Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

特殊電極株式会社 (3437)

特殊電極は、特殊溶接技術と材料を専門とするメーカーである。「表面改質技術」の肉盛溶接が中心。主力は製鉄・自動車産業の設備メンテナンス溶接施工で、2025年3月期売上高の75.7%を占める。軟鋼以外の特殊材料溶接、耐摩耗肉盛溶接、超耐摩耗合金「トッププレート」に強みを持つ。PTA粉末材料の特許取得など、研究開発による技術的優位性が競争力の源泉。海外市場開拓や新技術・新製品による新規顧客獲得を成長ドライバーとする。 [本社]兵庫県加古川市 [創業]1933年 [上場]2006年

1. 事業概要と競争優位性

特殊電極は、溶接材料の開発力及び溶接総合技術を活かしたメーカーである。特に「表面改質技術」に属する肉盛溶接技術並びにそれに用いる肉盛溶接材料を中心に事業を展開する。事業は「工事施工」「溶接材料」「環境関連装置」の3部門で構成する。

主力事業は「工事施工」であり、2025年3月期には売上高の75.7%を占める。製鉄、自動車産業の設備メンテナンスに関する溶接を主力とする。同社の溶接施工は、軟鋼以外の特殊材料(耐腐食性のステンレス材・チタン材、耐熱性のニッケル合金、硬さの耐摩耗材料、軽さのアルミ材・チタン材、強さの高張力材など)を対象とする「特殊材料溶接」と、摩耗した設備部品の再生手段である「耐摩耗肉盛」を特徴とする。耐摩耗肉盛では、軟鋼より硬い材料からダイヤモンドに次ぐ硬さまで、幅広い溶接材料を準備し顧客の要望に対応する。また、軟鋼に超耐摩耗合金を特殊肉盛溶接した「トッププレート」は、凹凸が少なく高硬度でありながら割れ及び歪みが少ない特性を持ち、製鉄所やセメント工場などの研削摩耗を受ける設備に採用される。

「溶接材料」部門では、上記工事施工で使用される特殊溶接用材料の仕入・製造・販売を行う。本社工場でフラックス入りワイヤを生産し、被覆アーク溶接棒などは技術標準に基づき製造委託する。

「環境関連装置」部門では、省エネや作業環境改善を目的とした強制冷却装置、金型加熱装置、自動搬送車(AGV)による搬送ライン装置などを製造・販売する。

同社の競争優位性(Moat)は、長年にわたる特殊溶接技術の専門性と研究開発力に裏打ちされる。特に、特殊材料溶接や耐摩耗肉盛溶接における幅広い材料対応力、独自のトッププレート製造技術は高い参入障壁を形成する。PTA粉末材料の開発で特許を取得するなど、継続的な研究開発により技術的優位性を確保する方針を掲げる。「技術のトクデン」として顧客密着型営業と直販体制を堅持し、顧客からの信頼を構築する。

2. 沿革ハイライト

1933年2月、特殊溶接棒製作所として創業し、特殊アーク溶接棒及びガス溶接棒の製造販売を開始する。1950年1月に特殊電極株式会社として設立。1955年2月には溶接工事を開始し、現在の主力事業の礎を築く。1960年3月には研究所(現研究開発部)を設置し、技術開発体制を強化する。1981年1月にフラックス入りワイヤ、1986年12月にはトッププレートの製造販売を開始する。1995年3月に会社更生手続を終結する。2003年3月には環境関連装置の製造販売を開始し、事業領域を拡大する。2006年6月にジャスダック証券取引所に株式上場し、2022年4月には東京証券取引所スタンダード市場へ移行する。2024年1月には本社と尼崎工場を兵庫県加古川市に移転し、本社・本社工場へ改称する。

3. 収益・成長

同社は景気に左右されない経営基盤の構築を基本方針とし、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益を重要な指標と位置づける。

成長ドライバーとして、研究開発の推進による技術的優位性の確保、新商品・新技術による新規得意先の獲得、海外市場の開拓を掲げる。国内市場の縮小傾向に対応し、海外事業開発推進部が中心となり、海外子会社の組織力・設備強化による受注拡大と完全黒字化を目指す。また、「設備の再生・延命」をキーワードに、循環型社会形成に向けた4R(リデュース、リユース、リサイクル、リペア)の浸透を追い風とし、既存顧客への深掘りや新業界の開拓を強力に推進する。カーボンニュートラルに向けた商品開発や自動化による省人化設備開発も進める。

4. 財務健全性

2025年3月期末の総資産は11,911百万円、純資産は7,654百万円である。有利子負債は1,284百万円に対し、現金及び現金同等物は1,703百万円を保有する。財務健全性は良好である。

5. 株主還元

同社は株主利益の重視を経営方針の一つとする。2025年3月期の年間配当金は97円である。

6. 注目ポイント

同社の最大の注目ポイントは、特殊溶接技術における高い専門性と、それを支える継続的な研究開発力である。特に、特殊材料溶接、耐摩耗肉盛、トッププレートといったニッチかつ高付加価値な領域での技術的優位性は、強固な参入障壁と顧客ロックイン構造を形成する。中長期的な成長ドライバーとして、国内市場の縮小に対応するための海外市場開拓、および「設備の再生・延命」をキーワードとした循環型社会への貢献が期待される。PTA粉末材料の特許取得やレーザークラッディング技術の共同研究など、先端技術への取り組みも継続する。一方で、取引先上位10社への売上依存度(2025年3月期で47.8%)や、特定の協力会社への仕入依存度(昭和KDEへの原材料仕入割合32.6%)はリスク要因として認識し、リスク分散化に努める方針である。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W8MT | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
4.7B 10.0倍 0.6倍 0.0% 2,948.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 10.5B 9.6B 9.7B
営業利益 636M 495M 809M
純利益 467M 380M 697M
EPS 295.6 240.1 440.5
BPS 4,806.6 4,555.3 4,357.8

大株主

株主名持株比率
株式会社UH Partners 20.10%
光通信株式会社0.08%
特殊電極従業員持株会0.08%
株式会社UH Partners 30.07%
大野 昌克0.02%
坂西 啓至0.02%
宮田 純子0.02%
福田  博0.02%
特殊電極取引先持株会0.02%
坂本 浩司0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-09-26光通信株式会社 26.40%+0.84%
2022-01-18光通信株式会社 25.56%+0.03%
2021-12-10光通信株式会社 25.53%+0.65%
2021-11-29光通信株式会社 25.53%+0.65%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-10-29TDNet配当・還元特殊電極剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ2,700-1.11%
2025-09-26EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 26.4%2,944-3.40%
2022-01-18EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 25.56%
2021-12-10EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 25.53%
2021-11-29EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 25.53%