Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

日本酸素ホールディングス株式会社 (4091)

日本酸素ホールディングスは、酸素・窒素・アルゴン等工業ガス、LPガス、医療用ガス、特殊ガスの製造・販売を主軸とする。ガス関連機器、空気分離装置の製造・販売、設備メンテナンスも手掛ける。大口顧客向けオンサイトプラント方式でガスを供給し、大規模設備投資と長期契約で顧客をロックインするビジネスモデルを持つ。独自のガステクノロジーを基盤に、カーボンニュートラルやエレクトロニクス分野での新技術開発を成長ドライバーとする。日本、米国、欧州、アジア・オセアニアの4極でグローバルに事業を展開し、家庭用品のサーモス事業も営む。 [本社]東京都品川区 [創業]1910年 [上場]1949年

1. 事業概要と競争優位性

日本酸素ホールディングスは、酸素、窒素、アルゴン等各種工業ガス、LPガス、医療用ガス、特殊ガスの製造・販売を主軸とする。溶断機器・溶接材料、各種ガス関連機器、空気分離装置の製造・販売、設備メンテナンスも手掛ける。家庭用品(ステンレス製魔法瓶等)の製造・販売を行うサーモス事業も展開する。事業は日本、米国、欧州、アジア・オセアニアの4極でグローバルに展開する。

ビジネスモデルの質として、大口顧客向けには顧客の敷地・隣接地に空気分離装置等を設置し、パイピングによるガス供給(オンサイトプラント方式)を行う。この方式は大規模な設備投資を伴い、長期的な顧客関係を構築することで、安定的なストック型収益の基盤を形成する。

競争優位性(Moat)および参入障壁として、長年の事業で培われた独自のガステクノロジーを基盤とする技術的優位性を持つ。酸素燃焼技術、CO2回収装置、アンモニアからの水素製造技術、ALD成膜技術、ジボランガス製造技術、インテリジェント・ガス・サプライングシステム(IGSS)、深冷空気分離プラントのコア技術、化合物半導体製造装置(MOCVD、HVPE)、酸素安定同位体濃縮技術など、多岐にわたる先端技術を開発・保有する。当連結会計年度の研究開発費は4,946百万円である。工業ガスの製造拠点、空気分離装置、特殊ガス製造設備など、大規模な設備投資が必要であり、新規参入障壁となる。当連結会計年度の設備投資額は163,849百万円に上る。高圧ガス、極低温、毒性・可燃性ガスといった危険物を安全に取り扱うための高度な技術とノウハウ、および厳格な法規制と許認可への対応能力も参入障壁となる。4極体制によるグローバルな供給網と顧客基盤も競争優位性の一つである。

2. 沿革ハイライト

1910年10月、日本酸素合資会社を創立し、酸素の製造を開始する。1918年7月、合資会社を株式会社に改組し、商号を日本酸素株式会社と改称する。1949年5月、東京証券取引所に株式を上場する。1964年11月、オンサイトプラント第1号を開設する。1980年代以降、米国にジャパン・オキシジェン社設立、マチソン・ガス・プロダクツ社設立、シンガポールにナショナル・オキシジェン社設立など、海外展開を加速する。1992年1月、米国の産業ガスメーカーであるトライガス社を買収する。2004年10月、大陽東洋酸素株式会社と合併し、大陽日酸株式会社に商号を変更する。2018年12月、ニッポン・ガシズ・ユーロ・ホールディング社等を通じて、プラックス・エア社の欧州事業の一部を運営する法人の株式を取得する。2020年10月、会社分割(吸収分割)方式により持株会社体制へ移行し、日本酸素ホールディングス株式会社に商号を変更する。

3. 収益・成長

当社グループは、中期経営計画「NS Vision 2026」(2023年3月期から2026年3月期)を策定し、持続的な成長と企業価値向上を目指す。

成長ドライバーとして、カーボンニュートラル社会に向けた新事業の探求、エレクトロニクス事業の拡大を推進する。具体的には、工業炉プロセスへの酸素燃焼技術適用に向けた技術開発、CO2分離回収/貯蔵・貯留(CCS)用出荷タンク設備開発、アンモニアから燃料電池自動車(FCV)の水素燃料に求められる品質仕様を満たす水素製造実証に取り組む。エレクトロニクス分野では、半導体材料ガス及び関連機器の生産能力拡充、最先端半導体製造の量産化を目指す顧客のパイロットラインへのガス関連工事施工及びバルクガス供給、超高純度空気分離装置の製品化を進める。

