クラスターテクノロジーは、「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」を事業方針とする。樹脂複合材料技術、成形加工技術、金型技術、計測・解析技術、融合技術を基幹技術とし、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業、マクロ・テクノロジー関連事業、その他事業の3つのセグメントで事業を展開する。
**1. 事業概要と競争優位性**
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業では、機能性樹脂複合材料をベースとした機能性精密成形品及び部品、並びに研究開発用及び評価・分析用パルスインジェクター®システム(PIJ)を提供する。機能性精密成形品は、デジタル・カメラのオートフォーカスセンサー保持機構部品やCMOSイメージセンサー部品、インクジェット・プリンターのインク供給部機構部品、バーコードリーダー装置のレーザー反射ミラー保持機構部品、精密寸法測定器のエンコーダ部品など、厳しい寸法精度や角度精度が要求される用途で使用される。絶縁・高熱伝導性などの機能性を付加した材料を用いた新しい用途開発も進める。PIJは、超微量(5ピコリットルから0.8ナノリットル)の多様な溶液を1秒間に最大20,000滴の高速で吐出可能なポリマー製装置である。ポリマー製の特徴を活かし、水溶性の試料と溶剤を使用した試料の両方を吐出でき、ピコリットルという微量な液滴制御と定点配置技術により、DNA・蛋白質溶液研究、ナノ粒子分散溶液研究、細胞チップ・抗原抗体反応チップ研究、生体組織製作研究など、エレクトロニクスやバイオテクノロジー分野に応用される。PIJはナノテクノロジーの発展のためのキーとなる装置と位置づける。
マクロ・テクノロジー関連事業では、樹脂成形碍子と機能性樹脂複合材料を提供する。樹脂成形碍子は、ビルや工場などの受配電設備に設置される屋内用途の製品であり、重電機メーカーにおいて40年以上(前身の安達新産業株式会社時代から)の使用実績を持つ。顧客の要望に応じて、碍子の販売だけでなく、エポキシ樹脂をベースとした複合材料としての販売も行う。
その他事業では、基幹技術を活用した医薬品容器の異物検査や、微細加工技術を応用した精密部品の組立を行う。
同社の競争優位性(Moat)は、以下の点に集約される。
- **技術的優位性**: 独自コンパウンド技術によるオリジナル材料の開発・製造能力、高精度・高機能を実現する成形加工技術、樹脂複合材料のパフォーマンスを最大限に活かす金型技術、優れた機能を検証・管理・開発する計測・解析技術、これらを融合した樹脂デバイス開発能力。特にPIJは、ポリマー製ヘッドによる多様な溶液吐出とピコリットル単位の微量液滴制御、定点配置技術において独自の強みを持つ。
- **スイッチングコストの高さと顧客ロックイン**: 顧客の樹脂製品の設計から生産に至るプロセスをトータル的にサポートする「樹脂製品のコーディネーター」としての役割を果たす。材料、金型、成形、後加工まで一貫した技術と生産体制を保有し、安定した量産構築と品質保証を提供する。これにより、顧客は同社の製品・サービスから他社への切り替えに高いコストを伴う。デジタルカメラやインクジェットプリンター、バーコードリーダー装置、精密寸法測定器といった厳しい精度が要求される用途での採用実績や、重電機メーカーでの40年以上の樹脂成形碍子の使用実績は、顧客からの高い信頼とノウハウ蓄積を示す。
- **参入障壁**: 長年にわたるノウハウ蓄積と、顧客の潜在的課題を顕在化し、解決策を樹脂製品で提案・開発する「顧客志向」の開発方針は、新規参入企業にとって模倣困難な参入障壁となる。
**2. 沿革ハイライト**
同社は1969年に株式会社安達新商店(現 安達新産業株式会社)の東大阪工場として複合成形材料の製造事業を開始した。1991年4月に安達新産業株式会社の子会社としてクラスターテクノロジー株式会社を設立。1996年4月には安達新産業株式会社東大阪工場のマクロ及びマイクロの全事業を引き継ぎ、現在の事業基盤を確立した。2000年4月には本社を大阪工場(現 関西工場)に移転し、ナノ・テクノロジー事業の研究開発を開始。2003年5月にはパルスインジェクター®装置の販売及び受託研究事業を開始し、2004年5月には微細加工部品や機能性精密成形品の販売を開始した。2006年4月に大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場し、2009年7月には内閣総理大臣表彰 第3回ものづくり日本大賞「優秀賞」を受賞するなど、技術力が評価された。2013年7月に東京証券取引所JASDAQ(グロース)に株式上場し、2022年4月には東京証券取引所の市場再編によりグロース市場へ移行した。
**3. 収益・成長**
同社は、新規開拓に向けた営業力の強化、環境への対応と未来への商品開発、生産力の強化と人材育成を経営方針に掲げ、成長を図る。
