Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社巴川コーポレーション (3878)

巴川コーポレーションは、トナー、半導体・ディスプレイ関連、機能性シート、セキュリティメディア、新規開発の5事業を展開する。トナー事業は独立系メーカーとして売上、開発力、品質、供給安定性でNo.1の地位を確立する。半導体・ディスプレイ関連では車載用ディスプレイ飛散防止フィルムで高いシェアを持ち、リードフレーム固定テープも高い信頼性で車載用途に採用される。機能性シート事業は抄紙技術を活かした少量多品種生産で大手製紙会社の参入障壁を築く。熱・電気・電磁波コントロール材料「iCas」など新製品開発に注力し、事業ポートフォリオ転換と成長を目指す。 [本社]静岡県静岡市 [創業]1917年 [上場]1961年

1. 事業概要と競争優位性

株式会社巴川コーポレーションは、トナー、半導体・ディスプレイ関連、機能性シート、セキュリティメディア、新規開発の5事業を展開する。

トナー事業は、複合機・プリンター用トナー等を事務機器メーカーへ販売する。独立系トナーメーカーとして、売上、開発力、品質、原材料購買力、供給安定性でNo.1のポジションを確立する。グローバルな生産販売活動を展開する。

半導体・ディスプレイ関連事業は、FPD向け光学フィルム、半導体実装用テープ、半導体関連部品を提供する。主力のリードフレーム固定テープは高い信頼性と採用実績から車載用途を中心に利用され、中期的な成長を見込む。ディスプレイ用飛散防止フィルムは車載分野で高いシェアを獲得する。QFN用接着テープを主力製品に育成し、フレキシブル面状ヒーターの量産体制構築も進める。

機能性シート事業は、抄紙技術を活かした機能性不織布や塗工紙製品を販売する。少量多品種生産への対応が必要な特性から、大手製紙会社の参入がなく、競争環境に恵まれたニッチ市場での優位性を有する。

セキュリティメディア事業は、有価証券、カード、帳票、磁気記録関連製品の製造・加工及び情報処理関連事業を行う。デジタル社会におけるセキュリティ追求やキャッシュレス決済多様化ニーズへの対応を通じて成長戦略を推進する。

新規開発事業は、基礎・要素技術の融合により新製品開発を行う。熱・電気・電磁波コントロール材料「iCas」や環境制御材料「GREEN CHIP」を重点分野とし、湿式抄紙技術を用いたメタル繊維シート応用高性能ヒートシンク・面状ヒーター、機能性粉体担持シートの各種応用開発、新規電気電子部品の商品化検討を進める。研究開発要員は133名、研究開発費は1,550百万円(連結売上高比4.50%)を投じ、開発型企業としての競争優位性を強化する。

2. 沿革ハイライト

1914年6月、巴川製紙所を創設し、電気絶縁紙・電気通信用紙の研究試作を開始する。1917年8月に株式会社巴川製紙所を設立する。1961年10月、東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第一部に上場した。1978年11月には米国にTOMOEGAWA(U.S.A.)INC.を設立しトナー生産を開始、1984年5月にはオランダにTOMOEGAWA EUROPE B.V.を設立し販売を開始する。2015年6月には熱・電気・電磁波コントロール関連製品の統一ブランド「iCas」を創設する。2022年4月、東京証券取引所スタンダード市場へ移行し、2024年1月には商号を株式会社巴川コーポレーションに変更した。

3. 収益・成長

当社グループは、2026年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画において、「事業ポートフォリオの転換による新たな成長と企業体質の変革」を主題に掲げる。連結売上高360億円、営業利益14億円、ROE5.1%以上、新製品売上高比率20%を目標とする。5GやDXを支える事業、SDGsに資する製品の展開、構造改革、体質改善を通じた企業価値向上を目指し、新製品の立上げ加速やビジネスモデル構築、構造改革、風土改革を推進する。

成長ドライバーとしては、半導体関連事業や機能性不織布事業といった成長分野への経営資源投入、新製品の立ち上げ・量産化、横展開を重視する。インオーガニックな成長を企図し、出資を含めた技術提携等のアライアンス戦略の検討に着手する。DXによる業務革新と生産性向上も推進し、2025年度中の新基幹システム移行を計画する。

直近の業績は、2025年3月期(current)の連結売上高は34,432百万円、営業利益は1,282百万円、純利益は749百万円を計上する。2024年3月期(prior1)の連結売上高は33,692百万円、営業利益は1,331百万円、純利益は594百万円であった。2023年3月期(prior2)の連結売上高は34,170百万円、純利益は1,451百万円であった。

