の施行、工事用資材の製造・販売・運搬を追加し、事業領域を拡大する。1961年10月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1963年8月には東京、大阪両証券取引所市場第一部に上場した。1963年5月には不動産事業を開始し、1964年2月に商号を鉄建建設株式会社に変更する。2022年4月には東京証券取引所プライム市場へ移行した。
**3. 収益・成長**
国内経済は緩やかな回復傾向にあり、建設業界では公共投資が安定的に推移し、民間設備投資も回復の兆しを見せる。防災・減災・国土強靭化のための建設事業予算は引き続き確保され、民間の設備投資需要も増加が見込まれる。一方で、業界全体の人材不足と建設コスト上昇が課題である。国を挙げた適正な価格転嫁への取り組みは浸透し始める。
当社は、2024年4月に策定した「中期経営計画2028「誇れる企業へ」~サステナブルな未来社会への挑戦~」(2024年度~2028年度)に基づき、持続的な成長を目指す。計画では、生産性と利益創出力の回復・強化、成長領域における積極的な投資、人的資本の更なる充実とESGの推進、資本効率を意識した経営への転換を基本方針とする。2028年度の財務KPIとして、ROE 8%以上、連結営業利益 80億円以上、配当性向 50%程度を目標に掲げる。非財務KPIでは、CO2排出量削減(Scope1+2 △32%、Scope3 △20%)や重大災害ゼロを目指す。これらの取り組みは、TAM拡大要因と規制追い風を捉え、新市場・新製品開発と合わせて成長ドライバーとなる。
**4. 財務健全性**
直近の財務状況は、総資産225,102百万円、純資産70,116百万円である。建設事業の特性上、立替金が発生し、一定水準の有利子負債55,927百万円が必要となる。金利上昇リスクを認識し、経営を行う。中期経営計画では利益創出力の回復・強化を掲げ、財務体質の改善を図る方針である。
**5. 株主還元**
中期経営計画2028において、最終年度である2028年度の財務KPIとして配当性向50%程度を目標に設定する。直近の年間配当は122円である。資本効率を意識した経営への転換を図り、株主還元の充実を優先課題とする。
**6. 注目ポイント**
当社グループは、建設DX、鉄道工事のプレキャスト化、ジオポリマーコンクリート「セメノン®」の国内初適用など、先進的な技術開発を通じて競争優位性を確立し、社会課題解決に貢献する。特に鉄道工事における長年のノウハウ蓄積は強みである。中期経営計画2028では、利益創出力の強化、人的資本の充実、ESG経営の推進、資本効率の改善を重点課題とし、持続可能な企業成長を目指す。建設業界が直面する人材不足やコスト上昇に対し、技術革新と効率化でどのように対応し、企業価値向上を実現していくかが注目される。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 69.5B | 19.1倍 | 0.9倍 | 0.0% | 4,640.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 185.1B | 183.6B | 160.7B |
| 営業利益 | 3.5B | 958M | 1.2B |
| 純利益 | 3.4B | 4.3B | 2.4B |
| EPS | 242.8 | 282.1 | 154.8 |
| BPS | 5,011.4 | 4,853.7 | 4,188.5 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東日本旅客鉄道株式会社 | 0.20% |
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 0.12% |
| 鹿島建設株式会社 | 0.03% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.03% |
| 鉄建職員持株会 | 0.02% |
| 鉄建取引先持株会 | 0.01% |
| JP JPMSE LUX RE NOMURA INT PLC 1 EQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行決済事業部) | 0.01% |
| 株式会社三菱UFJ銀行 | 0.01% |
| 東海旅客鉄道株式会社 | 0.01% |
| JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2022-12-02 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 17.62% | +3.49% |
| 2022-11-17 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 14.13% | +4.06% |
| 2022-02-22 | 株式会社みずほ銀行 | 0.02% | N/A |
| 2022-02-21 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ | 4.19% | (1.33%) |
| 2021-04-07 | シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社 | 4.82% | (1.34%) |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-03-17 | TDNet | 業績修正 | 鉄建建設 | 業績予想の修正(上方修正)及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ | 4,640 | +5.28% |
| 2022-12-02 | EDINET | 大量保有 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 大量保有 17.62% | — | — |
| 2022-11-17 | EDINET | 大量保有 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 大量保有 14.13% | — | — |
| 2022-02-22 | EDINET | 大量保有 | 株式会社みずほ銀行 | 大量保有 0.02% | — | — |
| 2022-02-21 | EDINET | 大量保有 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー | 大量保有 4.19% | — | — |
| 2021-04-07 | EDINET | 大量保有 | シンプレクス・アセット・マネジメント株式 | 大量保有 4.82% | — | — |