Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

パシフィックシステム株式会社 (3847)

パシフィックシステムは、製造業、流通業、金融業等向けに情報サービス事業を展開する。機器等販売、ソフトウェア開発、システム販売、システム運用・管理等を主力とする。親会社である太平洋セメントグループへの唯一の情報サービス提供企業であり、安定した最大取引先として強固な顧客基盤を持つ。生コンクリート業界向け自社開発システムやAIスランプ予測システム『PreSLump AI®』等のAI関連製品に強みを持つ。データセンター運用とISMS認証取得で情報管理体制を構築し、DX推進やAI・IoT技術活用、研究開発投資拡大を成長ドライバーとする。 [本社]埼玉県さいたま市 [創業]1980年 [上場]2007年

1. 事業概要と競争優位性

パシフィックシステム株式会社は、製造業、流通業、金融業等幅広い業界向けに情報サービス事業を展開する。事業は「機器等販売」「ソフトウェア開発」「システム販売」「システム運用・管理等」の4つの区分で構成する。連結子会社の株式会社システムベースは、岩手県内の企業及び自治体向けを中心に情報サービス事業を行う。

同社の競争優位性は、親会社である太平洋セメント株式会社グループに対し、情報サービスを全般にわたって提供する「唯一の会社」である点に存在する。これにより、安定した最大取引先としての地位を確立し、強固な顧客基盤を構築する。2025年3月期において、太平洋セメントグループへの売上高構成比は38.4%に達する。この関係性は、高いスイッチングコストと顧客ロックイン構造を生み出す。また、生コンクリート業界向けシステムの自社開発商品(PAT-ONE、AIスランプ予測システム『PreSLump AI®』)を有し、このニッチ市場における専門的なノウハウと技術蓄積が強みとなる。1991年には日本初のGPSを利用した車両動態監視システムの販売を開始し、技術的先行性を示した。

参入障壁としては、親会社グループとの長年にわたる強固な取引関係、特定業界に特化したシステム開発とノウハウ蓄積、データセンター等の設備投資規模、ISMS認証やプライバシーマーク認証による情報セキュリティ体制の構築、電気通信事業法に基づく届出や建設業許可といった規制・許認可への対応が挙げられる。

ビジネスモデルの質として、「システム運用・管理等」事業は、ユーザシステムの運用・管理サービス、データセンター、保守サービス等を含み、安定的なストック型収益の要素を持つ。

2. 沿革ハイライト

1980年8月、秩父セメント株式会社(現太平洋セメント株式会社)システム部が分離独立し、システム綜合開発株式会社として設立され、情報サービス事業を開始する。1983年6月には株式会社ジェスと合併し、大阪事業所を開設。1989年6月には計量制御システム等の製造販売を行う株式会社ジェムと合併し、事業領域を拡大する。1991年9月には日本初のGPSを利用した車両動態監視システムの販売を開始した。1999年10月、太平洋セメントの子会社である株式会社アイシスと合併し、商号をパシフィックシステム株式会社に変更、拠点を拡大する。2007年4月、ジャスダック証券取引所市場へ株式上場。2007年10月には株式会社システムベースを子会社化する。2011年2月、生コンクリート関連情報サービス事業を担っていた子会社のパシフィックテクノス株式会社を吸収合併し、事業を再統合した。2011年2月、本社を埼玉県さいたま市に移転。2022年4月、東京証券取引所の市場再編に伴い、東京証券取引所スタンダード市場へ移行する。

3. 収益・成長

同社グループの経営環境は、国内経済の不透明感が継続するものの、各企業におけるDX推進の流れやAI・IoT技術の重要性増大、情報化投資意欲の高まりが継続すると認識する。これは情報サービス市場のTAM拡大要因となる。このような環境下、同社は2024年5月に今後の10年における戦略として「PACIFIC SYSTEMS VISION 2032」を策定し、既存事業領域の発展・展開と新たな事業領域への挑戦を掲げる。そのPhase1として「26中期経営計画」を策定し、「強みを知り、強化する」「既存技術の展開・応用力で分野を拡大」「新規技術の獲得」等を基本方針とする。

成長ドライバーとして、研究開発投資を最重点施策と位置付け、中計期間総額568百万円(前中計比409百万円増)へ拡大し、AI、センシング、オリジナルパッケージ、新商品・新技術への投資を行う。具体的には、AIスランプ予測システム『PreSLump AI®』等のAI関連製品、AIコンサル、スマートファクトリ等のIoT関連、セキュリティ脆弱性診断等のセキュリティビジネス、ERPビジネス、基幹業務システムの受託開発、DXソリューション、データセンター等の展開を積極的に進める。中期的な目標として、2027年3月期に売上高120億円、営業利益9.6億円を目指す。

