Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

鳥越製粉株式会社 (2009)

鳥越製粉は、製粉、食品(プレミックス、品質改良剤等)、精麦、飼料を主要事業とする。1935年創業、1945年政府委託加工工場指定で信頼性を確立する。研究開発と海外企業との技術提携で製品開発力とノウハウを強化する。複数工場と子会社群で安定供給と事業多角化を図る。原料調達リスクや貿易自由化の影響を受けつつ、顧客ニーズに応える製品創出と生産性向上を成長戦略とする。 [本社]福岡市博多区 [創業]1935年 [上場]1962年

1. 事業概要と競争優位性

鳥越製粉グループは、当社及び子会社7社で構成され、単一セグメントとして事業を展開する。主要事業は食料品(製粉、食品、精麦)、飼料、その他(農産物保管)である。製粉事業は小麦粉、ライ麦粉、ふすまを製造し、当社及び卸売業者を通じて販売する。食品事業は家庭用・業務用プレミックス、品質改良剤、加工食品を製造し、乾麺類の仕入れ、CSM社との業務提携による商品仕入れ・製造も行う。連結子会社の大田ベーカリーはパン・菓子、久留米製麺は生麺を製造販売する。精麦事業は丸麦、押麦、もち麦、麦糠を製造し、主食用商品を仕入れ販売する。飼料事業は製造販売を行い、子会社が飼料用商品を仕入れ販売する。

同社の**競争優位性(Moat)**は、1935年創業の歴史と1945年の政府委託加工工場指定により培われた信頼性、安定供給能力に根差す。研究開発部を擁し、既存分野の新製品開発、既存製品改良、新技術開発、食の多様化に応える製品開発に注力する。当連結会計年度には各種パン用・麺用小麦粉、低糖質パン用ミックス、品質改良剤、食品素材等を開発した。アメリカのドーン・フード・プロダクツ社やドイツのCSM社との技術・業務提携を通じて、先進的な製品やノウハウを導入し、技術力を強化する。複数工場体制と子会社群による事業多角化は、安定生産供給と顧客ニーズ対応力を高める。これらの要素が、新規参入に対する**参入障壁**として機能する。

2. 沿革ハイライト

1935年12月、株式会社鳥越商店を設立する。1940年10月、製粉・精麦業へ転換する。1945年7月、政府の委託加工工場に指定される。1951年12月、鳥越製粉株式会社に商号を変更する。1962年9月、東京証券取引所市場第二部及び福岡証券取引所に株式を上場する。同年、ミックス製品開発を開始する。1979年11月、アメリカのドーン・フード・プロダクツ社と技術提携する。1983年6月、ドイツのCSM社と独占輸入販売に関する業務提携を行う。1998年6月、東京証券取引所市場第一部銘柄に指定される。2011年1月、寺彦製粉株式会社を吸収合併し、静岡工場にライ麦粉製造設備を新設する。2022年1月、精麦・飼料事業を鳥越精麦株式会社へ吸収分割により承継し、中間持株会社の鳥越グレインホールディングス株式会社を設立する。2022年4月、東京証券取引所スタンダード市場に移行する。

3. 収益・成長

当連結会計年度(2024年12月期)の売上高は26,168,384千円、営業利益は1,063,122千円、純利益は950,007千円を計上する。

中期経営計画「TTC150 Stage3」(2024-2026年)では、最終年度(2026年12月期)に連結売上高29,400百万円、営業利益1,350百万円を目標とする。当初目標から売上高、営業利益ともに下方修正した。

**成長ドライバー**として、製粉事業では顧客に選ばれる製品創出と売上基盤強化、生産性・品質向上に繋がる設備投資を積極的に行う。食品事業では、顧客ニーズを捉えたスピード重視の製品開発と事業拡大、差別化された製品の開発・製造体制構築を目指す。精麦・飼料事業では、醸造・主食用精麦において原料と品質にこだわり事業拡大を図り、鳥越グレインホールディングス傘下4社の強みと特長を活かした体制を構築する。デジタル技術を使った企業革新として、デジタル化した事務管理の仕上げと定着を図り、営業全体の生産性を向上させる。

