Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

細谷火工株式会社 (4274)

細谷火工は、防衛省向け火工品製造を主力とし、賃貸事業も展開する。火薬類取締法による厳格な規制、各種武器製造事業許可、長年培った火工品製造ノウハウが強固な参入障壁を形成する。日本で合成実績が稀な高エネルギー物質の研究開発を進め、航空宇宙分野への化成品事業拡大、産学官連携、害獣対策や非常時安全対策製品の開発を成長ドライバーとする。多品種少量生産で納期が期末に集中し、防衛省への依存度が高い。 [本社] [創業]1906年 [上場]1963年

1. 事業概要と競争優位性

細谷火工は、火工品事業及び賃貸事業を営む。火工品事業は、救命、救難及び訓練等に用いられる防衛省向け火工品を主力とし、火薬及び爆薬を原料として使用する特殊性を有する。賃貸事業では、大型商業店舗、大型実験棟、火薬庫の施設を賃貸する。

競争優位性は、火薬類取締法による厳格な管理体制と、第三種爆発物武器製造事業許可、電気信管・機械信管の武器製造事業許可に裏打ちされた強固な参入障壁に支えられる。長年培った花火技術や各種火工品の製造ノウハウ、特に航空・宇宙・防衛分野で重要な精密火工品製造技術は、技術的優位性を確立する。日本では当社以外での合成実績がほとんどない高エネルギー物質の試作合成を継続し、合成工程の安全化・効率化を目指す。また、硝酸ヒドロキシルアンモニウム(HAN)を基材とした低毒性推進薬の研究開発を進め、国内の研究機関や大学等への供給を行う。高エネルギー物質の安全性評価を継続的に実施し、基礎データを収集・管理する。

ビジネスモデルの質として、火工品事業は多品種少量生産であり、通年を通して製造する製品はほとんどない。主要顧客が防衛省を始めとする官公庁であるため、製品納期は第4四半期に集中し、業績が期末偏重で推移する傾向がある。特定取引先である防衛省への依存度が高い構造を持つ。賃貸事業は安定的な収益源となる。

2. 沿革ハイライト

当社は1906年6月、創業者細谷喜一が煙火の製造販売を開始したことに起源を持つ。1942年7月には東京陸軍造兵廠監督工場として各種火工品の製造に従事した。1954年1月、細谷火工株式会社に商号を変更する。1963年6月には日本証券業協会東京地区協会の店頭登録銘柄として登録され、上場企業となる。その後、第三種爆発物武器製造事業許可(1965年3月)、電気信管の武器製造事業許可(1967年1月)、機械信管の武器製造事業許可(1970年6月)を取得し、事業の専門性と規制対応力を強化した。2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所に株式を上場し、2022年4月には東京証券取引所スタンダード市場へ移行した。

3. 収益・成長

成長ドライバーは、化成品事業の拡大と新製品開発、既存製品の収益力向上に集約される。化成品事業では、高エネルギー物質の一つである液体化成品の製造・販売に加え、評価試験などの委託業務を請け負う。近年、液体化成品の需要は航空宇宙分野にも広がりがみられ、大学や研究機関からの引き合いも増加する。今後は、産学官連携による火薬・爆薬を含む高エネルギー物質全般の共同研究や製品開発を視野に入れ、新たな市場開拓と事業拡大を進める。

新製品開発においては、害獣被害対策の追い払い用煙火として需要が高まる「バードクラッカー」を改良し、安全性・効果性・操作性を向上させた製品を開発する。また、非常時に自分の位置を知らせるための各種発煙筒(「ダイバーマーカSOS」「ポッケム」等)を開発し、安全・安心の確保に貢献する。精密火工品等の開発では、航空・宇宙・防衛の分野でロケットモーターの点火装置など重要な部位に使用される製品の基礎研究、試作及び試験等を着実に積み上げ、市場の多様なニーズに応える。既存製品の収益力向上に向けては、従業員の原価低減意識を高め、各製品の工程ごとに課題を見出し改善を重ねることで、収益性の回復と品質の安定化を図る。

当事業年度の売上高は2,038,992千円、営業利益は290,729千円、純利益は219,802千円を計上する。EPSは54.92円である。研究開発活動は、高エネルギー物質の合成、新規液体推進薬、安全性評価、火工品の開発・改良、発煙薬・発光薬、精密火工品等の多岐にわたり、当事業年度の研究開発費は10百万円を投下する。

4. 財務健全性

当社は、経営上の目標達成状況を判断する客観的指標として、自己資本比率、総資産経常利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)を重視する。当事業年度の総資産は4,482,603千円、純資産は3,197,000千円である。現金及び現金同等物は725,351千円、有利子負債は625,549千円である。BPSは798.76円を計上する。当事業年度中に実施した設備投資の総額は133百万円であり、火工品事業における火薬庫建設、建物改修、構築物や施設の整備、製造設備の更新等、賃貸事業における整備費用に充当した。

5. 株主還元

当事業年度の年間配当は17.0円を実施する。

6. 注目ポイント

事業リスクとして、取扱製品の特殊性が挙げられる。火薬工場は火薬類取締法により厳しく管理され、事故防止等保安対策には万全を期すが、火薬事故発生時には工場の一時稼働停止の可能性も考えられ、経営上の最大のリスクと捉え、品質及び安全管理の徹底を最も重要視する。また、主要な取引先が防衛省であり、特定取引先への依存度が高い。防衛省からの受注は国家予算の影響を受けて増減することがあり、当社の収益状況に多大な影響を及ぼす可能性がある。このリスクに対し、専門性の高い高エネルギー物質の評価試験や火工品燃焼処分などの事業において新たな取引先を開拓することにより、安定的な売上を得られるよう努力する。製品納期の高い集中度も課題であり、主要顧客が官公庁であるため、納期が第4四半期に集中し、生産の非効率化に繋がる。民間向け製品の販売努力によって上期の受注を増やし、売上の平準化を目指す。持続的な成長を実現させるため、人的資本の強化を重要課題とし、人材の確保と育成、多様な採用活動、職務に応じた従業員教育と自己研鑽の両面を重視した組織風土づくりに努める。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W25N | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
5.6B 25.5倍 1.8倍 0.0% 1,400.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 2.0B 1.8B 1.8B
営業利益 291M 195M 178M
純利益 220M 139M 132M
EPS 54.9 34.6 33.1
BPS 798.8 761.9 732.3

大株主

株主名持株比率
一般社団法人日本文化伝承会館0.10%
細谷火工共栄会0.06%
志村 実0.04%
細谷 亮旗0.04%
西武信用金庫0.04%
ナス物産株式会社0.03%
日油株式会社0.03%
細谷 穰志0.03%
浅原 勝0.02%
住友重機械工業株式会社0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-04-17一般社団法人日本文化伝承会館 9.87%(1.02%)
2025-04-14一般社団法人日本文化伝承会館 10.89%(1.46%)
2022-03-07一般社団法人日本文化伝承会館 12.35%(1.12%)
2021-09-10細谷 圭二 6.93%+1.00%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-10TDNet業績修正細谷火工配当予想の修正(創業120周年記念配当)に関するお知らせ1,478+4.40%
2026-02-09TDNet決算細谷火工令和8年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](非連結)1,170+7.26%
2025-04-17EDINET大量保有一般社団法人日本文化伝承会館大量保有 9.87%1,044+1.53%
2025-04-14EDINET大量保有一般社団法人日本文化伝承会館大量保有 10.89%1,005+3.28%
2022-03-07EDINET大量保有一般社団法人日本文化伝承会館大量保有 12.35%
2021-09-10EDINET大量保有細谷 圭二大量保有 6.93%