高砂熱学工業は、設備工事事業と設備機器の製造・販売事業を主軸とする。設備工事事業では、空調設備の技術を核とした設計・施工を国内外で展開し、連結子会社が設備の保守メンテナンスや総合管理を担う。海外では中国、東南アジア、メキシコ等に子会社を展開し、技術援助やクリーンルーム関連機器の製造・販売も行う。設備機器の製造・販売事業では、連結子会社が空調機器等の設計・製造・販売を手掛ける。
当社の競争優位性は、空調設備事業を通じて得た長年の経験・実績と培ってきた技術や知見に立脚する。環境に貢献しうる技術を持ち、多数の特許等を保有し、知的財産権の保護体制を確立している。茨城県つくばみらい市に開設した高砂熱学イノベーションセンターでは、独自の空調システムや省・創・蓄エネルギーシステムの運用改善に取り組み、オフィス棟でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を継続達成している。
特に、脱炭素社会の実現に向けた水素エネルギー利用技術開発に注力しており、20年以上にわたり培った技術を基に水素製造用水電解装置を上市し、市場展開を進めている。大型水電解装置(メガワット級)の開発も進め、2025年の市場投入を目指す。また、月面環境での稼働を想定した水電解装置を開発し、月面での水素・酸素生成実証実験にも挑戦した。
カーボンニュートラル事業開発部では、当社保有の環境技術を活用し、自治体・企業や先端技術を持つ学会・スタートアップと連携し、水素を軸にクリーンエネルギーを「つくる・ためる・つかう」領域を「ツナグ」ビジネスモデルの構築を目指している。キリンビール北海道千歳工場でのグリーン水素エネルギー転換実証事業など、他社との連携によるグリーン水素サプライチェーン構築にも取り組む。
設備機器の製造・販売事業では、既存機種をベースとした空冷一体型空調機やハイブリッド型空調機、換気ができる体育館用空調システム「フレッシュクール」を開発・納品している。熱源機開発及び監視制御システムの開発を進め、建物の空調システム全体をP-MACの機器だけで完結できる「オールピーマックシステム」の完成を目指す。既存製品の冷媒を地球温暖化係数の低いものへ改良開発している。
建設業法に基づく大臣許可や長年のノウハウ蓄積、大規模な組織と技術員・技能者の確保は、事業における参入障壁を形成している。
1923年11月、高砂煖房工事株式会社として設立。1943年7月に高砂熱学工業株式会社へ改称。1969年11月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1973年8月には市場第一部に指定替え。2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場へ移行した。1980年4月に海外事業本部を開設し、国際的な事業展開を推進。1984年12月に総合研究所を新設し、2020年4月には高砂熱学イノベーションセンターを開設し、研究開発体制を強化している。
当社は、「2050年カーボンニュートラル宣言」や「2040年問題」といった社会構造の転換点に対応するため、「建物環境のカーボントランジション」と「地球環境のカーボンニュートラル」に取り組んでいる。「高砂熱学グループ長期ビジョン2040」を策定し、空調設備事業を核として、建設事業、設備保守・管理事業、カーボンニュートラル事業、環境機器製造・販売事業の4つの事業ドメインをDXで連携し、環境創造の事業領域を拡大する方針である。
長期ビジョンは3つのフェーズで進められ、第1フェーズ(2023-2026)の「中期経営計画2026」では、コア事業(建設事業)による収益基盤を盤石なものとし、得られる資金を事業領域拡大に向けた成長投資に振り向ける。第2フェーズ(2027-2030)は成長実現の4年間と位置づけ、海外事業の伸長、DXによる新たな付加価値の創造、カーボンニュートラル事業の収益化の実現を目指す。第3フェーズ(2031-2040)は飛躍の10年と位置づけ、カーボンニュートラルに資する新たな事業セグメントの確立を目指している。
当連結会計年度の研究開発費は2,971百万円であり、脱炭素社会の実現、地球環境保全、生産性向上・働き方改革、多様な顧客ニーズに応える技術と商品の創出に注力している。設備投資の総額は4,347百万円であり、BIM関連のソフトウエア開発や事務所等の改修、建物附属設備等に投資している。
当連結会計年度の売上高は381,661百万円、営業利益は32,415百万円、純利益は27,631百万円、EPSは416.15円、EBITDAは35,707百万円を計上した。
当連結会計年度末の総資産は334,949百万円、純資産は184,283百万円である。現金及び現金同等物は41,364百万円、有利子負債は37,737百万円であり、現金が有利子負債を上回る。政策保有株式については、持続的な企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展が認められる場合を除き、原則として保有しない方針を掲げ、定期的に取締役会で保有意義を検証し、企業価値向上に資さないと判断した資産は売却する等、保有資産が価値減少するリスクの低減に努めている。
当連結会計年度の年間配当は167.0円である。
当社は、カーボンニュートラル関連技術開発と事業化に積極的に投資し、水素エネルギー利用技術の市場展開、大型化、月面での実証実験への挑戦など、将来性のある分野で先行的な取り組みを進めている。長期ビジョン2040に基づく事業ドメインの拡大とDX連携による企業変革は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るための重要な戦略である。海外事業の強化と収益化も成長の柱と位置付けている。
事業環境リスクとして、資機材不足、為替影響、人手不足による建築工程の遅延、労務費高騰、2024年4月からの建設業への時間外労働上限規制適用が挙げられる。これに対し、当社は購買体制強化、ITツール活用、人財確保・育成、働き方改革推進等により、これらのリスクに対処する方針である。知的財産権の保護と侵害防止体制の確立も継続的な競争優位性維持に不可欠である。
[本社]東京都新宿区 [創業]1923年 [上場]1969年
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 322.0B | 11.0倍 | 1.7倍 | 0.0% | 4,585.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 381.7B | 363.4B | 338.8B |
| 営業利益 | 32.4B | 24.2B | 15.3B |
| 純利益 | 27.6B | 19.6B | 12.2B |
| EPS | 416.1 | 295.7 | 184.7 |
| BPS | 2,720.6 | 2,476.4 | 2,151.0 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 0.11% |
| 日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | 0.07% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)   | 0.06% |
| 第一生命保険株式会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)   | 0.05% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.05% |
| 高砂熱学従業員持株会 | 0.04% |
| 高砂共栄会 | 0.04% |
| 株式会社京王閣 | 0.01% |
| MSCO CUSTOMER SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社) | 0.01% |
| 株式会社みずほ銀行 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2025-04-22 | キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー | 5.04% | +1.04% |
| 2024-11-07 | 第一生命保険株式会社 | 4.46% | (1.13%) |
| 2022-04-18 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ | 4.36% | (1.00%) |
| 2021-10-21 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 4.77% | (0.71%) |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-01-22 | TDNet | 人事 | 高砂熱 | 代表取締役ならびに役員の異動に関するお知らせ | 4,642 | +0.78% |
| 2025-10-29 | TDNet | 業績修正 | 高砂熱 | 業績予想ならびに配当予想の修正に関するお知らせ | 4,588 | +1.37% |
| 2025-04-22 | EDINET | 大量保有 | キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメ | 大量保有 5.04% | 5,778 | +3.37% |
| 2024-11-07 | EDINET | 大量保有 | 第一生命保険株式会社 | 大量保有 4.46% | — | — |
| 2022-04-18 | EDINET | 大量保有 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー | 大量保有 4.36% | — | — |
| 2021-10-21 | EDINET | 大量保有 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株 | 大量保有 4.77% | — | — |