**ビジネスモデルの質**においては、主要原料である麦(小麦・大麦・はだか麦)の安定調達と品質確保が重要である。天候等の影響による生産量変動、ウクライナ情勢や中東問題等の地政学的リスクによる世界的な穀物需要逼迫は、原料麦の安定調達を困難にする可能性がある。為替変動による調達コスト上昇、人件費や物流費の上昇等、各種コストの上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、業績に影響を及ぼす。環太平洋経済連携協定(TPP11)、日・EU経済連携協定(EPA)、日米貿易協定の発効など、貿易の自由化の進展は、原料や製品の輸入動向に影響を与える可能性がある。外国産麦の政府売渡価格の相場連動制導入やSBS方式の導入・拡大といった麦に関する制度改革も、原料価格の変動に影響を及ぼす。物価上昇による消費者の節約志向の高まりと販売競争の激化も経営環境の課題である。

4. 財務健全性

当連結会計年度末(2024年12月31日現在)の総資産は45,396,149千円、純資産は35,936,260千円である。現金及び現金同等物は12,570,520千円、有利子負債は3,770,009千円であり、有利子負債を大きく上回る現金を保有する。設備投資は生産設備の更新を中心に実施し、当連結会計年度の総額は617,461千円(支払ベース)である。

5. 株主還元

株主還元は継続的な安定配当を基本方針とする。2024年12月期から2026年12月期まで、配当性向100%を目標とする方針に変更した。IR活動を強化し、株主・投資家との建設的な対話を含めた活動を実施し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指す。

6. 注目ポイント

同社の歴史と政府委託加工工場指定による信頼性、研究開発による技術蓄積、海外提携によるノウハウ導入が、強固な**競争優位性**を構築する。中期経営計画の成長戦略とデジタル技術活用は、今後の**成長ドライバー**となる。原料調達リスクやコスト上昇、貿易自由化といった外部環境変化への対応力が、**ビジネスモデルの質**と安定性を左右する。配当性向100%目標への変更は、株主還元への強いコミットメントを示す。

出典: 有価証券報告書 (2024-12) doc_id=S100VHCR | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
28.5B 26.8倍 0.7倍 0.0% 1,095.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 26.2B 26.4B 24.4B
営業利益 1.1B 1.1B 1.2B
純利益 950M 966M 932M
EPS 40.8 41.5 40.0
BPS 1,542.3 1,480.2 1,440.2

大株主

株主名持株比率
有限会社鳥越商店0.06%
三井物産株式会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)0.06%
株式会社福岡銀行0.05%
株式会社三菱UFJ銀行0.05%
株式会社広島銀行 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)0.03%
株式会社佐賀銀行0.03%
損害保険ジャパン株式会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)0.02%
三井住友信託銀行株式会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)0.02%
鳥越 徹0.02%
株式会社ヴォークス・トレーディング0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-02-18株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 5.45%(0.59%)
2024-07-29株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 6.04%(0.10%)
2024-03-18株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 6.14%(1.07%)
2023-06-06三井住友信託銀行株式会社 3.88%(1.13%)
2022-01-17株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 7.21%(1.15%)
2021-12-20株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 8.36%+1.17%
2021-11-05三井住友信託銀行株式会社 5.01%+5.01%
2021-04-19株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 7.19%(0.95%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-12-15TDNet人事鳥越粉役員の異動に関するお知らせ1,117-0.18%
2025-10-21TDNet人事鳥越粉執行役員の退任(逝去)に関するお知らせ1,079+1.20%
2025-02-18EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 5.45%
2024-07-29EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 6.04%
2024-03-18EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 6.14%
2023-06-06EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 3.88%
2022-01-17EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 7.21%
2021-12-20EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 8.36%
2021-11-05EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 5.01%
2021-04-19EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 7.19%