Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社トヨコー (341A)

株式会社トヨコーは、社会インフラ老朽化と労働力不足に対応するインフラメンテナンス企業である。SOSEI事業は、独自開発の特許工法と責任施工で工場屋根を改修し、累計156万㎡の施工実績とリピート発注を確保する。CoolLaser事業は、日米特許の円形照射技術と5.4kW高出力でサビ・塗膜除去のフロントランナーであり、塩分除去や産廃削減、ロボット化容易性で競争優位を築く。装置販売、保守、消耗品販売による継続収益モデルを構築し、予防保全へのシフトや海外展開で成長を図る。国の機関と連携したルール整備も参入障壁となる。 [本社]静岡県富士市 [創業]1996年 [上場]2025年

1. 事業概要と競争優位性

株式会社トヨコーは、「キレイに、未来へ」をミッションに、社会インフラ老朽化とメンテナンス現場の労働力不足に対応する。現場の「3K(キツい、汚い、危険)を3C(Cool、Clean、Creative)に」変えるテクノロジーとして、SOSEI(ソセイ)とCoolLaser(クーレーザー)の二つのインフラメンテナンス技術を展開する。

SOSEI事業は、老朽化した工場や倉庫のスレート屋根改修を主力とする。2006年に独自開発したSOSEI工法は、瞬間硬化する特殊樹脂を屋根上に吹き付け補強する。作業員が屋根に乗っても踏み抜けない強度を生む工法で特許を取得し(特許第7332142号、第6815548号)、技術的優位性を確立する。断熱効果により空調効率化とCO2排出量削減に貢献する。塗装業出自の同社は、自社工事に限定した「責任施工」にこだわり、現場作業者の目線で工法開発を行い、徹底した安全対策と品質向上を図る。この責任施工が発注者から評価され、リピート発注に繋がる顧客ロックイン構造を形成する。特定建設業許可(建築工事業、とび・土工工事業、塗装工事業、防水工事業)も参入障壁となる。2025年3月までに累計156万㎡の施工実績を持つ。

CoolLaser事業は、高出力サビ取りレーザー施工装置「CoolLaser」の開発、製造、販売、保守、施工を行う。工場内部で使われていた高出力レーザーを屋外クリーニング用途に応用し、橋梁や鉄塔などの分厚いサビ・塗膜除去を可能にする。同社は「レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去」に関して日米で特許を権利化し(特許第5574354号、US-9868179)、強固な競争優位性(Moat)を築く。5.4kWの高出力、屋外土木工事に対応できる最大100mの光ファイバーケーブルを通じた長距離伝送、高出力レーザーの熱影響回避に優位性を持つ円形照射特許技術により、この工法のフロントランナーとして確固たる地位を確立する。

CoolLaserは、既存工法にない塩分除去効果を持ち、塩分を蒸発プロセスにより除去することで、サビの再劣化を防ぎ、塗替工事周期を長期化させ、橋梁のライフサイクルコストを低減させる。産業廃棄物を大幅に削減し、作業負荷も軽減する。反力がなく制御が容易なため、省人化・高効率化に向けたロボット化も容易である。塗膜除去、素地調整、塩分除去の3工程を一気通貫で完結できる。

参入障壁としては、2008年の基礎研究開始以来のノウハウ蓄積に加え、当社主導で設立した一般社団法人レーザー施工研究会を通じた屋外高出力レーザー利用のための安全ガイドライン制定、経済産業省とのJIS規格制定、国土交通省土木研究所との共同研究など、国の各機関と連携した社会実装に向けたルール整備が挙げられる。

2. 沿革ハイライト

株式会社トヨコーは1996年3月に塗装防水工事業として静岡県静岡市清水区に設立され、1997年3月に株式会社へ改組した。2006年6月に屋根の防水・断熱・補強等の効果を生み出すSOSEI工法を独自開発した。2008年6月にはレーザークリーニング工法(CoolLaser)の開発に着手し、光産業創成大学院大学との共同開発を開始した。2023年2月にCoolLaser初の市販モデル「G19-6000」シリーズを発売し、同年5月には回転式レーザー素地調整工法(CoolLaser工法)がNETISに登録された。2024年1月にはSOSEIの海外事業とCoolLaserの施工事業を清算し、SOSEIは国内事業、CoolLaserは装置メーカーとしての開発・製造・販売に経営資源を集中させる方針を明確化した。2025年3月、東京証券取引所グロース市場に上場した。

3. 収益・成長

SOSEI事業は、責任施工による品質管理と安全対策を徹底し、既存顧客からのリピートによる売上が全体の約8割を占める。これは安定した収益基盤と高い顧客単価の維持に貢献する。成長ドライバーは、高度経済成長期から50年以上経過した工場・倉庫の老朽化に伴う屋根改修ニーズの拡大、アスベスト飛散懸念、異常気象による被害増加である。研究開発活動として、SOSEI+ソーラーの開発(特許出願済)により、老朽化スレート屋根上への太陽光パネル設置を可能にし、新市場開拓を図る。SOSEIラインロボの開発(特許出願済)により、省人化と施工速度・品質向上を目指す。

