Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

かっこ株式会社 (4166)

かっこは、データサイエンス技術を基盤にSaaS型アルゴリズム提供事業を展開する。主力はEC分野の不正注文検知サービス「O-PLUX」で、AI・統計学・数理最適化による独自の高精度検知モデルを構築する。日本語表記ゆれ正規化やデバイス認証機能で高い検知精度を実現し、日本国内ECサイト有償不正検知サービスの累計導入件数№1を獲得する。売上高の64.1%をストック収益が占めるビジネスモデルであり、EC市場の成長と不正対策規制強化が成長ドライバーとなる。 [本社]東京都港区 [創業]2011年 [上場]2021年

1. 事業概要と競争優位性

かっこ株式会社は、データサイエンス技術とノウハウを基盤にSaaS型アルゴリズム提供事業を展開する。企業の課題解決やチャレンジを支援する単一セグメントである。

主力はEC分野の不正注文検知サービス「O-PLUX」である。AI・統計学・数理最適化技術で独自の検知モデルを構築し、日本語表記ゆれ正規化やデバイス認証機能により高精度な検知を実現する。購入者の操作性・利便性を損なわず不正対策が可能である。これらの機能・性能が評価され、「O-PLUX」は日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1を獲得する(株式会社東京商工リサーチ調査、2024年3月末日時点)。

不正アクセス検知サービス「O-MOTION」は、独自のデバイス情報・操作情報を駆使した不正判定により、インターネットバンキングの不正送金やチケット不正転売対策として金融機関、大手チケットサイト等に導入される。

「不正検知サービス」とシナジーを発揮する「決済コンサルティングサービス」は、BNPL事業者向けにシステム提供及びコンサルティングを行い、「O-PLUX」を審査エンジンとしてワンストップ支援を提供する。「データサイエンスサービス」は、小売・流通業や製造業等向けにアルゴリズムを開発・提供する。

ビジネスモデルの質として、主要製品「O-PLUX」の収益構造は、定額課金と従量課金からなるストック収益が売上高全体の64.1%を占める(2024年12月期)。リカーリング比率が高く、安定的な収益基盤を構築する。

競争優位性(Moat)は、高度なデータサイエンス技術に基づく独自の検知モデル、高精度な機能、購入者利便性を損なわないサービス提供体制である。日本国内ECサイト有償不正検知サービスでの累計導入件数№1の実績は、市場での信頼とブランド力を確立する。SaaS型ビジネスモデルは顧客の継続利用を促し、スイッチングコストを高める。参入障壁は、高度な技術・ノウハウの蓄積と、実績に基づく顧客ロックイン構造である。

2. 沿革ハイライト

2011年1月、創業者岩井裕之がECビジネスの不正利用増加に着想を得て、継続的なシステム提供による社会貢献を目指し、かっこ株式会社を設立する。同年11月に決済コンサルティングサービスを開始し、2012年6月には主力製品「O-PLUX」をリリースする。2015年1月にはデータサイエンスサービスを開始し、2016年11月には不正アクセス検知サービス「O-MOTION」をリリースする。2021年10月、東京証券取引所マザーズに株式を上場し、2022年4月にはグロース市場へ移行する。

3. 収益・成長

主要製品「O-PLUX」のストック収益の金額を経営上の重要指標とし、継続的かつ累積的な売上高増加を目指す。

成長ドライバーは、BtoC-EC市場の継続的な成長である。経済産業省の調査によると、2023年のBtoC-EC市場は前年比9.23%増の24.8兆円となり、EC化率も9.38%と着実な成長を続ける。また、クレジットカード番号等の「番号盗用被害」急増を受け、改正割賦販売法による不正利用防止措置の義務化や、「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版」におけるEMV3-Dセキュアと不正ログイン対策の導入必須化など、不正対策に対する社会的要請がますます高まり、当社の不正検知サービスにとって強力な追い風となる。

中長期的な経営戦略として、不正利用対策レギュレーション強化に対応した不正検知サービスの拡充、シームレスな不正対策による市場浸透、新機能開発による付加価値向上、決済代行・BNPL市場への展開を推進する。具体的には、「O-PLUX」と「O-MOTION」を組み合わせた包括的な不正防止ソリューションの提供強化、規制対応機能強化、サービス・機能拡充、ECパッケージ・ショッピングカート事業者とのシステム連携拡大、小規模事業者向けサービス拡充を進める。決済代行会社やカード会社とのアライアンス強化、SaaS型BNPLシステムの提供準備も進める。

プロダクト横断型のマーケティング・セールス戦略への転換、不正アクセス検知サービス「O-MOTION」の機能強化と導入負荷軽減、ECパッケージ・ショッピングカートとの連携強化により、市場競争力を高め、新規顧客獲得を加速する。業務提携やM&Aを活用し、サイバーセキュリティ・SaaS型サービスを中心に新規事業領域を開拓し、収益基盤の多角化と非連続的な成長を目指す。特定大口顧客依存からの脱却も進展する。

