株式会社フレクトは、「あるべき未来をクラウドでカタチにする」をビジョンに、クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターである。主力は「クラウドインテグレーションサービス」であり、サービス企画からデザイン、マルチクラウド開発、運用までワンストップで提供する。国内大手企業を中心に、IoT/MobilityやAI、ECサービス、コミュニティサービス、API/ID/データ統合プラットフォーム構築等、企業のデジタル変革を支援する。事業は「クラウドソリューション事業」の単一セグメントである。
国内DX市場は2030年度に8兆円規模への拡大が予測され、国内パブリッククラウドサービス市場も2028年には2023年比2.1倍に拡大予測される。日本企業の約9割が「攻めのDX」の必要性を感じる一方、成果が出ているのは8.3%に留まり、「人材・スキルの不足」が上位課題である。フレクトはこの市場成長と企業の課題に対応する。
競争優位性(Moat)として、以下の点が挙げられる。
まず、**技術的優位性及びノウハウ蓄積**を有する。20年以上のWebモバイル開発実績と、Salesforce、Amazon Web Services、Heroku等複数のクラウドプラットフォームを活用した16年以上のマルチクラウドインテグレーション実績を持つ。Salesforce Partner Innovation Awards 2019(日本企業初)やInnovation Partner of the Year 2020を受賞し、MuleSoftビジネスでも4年連続表彰を受け、セールスフォース・ジャパン及びMuleSoft Japanから国内最上位パートナーの認定実績を有する。
次に、**顧客ロックイン構造及びスイッチングコストの高さ**を構築する。「クリエイティビティ」と「マルチクラウド・エンジニアリング」をワンストップで提供し、顧客は複数のベンダーに依頼する手間を省き、高いアジリティで継続的なサービス発展支援を受けられる。「攻めのDX」の最終ステップである「ビジネスモデルの変革」まで支援可能な組織的能力(複数のデジタルサービス連携、基幹システム連携を可能にするマルチクラウド技術力)は、顧客にとって代替が困難な価値を提供する。初期サービス構築後もエンハンス開発を継続的に受注し、安定的な収益確保を図るビジネスモデルである。
さらに、**人材育成力**を強みとする。クラウドエンジニアの採用と教育を重要テーマとし、専門職従業員数は2021年3月の99人から2025年3月には359人へと堅調に増加した。教育専門のイネーブルメント組織、Eラーニング、報奨金制度等で支援し、Salesforce最上位資格「認定テクニカルアーキテクト(CTA)」取得者も1名輩出する。クラウド未経験の入社者が約1ヶ月で戦力化する体制を構築する。
顧客基盤は積極的にDXを推進する国内大手企業が中心であり、2025年3月期における大手企業の売上高構成比は92%を占める。マルチクラウドや先端技術を活用した高付加価値のサービス提供により、売上総利益率は2021年3月期43.0%から2025年3月期44.5%と高水準で推移する。
2005年8月に設立。2009年6月にSalesforce、2013年1月にHeroku、2015年9月にAWSとパートナー契約を締結し、マルチクラウドインテグレーションの基盤を構築した。2016年4月には「Cariot」の提供を開始。2019年11月には「Salesforce Partner Innovation Awards 2019」を受賞し、2020年6月にはMuleSoftとパートナー契約を締結した。2021年12月に東証マザーズに上場し、2022年4月には東証グロース市場へ移行した。2024年4月には「Japan Partner of the Year」を受賞。2024年10月にはCariotサービスを分社化した。
フレクトの成長ドライバーは、国内DX市場とパブリッククラウドサービス市場の拡大、高付加価値サービス提供による顧客基盤の深耕、そして人材投資である。
売上高は、2023年3月期の5,305,839千円から2025年3月期には7,949,168千円へと増加する。営業利益も、2024年3月期の757,378千円から2025年3月期には1,085,310千円へと増加した。純利益も同様に、2023年3月期の222,501千円から2025年3月期には720,787千円へと増加傾向を示す。
四半期契約顧客数(大手企業)は、2021年3月期第4四半期の28社から2025年3月期第4四半期には55社へと増加した。顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(大手企業)は、2021年3月期第4四半期の23.0百万円から2025年3月期第4四半期には33.3百万円へと推移する。新規顧客増加時にARPAが低下する傾向がある。
