Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

日本製紙株式会社 (3863)

日本製紙は、洋紙・板紙、生活関連(家庭紙、紙加工品等)、エネルギー、木材・建材事業を展開する。グラフィック用紙需要減少に対応し、総合バイオマス企業への事業構造転換を推進。家庭紙はパルプ一貫生産でコスト競争力強化を図る。リチウムイオン電池用CMCは日本・ハンガリー拠点からグローバル供給。学校給食用紙パック「School POP®」は国内学校給食牛乳市場の約40%をカバーする。セルロースナノファイバー「セレンピア®」はモビリティ部品で世界初の量産化事例。国内外に16万haの森林資源を保有し、GHG排出量削減目標を2013年度比54%に引き上げ、バイオマス素材事業を拡大する。 [本社]東京都千代田区 [創業]1949年

1. 事業概要と競争優位性

日本製紙グループは、当社、子会社121社、関連会社32社で構成される。主な事業は、洋紙、板紙、特殊紙、パルプ等の製造販売を行う「紙・板紙事業」、家庭紙、雑種紙、紙加工品、段ボール、化成品等の製造販売を行う「生活関連事業」、電力の卸供給販売を行う「エネルギー事業」、木材・建材の仕入販売、建材の製造販売、土木建設事業を行う「木材・建材・土木建設関連事業」、物流、レジャー等の「その他事業」である。グラフィック用紙需要減少に対応し、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」への事業構造転換を「2030ビジョン」で目指す。

競争優位性として、家庭紙事業ではパルプからの一貫生産拠点を増やし、コスト競争力強化を図る。ケミカル事業では、リチウムイオン電池用CMC製造工場を日本とハンガリーに持ち、グローバル顧客へ製品を供給する体制を構築する。液体用紙容器事業のストローレス対応学校給食用紙パック「School POP®」は、国内学校給食牛乳市場の約40%をカバーし、急速に普及する。次世代型紙容器「NSATOM®」の初の製品採用も決定し、グローバルパートナーとの協業により一貫サービス体制構築を進める。

新素材分野では、セルロースナノファイバー(CNF)「セレンピア®」の量産設備を稼働させ、食品、化粧品、モビリティ関連部材での採用を拡大する。CNF強化樹脂「セレンピア®プラス」は、水上オートバイのエンジン部材として世界初の量産化事例を創出する。プラスチック代替となる紙製バリア素材「シールドプラス®」やヒートシール紙「ラミナ®」、多機能段ボール原紙「防水ライナ」、木質バイオマス材料を樹脂に高配合した「トレファイドバイオコンポジット」等の開発・市場投入を進める。

原材料確保においては、国内外に16万haの森林資源を保有し、長年培った樹木の育種・増殖技術や植林技術を活用し、森林の生産性向上を図る。国内ではCO₂吸収能力が高く花粉量が少ないエリートツリー苗の生産体制を2030年度までに構築する。難利用古紙のリサイクルチェーン構築も推進する。研究開発部門と知的財産部門が連携し、成長分野や新規事業分野での特許出願・権利化を強化し、海外事業拡大を念頭に置いた知財戦略を展開する。大規模な設備投資を伴う紙・パルプ製造業の産業構造は、新規参入障壁となる。

2. 沿革ハイライト

当社は1949年8月1日、過度経済力集中排除法に基づく旧王子製紙の解体により十條製紙株式会社として設立された。1993年4月には山陽国策パルプ株式会社と合併し、日本製紙株式会社に商号を変更する。その後もグループ再編を重ね、2013年4月には株式会社日本製紙グループ本社を吸収合併し、現在の事業体制の基礎を築いた。2020年4月にはオーストラリアン・ペーパー社が、オローラ社から豪州・ニュージーランド事業の板紙パッケージ部門を譲り受け、Opal社として運営を開始し、海外事業を強化する。

3. 収益・成長

当社グループは「2030ビジョン」で「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業として持続的な成長を遂げる」を目指す姿とし、「成長事業への経営資源のシフト」と「GHG削減、環境課題等の社会情勢激変への対応」を基本方針とする。「中期経営計画2025」では「事業構造転換の加速」を基本戦略に掲げ、生活関連事業の売上比率を2020年度の32%から2025年度には41%に拡大し、営業利益は79億円から150億円に増加する見通しである。

成長ドライバーとして、ケミカル事業でのリチウムイオン電池用CMCグローバル供給強化、家庭紙・ヘルスケア事業でのパルプからの一貫生産によるコスト競争力強化、CNFや国産木材由来バイオエタノール等のバイオマス素材製品の用途拡大を進める。

サステナビリティ経営を強化し、2030年度のGHG排出削減目標を2013年度比45%から54%に引き上げる。燃料転換、省エネ、生産体制再編成を前倒しで進める。石巻工場での高効率黒液回収ボイラー新設や八代工場での石炭ボイラー停機により脱炭素化を加速する。「グリーン戦略」を展開し、海外植林地の生産性向上や国内エリートツリー苗生産、J-クレジット制度への登録、難利用古紙リサイクルチェーン構築を推進する。海外事業では、豪州Opal社の立て直しを喫緊の経営課題とし、生産体制最適化、固定費削減、設備投資、営業体制強化により早期の黒字化を目指す。

