Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

特種東海製紙株式会社 (3708)

特種東海製紙は紙パルプ製造・販売を主軸に、産業素材、特殊素材、生活商品、環境関連の4事業を展開する。特殊素材事業はファンシーペーパーや特殊機能紙等の多品種・小ロット・高付加価値製品に強みを持つ。ノンフッ素耐油紙やウエットモウルド等の環境配慮型新製品を開発し、特許出願も行う。環境関連事業は廃棄物処理・リサイクルをM&Aで拡大し、製紙に次ぐ成長の主軸と位置付ける。脱・減プラスチックや循環型社会への移行を成長ドライバーとし、事業ポートフォリオ変革を推進する。 [本社]東京都千代田区 [創業]2007年 [上場]2007年

1. 事業概要と競争優位性

特種東海製紙は紙パルプ製造・販売を主軸に、産業素材、特殊素材、生活商品、環境関連の4事業を展開する。子会社15社、関連会社5社で構成する。

産業素材事業は段ボール原紙やクラフト紙等の産業用紙を製造・販売する。日本製紙株式会社との合弁事業を通じ規模の経済を追求し、業績は主に持分法利益で反映されるビジネスモデルを持つ。

特殊素材事業はファンシーペーパー等の特殊印刷用紙及び特殊機能紙といった多品種・小ロット・高付加価値製品の製造・販売を行う。特種東海製紙本体が事業主体であり、独自の強みを活かす。ノンフッ素耐油紙の改良品上市や新グレード導入、ウエットモウルド分野での大型案件開発・上市、パッケージ分野での新製品販売成功など、継続的な研究開発と新技術領域での特許出願(当期16件)による技術的優位性を競争優位性とする。脱・減プラスチックの流れによるパッケージ用途や海外向け特殊機能紙の堅調な需要を見込む。

生活商品事業は業務用ペーパータオルやトイレットペーパー等の衛生用紙、ラミネート紙等の加工品を製造・販売する。オンリーワン製品につながる技術開発に取り組む。

環境関連事業はサーマルリサイクル燃料の製造・販売、廃棄物処理・リサイクル、社有林管理・ウイスキー製造を行う。廃プラスチックを主材料とする固形燃料(RPF)製造販売、産業廃棄物の中間処理、廃家電の再資源化、廃プラスチックの再生原料化など、幅広いリサイクルビジネスを展開する。リサイクルビジネスは国内外の社会課題解決や環境負荷低減の動きに伴いニーズが拡大しており、当社グループ成長の要と位置付ける。M&A(駿河サービス工業、トーエイホールディングス、貴藤ホールディングスの子会社化)により集荷エリア拡大を図り、マテリアルリサイクル技術開発にも注力する。これはM&Aによる参入障壁構築と市場拡大を成長ドライバーとする。

製紙3事業は総需要に対する生産能力超過により競争が激化する中、比較優位分野の強化と差別化を重視する。資源再活用事業では、廃棄物集荷における競合激化に対し、物流を考慮した同業連携やM&Aによる集荷エリア拡大に取り組む。

2. 沿革ハイライト

当社は2007年4月、特種製紙株式会社と東海パルプ株式会社の共同持株会社として設立され、東京証券取引所第一部に上場する。2010年4月には両社を吸収合併し、同年7月に商号を特種東海製紙株式会社に変更した。

環境関連事業強化のため、2020年1月に株式会社駿河サービス工業、2023年4月にトーエイホールディングス株式会社、2024年4月に株式会社貴藤ホールディングスを子会社化した。2021年4月には株式会社モルディアを設立し、ウエットモウルド分野へ進出した。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場へ移行した。

3. 収益・成長

当社グループは長期目標として、2034年度での経常利益130億円、ROE9.0%以上の達成を掲げる。成長が見込まれる環境関連事業をもう一つの主軸とした事業ポートフォリオへの変革を推進する。