CoolLaser事業は、装置売上、消耗品売上、保守売上、施工売上の4つの収益源を持つ。主力は「CoolLaser G19-6000」シリーズの装置販売(1億円程度)であり、建機レンタル会社や工事会社、インフラオーナー等に販売する。消耗品(保護レンズ、フィルター、保護具)とシステム・レーザーヘッドの定期メンテナンスによる保守契約は、継続的なストック型収益を構成し、ビジネスモデルの質を高める。施工売上は、主に装置の研究開発や市場分野開発を目的とした試験施工が中心であり、装置販売や保守契約、消耗品販売による継続収益で企業成長を図る方針である。

成長ドライバーは、日本の橋梁の建設後50年以上経過する割合が2020年3月の約30%から2040年3月には約75%に増加するなど、社会インフラの老朽化に伴うメンテナンス需要の拡大である。国土交通省が提言する事後保全から予防保全へのシフトは、CoolLaserのような予防保全技術への需要を大きく押し上げる。予防保全による維持管理費は、事後保全の場合の2048年度年間12兆円程度に対し、年間6兆円程度に減少すると試算される。建設業の労働力不足が深刻化する中で、工事の省人化やメンテナンス間隔の長期化を可能にするCoolLaserは、社会課題解決に貢献する。海外(米国)進出に向けた調査やパートナー選定、新型レーザーヘッドの開発や装置の小型化、各市場分野向けの応用開発も成長を牽引する。

4. 財務健全性

CoolLaser事業における開発費用の支出や技術者の採用などの先行投資により、2024年3月期まで継続的な営業損失を計上した。しかし、2023年2月の市販モデル「G19-6000シリーズ」発売を経て、2025年3月期には全社ベースで営業黒字を計上した。研究開発費支出は2022年3月期をピークに一服しており、今後は装置販売等の収益化を通じて中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努める方針である。2025年3月期末の現金及び預金残高は1,987,152千円であり、第三者割当増資や上場時の公募増資等による資本調達により、当面の事業運営に必要な手元資金は確保されている。運転資本の増加や新たな研究開発活動への資金需要に対し、借入金調達や第三者割当増資などによる資本調達を継続検討する。

5. 株主還元

提供された一次情報には、株主還元に関する具体的な記載がないため、株主還元方針については不明である。

6. 注目ポイント

株式会社トヨコーは、社会インフラ老朽化と建設業労働力不足という喫緊の社会課題に対し、SOSEIとCoolLaserという二つの独自技術で解決策を提供する。

SOSEI事業は、特許取得済みの工法と責任施工によるノウハウ蓄積、既存顧客からの高いリピート率により、安定した収益基盤と顧客ロックイン構造を構築する。

CoolLaser事業は、日米特許の円形照射技術、高出力化、長距離伝送技術により、レーザー施工分野のフロントランナーとしての確固たる競争優位性(Moat)を持つ。塩分除去効果や産業廃棄物削減、ロボット化の容易性といった既存工法にはない価値は、予防保全へのシフトを推進する規制の追い風を受け、インフラメンテナンス市場における強力な成長ドライバーとなる。レーザー施工研究会を通じた安全ガイドライン制定やJIS規格制定、国土交通省との共同研究は、同社の技術が社会実装される上での重要な参入障壁を形成する。

ビジネスモデルは、CoolLaser装置の販売、消耗品、保守サービスによる継続収益を重視しており、ストック型収益の比率を高めることで安定的な成長を目指す。先行投資フェーズから収益化フェーズへの移行と、国内外での市場拡大戦略、特に米国進出の動向は、今後の成長性を評価する上で重要な注目点となる。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W14V | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
27.1B 76.8倍 13.3倍 2,081.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 2.0B 1.1B 1.1B
営業利益 301M -189M
純利益 321M -158M -119M
EPS 27.1 -15.3 -11.9
BPS 155.9 29.8 -21.9

大株主

株主名持株比率
豊澤 一晃0.30%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.05%
白井 元0.05%
建装工業株式会社0.04%
株式会社トヨコー従業員持株会0.04%
大和ハウスグループ共創共生1号投資事業有限責任組合0.03%
太平電業株式会社0.02%
株式会社エヌエスティー0.02%
株式会社脱炭素化支援機構0.02%
鈴木 紀行0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-01-09みずほ証券株式会社 0.00%+0.00%
2025-05-09アセットマネジメントOne株式会社 0.02%N/A
2025-04-22アセットマネジメントOne株式会社 0.07%+0.07%
2025-03-31白井 元 5.58%+2.58%
2025-03-31豊澤 一晃 35.16%+32.16%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-01-09EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有2,210+0.14%
2025-05-09EDINET大量保有アセットマネジメントOne株式会社大量保有 0.02%1,235+3.81%
2025-04-22EDINET大量保有アセットマネジメントOne株式会社大量保有 0.07%1,330-3.76%
2025-03-31EDINET大量保有白井 元大量保有 5.58%800+1.25%
2025-03-31EDINET大量保有豊澤 一晃大量保有 35.16%800+1.25%