4. 財務健全性

当社グループは、中期経営計画2025において、D/Eレシオ1.7倍台(2025年度)、ROE5.0%以上(2025年度)を目標とする。財務規律を重視し、不動産や政策保有株式の売却を積極的に進め、事業構造転換に必要な投資を厳選して実行する。純有利子負債は2024年度末に6,949億円まで削減し、中期経営計画2025の目標値7,100億円以下を達成した。2024年度の設備投資額は52,386百万円であり、生活関連事業に25,862百万円、紙・板紙事業に24,033百万円を投じ、家庭紙増産や海外段ボール事業設備更新、バイオマス燃料転換投資等を実施する。2025年3月期の総資産は1兆7,033億8百万円、純資産は5,104億3千5百万円、有利子負債は8,570億1千6百万円である。

5. 株主還元

当社は株価や資本コストを意識した経営を推進し、PBR改善に向けた取り組みを進める。2025年度より各事業のKPI設定を行い、定期的な進捗確認を実施する。年間配当は10.0円を継続する。

6. 注目ポイント

当社グループの今後の注目ポイントは、「総合バイオマス企業」への事業構造転換の進捗と、CNF、バイオエタノール、リチウムイオン電池用CMC等の新規事業・新素材の市場投入と収益貢献度である。CNF強化樹脂のモビリティ部品での世界初の量産化事例を創出した後の用途拡大や、国産木材由来バイオエタノールの事業化検討の動向は重要である。豪州Opal社の収益改善と早期黒字化の実現も、グループ全体の収益に与える影響が大きい。GHG排出量削減目標達成に向けた燃料転換や生産体制再編成の実行状況、「グリーン戦略」による新たな事業機会創出の成否も注視される。人的資本経営の強化策、サプライチェーンにおける原燃料価格変動や「物流2024年問題」への対応力も継続的に評価する必要がある。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W5KI | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
140.2B 30.7倍 0.3倍 0.0% 1,206.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 1182.4B 1167.3B 1152.6B
営業利益 19.7B 17.3B -26.9B
純利益 4.5B 22.7B -50.4B
EPS 39.3 197.1 -436.3
BPS 4,175.8 4,062.2 3,415.8

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) (注)10.14%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) (注)10.07%
日本製紙従業員持株会0.03%
日本製紙取引先持株会0.02%
日本生命保険相互会社0.02%
大樹生命保険株式会社0.02%
株式会社みずほ銀行0.02%
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505223(常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%
ジェーピー モルガン チェース バンク 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-12-22日本生命保険相互会社 5.14%+0.10%
2025-12-19三井住友信託銀行株式会社 4.55%(1.03%)
2025-09-19三井住友信託銀行株式会社 5.58%(0.30%)
2025-04-21三井住友信託銀行株式会社 5.88%+0.18%
2025-03-06ブラックロック・ジャパン株式会社 4.28%(1.02%)
2025-02-07株式会社みずほ銀行 0.02%N/A
2024-11-21三井住友信託銀行株式会社 5.70%(0.48%)
2024-10-03ブラックロック・ジャパン株式会社 5.30%+5.30%
2024-09-20三井住友信託銀行株式会社 6.18%(0.15%)
2024-09-05野村證券株式会社 4.42%(0.61%)
2024-07-04三井住友信託銀行株式会社 6.33%+0.08%
2024-07-03野村證券株式会社 5.03%+5.03%
2024-03-22三井住友信託銀行株式会社 6.25%(2.09%)
2023-05-19三井住友信託銀行株式会社 8.34%+0.70%
2023-03-22三井住友信託銀行株式会社 7.64%+0.47%
2022-12-06三井住友信託銀行株式会社 7.17%+1.10%
2022-09-22三井住友信託銀行株式会社 6.07%(1.05%)
2022-06-22日本生命保険相互会社 5.04%+5.04%
2022-05-10三井住友信託銀行株式会社 7.12%(0.26%)
2022-04-21野村證券株式会社 4.86%(0.18%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-12-22EDINET大量保有日本生命保険相互会社大量保有 5.14%1,141-0.26%
2025-12-19EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 4.55%1,116+2.24%
2025-09-19EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 5.58%1,248+0.80%
2025-08-06TDNet決算日本紙2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)1,130-0.27%
2025-08-06TDNetIR日本紙2026年3月期第1四半期 決算説明資料1,130-0.27%
2025-04-21EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 5.88%1,110+2.88%
2025-03-06EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 4.28%1,059+1.04%
2025-02-07EDINET大量保有株式会社みずほ銀行大量保有 0.02%
2024-11-21EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 5.7%
2024-10-03EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 5.3%
2024-09-20EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.18%
2024-09-05EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 4.42%
2024-07-04EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.33%
2024-07-03EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.03%
2024-03-22EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.25%
2023-05-19EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 8.34%
2023-03-22EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 7.64%
2022-12-06EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 7.17%
2022-09-22EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.07%
2022-06-22EDINET大量保有日本生命保険相互会社大量保有 5.04%