第6次中期経営計画(2023年4月~2026年3月)では、製紙事業と環境関連事業の両輪での成長を目指し、「環境関連事業への資源投入」「製紙事業における製品ポートフォリオの入替」「経営基盤の強化」に取り組む。具体的には、産業素材事業の新ボイラー稼働に向けたサーマルリサイクル事業の拡大、マテリアルリサイクルの技術開発と事業拡大を図る。製紙事業では成長領域への製品投入と新たな紙需要開拓を進める。第6次中期経営計画の全社KGIとして、営業利益50億円、経常利益80億円、ROE7.0%の達成を目指す。

成長ドライバーは、環境関連事業における脱化石燃料への社会的背景や循環型社会への移行、M&Aによる資源再活用事業の拡大である。特殊素材事業では、脱・減プラスチックの流れによるパッケージ用途や特殊機能紙の海外向け需要が成長を牽引する。

当連結会計年度の設備投資総額は10,258百万円、研究開発費の総額は574百万円である。

4. 財務健全性

当連結会計年度末(2025年3月31日)の総資産は139,436百万円、純資産は85,834百万円である。現金及び現金同等物は10,599百万円、有利子負債は29,171百万円を計上する。

当社グループはPBRが定常的に1.0倍を下回る状況を認識し、資本コストや株価を意識した経営の実現を課題とする。株主資本コストを9.0%程度と分析し、資本収益性の高い事業領域への進出、成長性の訴求、将来リスク低減により市場評価獲得を目指す。事業別ROA・ROIを管理項目として設定し、資本コスト・資本収益性を意識した経営を実践する。

事業等のリスクとして、需要及び市況の変動、原燃料価格の変動、取引先の信用リスク、法的規制、災害や感染症、所有資産価値の変動を認識する。特にM&Aに伴い計上したのれんについて、景気変動等の影響により収益性が低下した場合には減損損失計上により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

5. 株主還元

当社は株主に対する還元の基準として親会社株主に帰属する当期純利益を重要視する。

直近3期の年間配当は、2023年3月期が100.0円、2024年3月期が120.0円、2025年3月期が120.0円である。

6. 注目ポイント

当社グループは製紙事業の構造転換と環境関連事業の成長を両輪とする事業ポートフォリオ変革を推進する。環境関連事業はM&Aと技術開発により、新たなコア事業として持続的成長を期待する。特殊素材事業における高付加価値製品開発と脱・減プラスチック需要への対応も収益性向上に寄与する。PBR1.0倍割れという課題に対し、資本コストを意識した経営と資本収益性改善への取り組みを強化する。島田工場での新廃棄物ボイラー設置計画や森林由来J-クレジットの活用検討など、持続可能な社会に向けた取り組みも企業価値向上に貢献する。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100VV7X | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
20.9B 5.2倍 0.2倍 0.1% 1,608.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 94.8B 86.5B 84.1B
営業利益 3.9B 2.3B 1.6B
純利益 3.6B 4.6B 4.1B
EPS 307.5 387.9 345.5
BPS 6,761.6 6,516.9 6,061.9

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)・(注1)0.09%
中央建物株式会社0.04%
新生紙パルプ商事株式会社0.03%
株式会社静岡銀行0.03%
株式会社竹尾0.02%
株式会社トーモク0.02%
第一生命保険株式会社0.02%
平和紙業株式会社0.02%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)・(注2)0.02%
王子ホールディングス株式会社0.02%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-10TDNet人事特種東海(訂正)組織変更および役員等の異動に関するお知らせ1,641+1.46%
2026-01-23TDNetその他特種東海絶縁紙の製造・販売ノウハウのライセンス契約および棚卸資産譲受に関するお知らせ1,710-1.05%
2025-11-26TDNetIR特種東海2026年3月期第2四半期決算説明会資料1,511+0.86%
2025-09-11TDNetM&A特種東海完全子会社である株式会社TTトレーディングの吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ4,465+0.45%
2025-09-11TDNetその他特種東海株主優待制度の変更に関するお知らせ4,465+0.45%
2025-08-08TDNet資本政策特種東海ストックオプション(新株予約権)の内容確定に関するお知らせ4,230-0.71%
2025-07-17TDNet資本政策特種東海ストックオプション(新株予約権)の発行に関するお知らせ3,865-0.13%