成長ドライバーとして、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業では、映像機器分野(ミラーレス等や新機種)や産業機器分野(産業用インクジェットプリンターヘッド部品等)が好調に推移し、売上高の伸びを牽引する。ロボット、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓を強化する。マクロ・テクノロジー関連事業は、ライフラインを支えるインフラ整備に使用される製品であり、景気動向の影響を受けにくい。電線の地中化や高圧受配電盤の樹脂絶縁部品、国内の積極的な設備投資、バブル期からの受電設備リニューアル需要により、底堅く推移する見込みである。2026年3月期以降は新規顧客からの受注も見込まれる。「未来への商品開発」として、バイオマスプラスチック複合材料「PasCom」及び「PASCOMB」の開発を進め、自社商品への展開を目指す。
2025年3月期の売上高は1,022,740千円、営業利益は108,729千円、経常利益は110,879千円、純利益は100,655千円を計上した。売上高は過去最高を更新し、営業利益及び経常利益も過去最高を更新した。新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)では、売上高拡大と利益率向上を目指し、営業力の強化、新規設備投資及び生産力の強化、人材の育成と外部人材採用による競争力の強化を重点課題とする。
**4. 財務健全性**
2025年3月31日時点の総資産は1,836,097千円、純資産は1,651,709千円である。現金及び現金同等物は358,935千円を保有し、有利子負債は0千円である。自己資本比率が高く、財務基盤は極めて健全であると評価できる。
**5. 株主還元**
2025年3月期の年間配当は4.0円である。
**6. 注目ポイント**
同社は、高精度・高機能樹脂製品における独自の技術力と一貫生産体制を基盤に、顧客の課題解決に貢献する提案型ビジネスモデルを確立する。ナノ/マイクロ事業における精密成形品やPIJの技術優位性、マクロ事業における40年以上の実績を持つ樹脂成形碍子の安定需要は、同社の競争優位性を支える。今後は、ロボット、センサ、通信、医療といった成長市場への新規開拓、バイオマスプラスチック複合材料などの自社商品開発、生産設備への積極的な投資と人材育成を通じて、持続的な成長を目指す。有利子負債ゼロの健全な財務体質は、今後の成長投資を支える強みとなる。一方で、競合他社の参入、製品開発の遅延や技術の陳腐化、主要顧客の景気変動影響、人材確保、知的財産権、安全規制の変化、自然災害・感染症、原材料価格変動といったリスク要因には留意が必要である。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2.3B | 22.5倍 | 1.4倍 | 0.0% | 398.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.0B | 919M | 925M |
| 営業利益 | 109M | 69M | 73M |
| 純利益 | 101M | 57M | 59M |
| EPS | 17.7 | 10.1 | 10.4 |
| BPS | 290.1 | 272.5 | 262.4 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 大熊 崇 | 0.05% |
| 河野 信夫 | 0.05% |
| 安達 良紀 | 0.04% |
| 関 誠 | 0.04% |
| 小西 恭彦 | 0.04% |
| 安達 俊彦 | 0.03% |
| 上田八木短資株式会社 | 0.02% |
| 株式会社SBI証券 | 0.02% |
| 長瀬産業株式会社 | 0.01% |
| 安達 稔 | 0.01% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-01-30 | TDNet | その他 | G-クラスターT | 東京証券取引所スタンダード市場への上場市場区分変更承認及び「上場維持基準の適合に向けた計画」の撤回に | 374 | +3.48% |
| 2025-09-29 | TDNet | その他 | G-クラスターT | 名古屋証券取引所メイン市場への重複上場承認に関するお知らせ | 374 | -2.41% |
| 2025-08-08 | TDNet | 業績修正 | G-クラスターT | 2026年3月期第2四半期(中間期)及び通期個別業績予想の修正に関するお知らせ | 313 | +25.56% |
| 2025-08-08 | TDNet | 決算 | G-クラスターT | 2026年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) | 313 | +25.56% |
| 2025-06-27 | TDNet | その他 | G-クラスターT | 公益財団法人財務会計基準機構への加入状況及び加入に関する考え方等について | 291 | +1.03% |