4. 財務健全性

当社グループは、安定的な資金調達を図るため、複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結する。契約には財務制限条項及び期限の利益喪失事由が付されており、業績動向によっては借入条件の変更リスクを認識する。財務体質の維持・強化、資金調達先の分散、リスク要因の適時分析と対応に努める。

直近の財務状況は、2025年3月期(current)の総資産は46,087百万円、純資産は19,630百万円、現金及び現金同等物は4,853百万円、有利子負債は13,637百万円である。2024年3月期(prior1)の総資産は45,713百万円、純資産は19,396百万円、現金及び現金同等物5,345百万円、有利子負債12,317百万円である。2023年3月期(prior2)の総資産は42,948百万円、純資産は18,370百万円、現金及び現金同等物4,282百万円、有利子負債0百万円である。

5. 株主還元

当社グループは、株主への利益還元として、年間配当15.0円を実施する。

6. 注目ポイント

当社グループは、「全員参加の開発型企業」をスローガンに、熱・電気・電磁波コントロール材料「iCas」や環境制御材料「GREEN CHIP」といった重点分野での新製品・新技術開発に注力する。トナー事業における独立系No.1の地位、半導体・ディスプレイ関連事業における車載用途での高い信頼性とシェア、機能性シート事業における大手製紙会社の参入障壁を活かしたニッチ市場での優位性は、同社の競争優位性を示す。中期経営計画では、事業ポートフォリオの転換と新製品売上高比率20%の目標を掲げ、成長分野への経営資源投入やインオーガニックな成長戦略の検討を通じて、持続的な企業価値向上を目指す。製紙事業の更なる構造改革やディスプレイ関連事業における塗工設備の集約による採算性改善は、低収益ビジネスの課題解決に向けた重要な取り組みである。市場変動、技術革新、原材料価格変動、海外事業展開に伴う地政学的リスク、知的財産権、為替変動、巨大地震等の災害リスクは、事業運営上の主要なリスク要因として認識し、対応策を講じる。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W2Y3 | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
8.8B 11.5倍 0.6倍 0.0% 843.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 34.4B 33.7B 34.2B
営業利益 1.3B 1.3B 2.1B
純利益 749M 594M 1.5B
EPS 73.0 57.3 135.1
BPS 1,511.7 1,417.5 1,251.4

大株主

株主名持株比率
TOPPANホールディングス㈱0.11%
栄紙業㈱0.07%
㈱井上ホールディングス0.06%
巴川コーポレーション取引先持株会0.05%
鈴与㈱0.05%
三井化学㈱0.05%
東紙業㈱0.05%
三弘㈱0.04%
東栄不動産㈱0.03%
㈱三井住友銀行0.03%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-01-23三瓶悦男 5.01%+5.01%
2025-08-22株式会社三井住友銀行 2.87%(3.44%)
2024-02-19株式会社井上ホールディングス 5.89%+0.89%
2023-10-06TOPPANホールディングス株式会社 10.00%(0.97%)
2023-01-11三井住友DSアセットマネジメント株式会社 6.31%+1.06%
2022-08-05三井住友DSアセットマネジメント株式会社 5.25%+5.25%
2022-04-13栄紙業株式会社 6.42%(0.31%)
2022-04-01栄紙業株式会社 6.42%(0.31%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-01-23EDINET大量保有三瓶悦男大量保有 5.01%798-0.38%
2026-01-23TDNetその他巴川コーポ絶縁紙に係る製造・販売ノウハウのライセンス契約締結および棚卸資産譲渡に関するお知らせ798-0.38%
2025-12-19TDNet人事巴川コーポ代表取締役の異動に関するお知らせ788-0.13%
2025-10-24TDNet業績修正巴川コーポ2026年3月期 第2四半期(中間期)連結業績予想の修正に関するお知らせ813-2.09%
2025-09-24TDNetその他巴川コーポ製紙事業構造改革に伴う抄紙機停機のお知らせ813+2.09%
2025-08-22EDINET大量保有株式会社三井住友銀行大量保有 2.87%722+0.97%
2025-08-08TDNet配当・還元巴川コーポ自己株式の取得及び自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けに関するお知らせ701+0.86%
2024-02-19EDINET大量保有株式会社井上ホールディングス大量保有 5.89%
2023-10-06EDINET大量保有TOPPANホールディングス株式会社大量保有 10.0%
2023-01-11EDINET大量保有三井住友DSアセットマネジメント株式会社大量保有 6.31%
2022-08-05EDINET大量保有三井住友DSアセットマネジメント株式会社大量保有 5.25%
2022-04-13EDINET大量保有栄紙業株式会社大量保有 6.42%
2022-04-01EDINET大量保有栄紙業株式会社大量保有 6.42%