4. 財務健全性

2024年12月31日時点の財務データによると、現金及び現金同等物は734,621千円、有利子負債は82,135千円である。純資産は832,171千円、総資産は1,025,275千円である。税務上の繰越欠損金を有しており、将来解消した場合には、通常の税率に基づく法人税等が増加する可能性がある。

5. 株主還元

当社は、株主への利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題と位置付ける。成長過程にあるため、内部留保を充実させ、事業拡大のための投資に充当することを株主への最大の利益還元と考える。創業以来配当は実施しておらず、今後も内部留保を確保していくことを基本方針とする。配当実施の可能性及びその実施時期は未定である。

新株予約権を発行しており、本書提出日現在の潜在株式数は113,073株(発行済株式総数2,722,655株の4.1%)であり、将来の行使による株式価値の希薄化リスクが存在する。

6. 注目ポイント

EC市場の継続的な成長と、クレジットカード不正利用被害の急増、不正対策規制の強化は、当社の主力サービスである不正検知サービス「O-PLUX」および「O-MOTION」にとって大きな事業機会となる。「O-PLUX」が日本国内ECサイト有償不正検知サービスで累計導入件数№1の実績を持つことは、市場での優位性を示す。

今後は、不正検知サービスと決済コンサルティング、データサイエンスサービスとのシナジーを最大化し、包括的なソリューション提供を強化する戦略が重要となる。新機能開発やECパッケージ・ショッピングカート事業者との連携拡大、小規模事業者向けサービスの拡充により、市場浸透と顧客層の拡大を図る。

業務提携やM&Aを活用し、サイバーセキュリティ・SaaS型サービスを中心に新規事業領域を開拓し、収益基盤の多角化と非連続的な成長を目指す方針である。

リスクとして、小規模組織であることによる人員増強と内部管理体制強化の課題、創業者への依存度、技術革新への対応、競合激化への差別化戦略が挙げられる。

出典: 有価証券報告書 doc_id=S100VHXI | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
2.5B -20.9倍 3.5倍 0.0% 897.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 216M 900M 819M
営業利益 -23M -112M -133M
純利益 -23M -117M -138M
EPS -8.5 -43.0 -50.5
BPS 257.1

大株主

株主名持株比率
Symbolキャピタル合同会社0.17%
岩井 裕之0.17%
中沢 雄太0.08%
亀山 誠0.08%
Fin Techビジネスイノベーション 投資事業有限責任組合 無限責任組合員 SBIインベストメント株式会社0.03%
中山 勝史0.03%
株式会社SBI証券0.03%
株式会社ジャックス0.01%
楽天証券株式会社0.01%
樋口 正雄0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-02-12亀山 誠 7.67
2025-06-05岩井 裕之 33.47
2025-03-31SBIインベストメント株式会社 3.79
2024-07-30SBIインベストメント株式会社 5.0
2024-06-19SBIインベストメント株式会社 4.78
2024-03-21岩井 裕之 34.6
2024-03-15SBIインベストメント株式会社 5.01
2024-03-12岩井 裕之 35.31
2024-01-12中沢 雄太 8.69
2024-01-11中沢 雄太 8.69
2023-04-20SBIインベストメント株式会社 4.63
2023-04-10関根 健太郎 1.79
2023-03-30関根 健太郎 1.79
2023-01-30岩井 裕之 36.12
2022-12-26岩井 裕之 36.14
2022-12-16SBIインベストメント株式会社 6.51
2022-11-28SBIインベストメント株式会社 7.52
2022-09-26岩井 裕之 36.15
2022-09-15岩井 裕之 36.18
2022-09-15岩井 裕之 36.31

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-05-27TDNet株式会社Anycloudの株式取得に向けた株式譲渡契約締結に関するお知らせ
2026-04-01TDNet(開示事項の経過)事業譲受の完了に関するお知らせ
2026-03-31TDNet事業計画および成長可能性に関する資料
2026-03-27TDNet譲渡制限付株式報酬としての新株発行に関するお知らせ
2026-02-27TDNet事業譲受に関するお知らせ
2026-02-25TDNet資本準備金の額の減少及び剰余金の処分に関するお知らせ
2026-02-25TDNet監査等委員である取締役に対する譲渡制限付株式報酬制度の導入に関するお知らせ
2026-02-12TDNetHolding change by 亀山 誠
2025-12-10TDNet業績予想の上方修正に関するお知らせ
2025-08-13TDNet2025年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)
2025-08-13TDNet2025年12月期 第2四半期 決算説明資料
2025-08-13TDNetearnings: 2025年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)
2025-06-05TDNetHolding change by 岩井 裕之
2025-04-25TDNet譲渡制限付株式報酬としての新株式の払込完了に関するお知らせ
2025-03-31TDNetHolding change by SBIインベストメント株式会社
2025-03-28TDNet事業計画および成長可能性に関する資料
2025-03-27TDNet譲渡制限付株式報酬としての新株発行に関するお知らせ
2024-07-30TDNetHolding change by SBIインベストメント株式会社
2024-06-19TDNetHolding change by SBIインベストメント株式会社
2024-03-21TDNetHolding change by 岩井 裕之