4. 財務健全性

同社は強固な財務基盤を維持する。2025年3月期末時点で有利子負債は0円であり、実質無借金経営を継続する。手元資金も潤沢であり、現金及び現金同等物は2023年3月期末の1,967,209千円から、2024年3月期末には2,743,512千円、2025年3月期末には2,783,851千円へと増加傾向にある。自己資本比率は2025年3月期末の純資産6,683,874千円、総資産9,752,591千円から約68.5%と高い水準を維持する。営業活動によるキャッシュフローは2024年3月期に1,304,773千円、2025年3月期に663,149千円と安定的にプラスを確保し、事業活動に必要な資金を自己資金で賄う能力が高いことを示す。

5. 株主還元

同社は株主への利益還元を重要な経営課題と認識する。長期ビジョン「PACIFIC SYSTEMS VISION 2032」において、配当性向30.0%~50.0%を目標値として設定する。年間配当額は増加傾向にあり、2023年3月期は132.0円、2024年3月期は134.0円、2025年3月期は140.0円と、安定的な増配を実施する。

6. 注目ポイント

同社の事業における注目ポイントは、親会社である太平洋セメントグループとの強固な関係性である。同グループは安定した最大取引先であり、売上高の約38.4%(2025年3月期)を占める。この関係性は安定的な収益基盤を提供する一方で、特定顧客への依存度が高いというリスクも内包する。

また、生コンクリート業界というニッチ市場における専門性と、AIスランプ予測システム『PreSLump AI®』などの新製品展開は、今後の成長を牽引する可能性を秘める。DX、AI、IoTといった先端技術分野への積極的な研究開発投資と、AI関連製品、セキュリティビジネス、データセンター事業の拡大は、市場の成長トレンドを捉えた戦略と評価できる。

一方で、情報サービス業界全体での人材獲得競争の激化は、優秀な技術者の確保・育成において課題となる。同社は「技術者の確保、育成」を事業リスクとして認識しており、今後の事業拡大において重要な要素となる。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 11.4B 10.9B 9.6B
営業利益 867M 852M 573M
純利益 655M 580M 336M
EPS 442.5 392.0 227.2
BPS 4,517.4 4,180.2 3,833.8

大株主

株主名持株比率
太平洋セメント株式会社0.66%
パシフィックシステム社員持株会0.05%
AGS株式会社0.02%
株式会社武蔵野銀行0.02%
光通信株式会社0.01%
みずほリース株式会社0.01%
山 上 浩 司0.01%
増 古 恒 夫0.01%
小 南  毅0.01%
中 島 良 樹0.00%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-11-07太平洋セメント株式会社 99.96%+1.92%
2025-09-25太平洋セメント株式会社 98.04%+32.36%
2021-12-07太平洋セメント株式会社 65.68%(3.04%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-11-25TDNetMBO・上場廃止パシフィックS当社株式の上場廃止に関するお知らせ6,780
2025-11-07EDINET大量保有太平洋セメント株式会社大量保有 99.96%
2025-10-27TDNetMBO・上場廃止パシフィックS支配株主である太平洋セメント株式会社による当社株式に係る株式売渡請求を行うことの決定、当該株式売渡請
2025-09-29TDNet株主総会パシフィックS(開示事項の経過)臨時株主総会の不開催及び基準日の取消しに関するお知らせ6,800+0.15%
2025-09-25EDINET大量保有太平洋セメント株式会社大量保有 98.04%6,820+0.00%
2025-09-25TDNetM&AパシフィックS支配株主である太平洋セメント株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ6,820+0.00%
2025-09-12TDNet株主総会パシフィックS臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ6,840-0.15%
2025-08-08TDNet決算パシフィックS2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)5,250+19.05%
2025-08-08TDNetIRパシフィックS2026年3月期 第1四半期決算説明資料5,250+19.05%
2025-08-08TDNetM&AパシフィックS支配株主である太平洋セメント株式会社による当社株式に対する 公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募5,250+19.05%
2025-08-08TDNet業績修正パシフィックS2026年3月期配当予想の修正(無配)に関するお知らせ5,250+19.05%
2025-06-23TDNetその他パシフィックS支配株主等に関する事項について
2021-12-07EDINET大量保有太平洋セメント株式会社大量保有 65.68%