Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社 (336A)

ダイナミックマッププラットフォームは、自動運転・ADAS向け高精度3次元地図データ(HDマップ)を生成・販売。cm級の絶対精度を誇る測位・図化技術、国内外26か国150万km超のカバレッジ、日系10社含む有力自動車メーカー36車種への採用実績で、HDマップ市場をリード。プロジェクト型収益が中心だが、高利益率のライセンス型売上比率向上とインフラ維持管理など多用途展開を推進し、成長を目指す。2025年3月東証グロース上場。 [本社]東京都渋谷区 [創業]2016年 [上場]2025年

1. 事業概要と競争優位性

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)に不可欠な高精度3次元地図データ(HDマップ)の生成・販売を主力事業とする。HDマップは、cm級の絶対精度を持つ立体的な情報を提供し、自動運転高度レベル2+以上でその真価を発揮する。

同社の競争優位性は以下の要素に支えられている。

* **技術的優位性**: Multi-GNSS、高性能IMU、高密度レーザスキャナ(LiDAR)を搭載したモービル・マッピング・システム(MMS)により、絶対精度10cm以内、相対精度1cm以内の高精度データ取得を実現。RTK(Real Time Kinematic)技術も活用し、測量士等の専門技術者陣がこの技術力を支える。

* **広範なカバレッジと先行優位性**: 2025年3月末時点で、国内外26か国にわたる150万km超の広範なHDマップカバレッジを整備。この広域なデータ基盤は、競合に対する強固な参入障壁となり、先行優位性を確立している。

* **強固な顧客基盤とロックイン**: 国内では日系自動車メーカー10社と共通仕様を定義し、HDマップ作成を一元化。海外ではGeneral Motors Companyの“Super Cruise™”を皮切りに、36車種(販売予定含む)の量産車へのHDマップ搭載を実現した。HDマップは車両搭載後も道路の経年変化に合わせてアップデートが必要であり、その更新対価を収受するビジネスモデルは、顧客との長期的な関係性と高いスイッチングコストによるロックイン構造を形成する。

* **多用途展開の可能性**: HDマップ生成過程で収集される高精度3次元点群データを活用し、自動運転・ADAS用途以外にも、スマートシティ、MaaS、インフラ維持管理、防災・減災システムなど、デジタル社会のインフラとしての高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、あらゆる産業での共通基盤を目指す。

2. 沿革ハイライト

当社は、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」におけるHDマップ研究開発を目的として、2016年6月に設立された。研究成果の実用化を受け、2017年6月に日系自動車メーカー10社他を株主とする事業会社へ移行。2019年4月には米国のHDマップ企業Ushr Inc.(現Dynamic Map Platform North America, Inc.)を完全買収し、グローバル展開を加速した。2019年には日産自動車「ProPILOT 2.0」搭載『スカイライン』に、2021年には世界初の自動運転レベル3搭載車である本田技研工業『レジェンド』にHDマップが採用されるなど、主要自動車メーカーへの採用実績を積み重ねた。2023年2月に現社名へ変更し、2025年3月には東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。

3. 収益・成長

同社の収益モデルは、HDマップの整備・更新を受注する「プロジェクト型売上」と、量産車への搭載台数に応じたライセンスフィー等からなる「ライセンス型売上」に大別される。現状ではプロジェクト型売上がオートモーティブビジネスの売上の中心を占めるが、将来的な黒字化と利益成長のため、限界利益率の高いライセンス型売上の比率向上を重要な課題と認識している。

成長ドライバーは、自動運転・ADAS市場の拡大である。IHS Markitの予測では、2030年には全世界で新規販売される車両の約28%にレベル2+以上の自動運転・ADASが搭載される見通しである。また、自動車分野を除くデジタルマップ市場もグローバルで3.4兆円と広大であり、特に同社が事業拡大を進めるインフラ、輸送、政府・防衛分野では北米・アジア・パシフィック市場で1.6兆円の市場が存在する。同社は2020年3月期から2025年3月期までの売上高年平均成長率52%を実現しており、今後も中期的には同様の高成長性維持を目指す。HDマップ整備・更新費用の低減や多用途展開に向けた機能開発などの研究開発活動も成長を後押しする。

4. 財務健全性

同社は、HDマップの整備道路範囲の拡大に先行投資が必要な事業特性から、設立以来赤字を継続している。2025年3月期の調整後EBITDAは△609百万円。しかし、事業活動を支えるキャッシュ・フローの創出は重要と認識しており、2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,269百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは2,472百万円を計上した。現金及び現金同等物は8,383百万円、有利子負債は4,241百万円であり、一定の流動性を確保している。

5. 注目ポイント

同社は、自動運転市場の本格的な立ち上がりが当初想定より数年遅れている状況に直面し、過去にはのれんや固定資産の減損処理を実施した経緯がある。HDマップの生成プロセスはコストが膨大であり、Here、TomTom、Googleなどの競合事業者の参入や、SDマップに走行車線情報を付加する代替技術・ソリューションの拡大リスクも存在する。HDマップの整備・更新に係る先行投資が継続するため、当面赤字計上が続く可能性があり、収益性の向上が課題となる。多用途展開や海外事業展開においても、技術確立、ビジネスモデル構築、経済・政治情勢、為替変動などのリスクを抱える。これらのリスク要因を注視しつつ、同社の技術的優位性、広範なカバレッジ、顧客基盤を活かした成長戦略の実行が重要となる。

[本社]東京都渋谷区 [創業]2016年 [上場]2025年

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W322 | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-20)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
16.1B 1.8倍 683.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 7.5B 5.6B 1.3B
営業利益 -1.2B -2.6B
純利益 -1.5B -4.0B -4.1B
EPS -81.8 -215.2 -236.2
BPS 378.1 256.7 465.6

大株主

株主名持株比率
株式会社INCJ0.28%
株式会社海外交通・都市開発事業支援機構0.15%
三菱電機株式会社0.07%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.05%
三菱HCキャピタル株式会社0.04%
株式会社SBI証券0.04%
三井物産株式会社0.03%
MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)0.03%
SBI4&5投資事業有限責任組合0.02%
株式会社ゼンリン0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-02-19野村證券株式会社 5.34%+5.34%
2025-08-07りそなアセットマネジメント株式会社 5.05%+5.05%
2025-07-31株式会社INCJ 31.33%(0.59%)
2025-07-04りそなアセットマネジメント株式会社 4.81%(1.13%)
2025-04-22りそなアセットマネジメント株式会社 5.94%+5.94%
2025-04-03株式会社INCJ 31.92%+31.92%
2025-04-01株式会社海外交通・都市開発事業支援機構 14.72%+9.72%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-19EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.34%693+2.02%
2025-08-07EDINET大量保有りそなアセットマネジメント株式会社大量保有 5.05%1,140-0.88%
2025-07-31EDINET大量保有株式会社INCJ大量保有 31.33%1,118-0.63%
2025-07-04EDINET大量保有りそなアセットマネジメント株式会社大量保有 4.81%1,169+1.28%
2025-04-22EDINET大量保有りそなアセットマネジメント株式会社大量保有 5.94%1,259+0.24%
2025-04-03EDINET大量保有株式会社INCJ大量保有 31.92%1,100+0.73%
2025-04-01EDINET大量保有株式会社海外交通・都市開発事業支援機構大量保有 14.72%1,192-0.84%