**1. 事業概要と競争優位性**
IPSホールディングスは、ERP(Enterprise Resource Planning)用パッケージソフトウェアの導入及び保守を主たる業務とする単一セグメント企業である。SAPジャパン株式会社の最上位クラス「プラチナパートナー」に認定され、国内SAP導入元請け企業約20社の一角を占める。日本の大手・準大手・中堅企業(年商100億円以上)のERP市場においてSAPのシェアは圧倒的である。当社グループは年商100億円~2,000億円の中堅及び準大手企業向けSAP導入ビジネスをターゲットとし、この顧客規模の専業ベンダーとして20年以上にわたるノウハウを蓄積する。
競争優位性(Moat)として、20年以上のSAPノウハウ、顧客業務知見、導入方法論、独自開発Addonプログラムを総合した「EasyOneテンプレート」を確立する。これは技術的優位性と顧客のスイッチングコストを高める。グローバルアライアンス「UnitedVARs」に参画し、約70か国のSAPベンダーと連携することでネットワーク効果を構築する。SAP専業ベンダーとして先進的なSAPソリューションに積極的に取り組み、パブリッククラウドに注力する。
保守その他事業では、導入済みSAP ERPの保守運用、周辺アプリケーションの保守、改善機能付与、バージョンアップサービスを提供し、ストック型収益を確保する。経営方針は先進技術を背景に「当社にしか出来ないサービス」を追求し、高い収益性を得ることである。目標経営指標は売上高経常利益率15~20%、自己資本比率70%を基準とする。
**2. 沿革ハイライト**
1997年6月、神戸市中央区に株式会社アイ・ピー・エスを設立し、SAP R/3導入事業を開始する。2001年12月、日本証券業協会に株式を店頭登録。2004年12月、ジャスダック証券取引所に上場する。2014年5月、本社を大阪市北区に移転。2019年12月、ベトナムにIPS Hanoi Co.,Ltd.を設立。2025年7月、持株会社体制移行に伴いIPSホールディングス株式会社に商号変更する。
**3. 収益・成長**
SAP市場は、企業の生産性向上要求、技術革新、働き方改革を背景にERPの重要性が増し、中長期的に堅調に推移すると見込む。
成長ドライバーとして、デリバリー体制及び製品開発体制の強化を推進する。2024年度から150人体制への増強と組織改革を図り、QCD(導入品質、コスト、納期)向上と新たな技術への対応を進める。RPA、AI、IoTといった新技術の研究開発に積極的に取り組み、利用技術やソリューションを開発し、SAPビジネスとの連携による相乗効果を狙う。
SAP市場のトレンドであるパブリッククラウド(SAP S/4HANA Cloud Public Edition)への対応を強化する。新規顧客のほとんどがパブリッククラウドを採用する中、Fit To Standard導入方法論とサービス開発、開発環境変化への追随、顧客IT活用技術育成に取り組む。当社は競合他社に先んじて優位なポジショニングを獲得し、「圧倒的な競争力の獲得」を目標とする。
DXによる真の効率化実現と生成AIの実践活用にも注力する。生成AIを基幹業務に適用し、本格的な業務自動化を図る取り組みで先行優位を確立すべく、取り組みを開始する。IT市場の人材難に対し、海外人材活用と新卒採用を中心とした人材育成を強化し、充実した体制を構築する。
**4. 財務健全性**
当社グループは着実な健全経営を主眼とし、売上高経常利益率15~20%、自己資本比率70%を基準に運営する。
2025年6月期(current)の総資産は2,912,866千円、純資産は1,677,879千円であり、自己資本比率は約57.6%となる。有利子負債は0円で無借金経営を維持する。現金及び現金同等物は1,226,984千円と潤沢な現預金を保有する。
**5. 株主還元**
2025年6月期(current)の年間配当は38.0円である。2024年6月期は35.0円、2023年6月期は30.0円と、配当は増加傾向にある。
**6. 注目ポイント**
SAPプラチナパートナー地位、中堅・準大手向けSAP導入20年超の専門ノウハウ、独自テンプレート「EasyOne」、グローバルアライアンス「UnitedVARs」は強固な競争優位性(Moat)を形成する。SAPパブリッククラウドや生成AIへの先行的な取り組みは将来の成長ドライバーとなる。特にパブリッククラウド領域での「優位なポジショニング」と「圧倒的な競争力の獲得」目標は注目される。保守事業によるストック型収益確保、高い売上高経常利益率目標、無借金経営、潤沢な現預金はビジネスモデルの質と財務健全性を示す。IT人材難という参入障壁に対し、海外人材活用や新卒育成で対応する方針は持続的成長の鍵となる。主要事業のSAP社製品への高い依存度はリスク要因であり、SAP社の動向や競争激化には注意が必要である。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 3.0B | 10.3倍 | 1.7倍 | 0.0% | 1,227.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3.7B | 3.1B | 2.8B |
| 営業利益 | 363M | 328M | 303M |
| 純利益 | 272M | 226M | 213M |
| EPS | 119.1 | 99.4 | 92.2 |
| BPS | 719.6 | 637.8 | 568.0 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社ファウンテン | 0.42% |
| 小池  博幸 | 0.03% |
| 高田 智士 | 0.03% |
| 田中 晴美 | 0.02% |
| 山下 博 | 0.02% |
| 久下 直彦 | 0.02% |
| 河野 俊二 | 0.01% |
| 長沢 光浩 | 0.01% |
| 株式会社SBIネオトレード証券 | 0.01% |
| 北山 晋輔 | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2023-04-05 | 有限会社ファウンテン | 39.98% | +0.09% |
| 2022-12-28 | 有限会社ファウンテン | 39.98% | +0.09% |
| 2021-10-12 | 有限会社ファウンテン | 39.89% | +0.76% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-02-06 | TDNet | 決算 | IPSHD | 2026年6月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) | 1,214 | +0.49% |
| 2025-08-08 | TDNet | 決算 | IPSHD | 2025年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結) | 1,192 | -1.17% |
| 2023-04-05 | EDINET | 大量保有 | 有限会社ファウンテン | 大量保有 39.98% | — | — |
| 2022-12-28 | EDINET | 大量保有 | 有限会社ファウンテン | 大量保有 39.98% | — | — |
| 2021-10-12 | EDINET | 大量保有 | 有限会社ファウンテン | 大量保有 39.89% | — | — |