食品・飲料、医療、環境関連などのレジリエンス市場に注力し、欧州での在宅医療事業拡充、アジア・オセアニアでの新商材・事業エリア拡大を図る。M&A戦略を通じてグローバルでの事業拡大を推進し、当期は豪州において産業ガス、LPガスの販売拡大のため2件の買収に合意する。欧州ではエンジニアリング会社への戦略的投資を実行する。

DX戦略により、デジタルデータを活用した事業モデルの高度化、生産性向上プログラムやベストプラクティスの共有を進め、オペレーショナル・エクセレンスを追求する。

2026年3月期の中期経営計画最終年度目標として、売上収益9,750億~1兆円、コア営業利益1,250~1,350億円、EBITDAマージン24%以上、ROCE after Tax6%以上を設定する。非財務目標として、GHG総排出量18%削減(2019年3月期比)、女性従業員比率22%以上、女性管理職比率18%以上などを掲げる。

4. 財務健全性

2025年3月期実績では、総資産2兆4,181億9,700万円、純資産9,804億5,100万円である。現金及び現金同等物は1,445億2,800万円、有利子負債は7,241億2,800万円である。調整後ネットD/Eレシオは0.71倍であり、中期経営計画の最終年度目標(0.7倍以下)に近い水準を維持する。営業キャッシュフローは2,351億4,700万円を創出する。

グローバル事業展開に伴う地政学リスク、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格変動による製造コスト上昇、大規模設備投資に伴う稼働率低下リスク、法規制変更リスクなどが事業等のリスクとして存在する。これらに対し、グローバルリスクマネジメント体制を構築し、リスク低減に取り組む。特に、電力コストが製造コストの大きな割合を占めるため、原油価格やLNG価格の変動が経営成績に影響を及ぼす可能性がある。

5. 株主還元

2025年3月期は年間配当51.0円を実施する。

6. 注目ポイント

日本酸素ホールディングスは、日本、米国、欧州、アジア・オセアニアの4極で事業を展開するグローバルな産業ガス大手である。カーボンニュートラル関連技術、エレクトロニクス分野(半導体材料ガス、化合物半導体製造装置)、医療・ライフサイエンス、アディティブ・マニュファクチャリングなど、成長市場での技術開発と事業拡大を推進する。オンサイトプラント方式による安定的な事業基盤を持つ。各地域での戦略的買収を通じて、事業規模と市場プレゼンスの向上を図るM&Aによる成長戦略を推進する。GHG排出量削減目標を設定し、環境貢献製商品・サービスの拡充に注力するなど、サステナビリティ経営への取り組みを強化する。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100VXDZ | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
2593.8B 26.2倍 10.4倍 0.0% 5,989.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 1308.0B 1255.1B 1186.7B
営業利益 165.9B 172.0B 119.5B
純利益 98.8B 105.9B 73.1B
EPS 228.2 244.7 168.8
BPS 578.0 571.4 593.0

大株主

株主名持株比率
三菱ケミカルグループ株式会社0.51%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.06%
大陽日酸取引先持株会0.04%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.02%
明治安田生命保険相互会社0.02%
JP MORGAN CHASE BANK 385632 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.02%
BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%
JP MORGAN CHASE BANK 385864 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.01%
株式会社みずほ銀行0.01%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2022-07-04三菱ケミカルグループ株式会社 50.57%--

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-19TDNet配当・還元日本酸素HD連結子会社からの配当金受領に関するお知らせ
2026-02-04TDNet決算日本酸素HD2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)5,276+5.63%
2026-02-04TDNetその他日本酸素HD2026年3月期 第3四半期 決算電話会議資料(決算補足資料)5,276+5.63%
2026-02-04TDNet業績修正日本酸素HD業績予想の修正に関するお知らせ5,276+5.63%
2026-01-23TDNet配当・還元日本酸素HD連結子会社からの配当金受領に関するお知らせ4,676-1.56%
2025-09-24TDNetその他日本酸素HD連結子会社の商号変更に関するお知らせ5,396+0.59%
2025-09-19TDNetその他日本酸素HD特定子会社の異動に関するお知らせ5,586+1.66%
2022-07-04EDINET大量保有三菱ケミカルグループ株式会社大量保有 50.57%