研究開発活動では、リモートコミュニケーション活用技術やAI、ORを用いたプランニング/オペレーション自動化/省力化技術に取り組む。本田技研工業株式会社との共同研究では、テストスケジュール作成の劇的な時間短縮に成功した。
2025年3月期末時点の総資産は4,198,504千円、純資産は2,722,308千円である。現金及び現金同等物は2,128,101千円を保有し、有利子負債は517,869千円である。現金及び現金同等物が有利子負債を上回っており、財務基盤は比較的健全である。
フレクトは、将来の事業展開と財務体質強化のための内部留保を優先し、創業以来配当を実施していない。内部留保資金は、優秀な人材の採用や経営環境変化への対応資金として活用する方針である。将来的な利益配分の可能性及びその実施時期については、現時点において未定である。
フレクトは、高成長を続ける国内DX市場及びクラウド市場において、マルチクラウド技術力とワンストップ提供能力を強みとする。Salesforceの国内最上位パートナー認定実績や、Salesforce最上位資格「認定テクニカルアーキテクト」取得者を輩出する人材育成力は、同社の競争優位性を裏付ける。大手企業中心の顧客基盤と、高付加価値サービスによる高い売上総利益率の維持は、ビジネスモデルの質の高さを示す。研究開発による先端技術への継続的な投資と、具体的な成果創出も注目される。
事業リスクとして、Salesforceへの一定程度の依存が存在するが、マルチクラウド強化を推進する。人材確保の重要性、特定の人物(代表取締役CEO)への依存度もリスク要因である。創業以来の無配政策が継続しているため、今後の株主還元方針の変化も注視すべき点である。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 6.8B | 7.9倍 | 2.7倍 | 0.0% | 1,099.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10.4B | 8.3B | 8.2B |
| 営業利益 | 1.2B | 1.2B | 1.2B |
| 純利益 | 751M | 684M | 644M |
| EPS | 139.3 | 113.2 | 104.9 |
| BPS | — | 414.4 | — |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社クロ | 0.59% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.06% |
| Salesforce, Inc. (国内連絡先) | 0.04% |
| 大橋 正興 | 0.04% |
| 清坂 大亮 | 0.02% |
| フレクト従業員持株会 | 0.01% |
| CACEIS BANK (常任代理人 香港上海銀行東京支店) | 0.01% |
| 株式会社SBI証券 | 0.01% |
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口) | 0.01% |
| GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社) | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2026-04-07 | パーム・インベストメント・マネジメント・ピーティーイー・リミ | 0.48 | |
| 2026-03-06 | パーム・インベストメント・マネジメント・ピーティーイー・リミ | 4.0 | |
| 2026-02-20 | 合同会社クロ | 46.89 | |
| 2025-07-22 | 日興アセットマネジメント株式会社 | 3.82 | |
| 2025-04-04 | 日興アセットマネジメント株式会社 | 5.2 | |
| 2025-01-31 | 大橋 正興 | 4.76 | |
| 2024-11-18 | 大橋 正興 | 6.21 | |
| 2024-05-01 | 合同会社クロ | 60.69 | |
| 2021-12-27 | Draper Nexus Venture Partners | 3.17 | |
| 2021-12-24 | セールスフォース・ドットコム・インク | 4.87 | |
| 2021-12-22 | セールスフォース・ドットコム・インク | 6.07 | |
| 2021-12-17 | セールスフォース・ドットコム・インク | 7.22 | |
| 2021-12-16 | 合同会社クロ | 64.45 | |
| 2021-12-16 | 大橋 正興 | 6.55 | |
| 2021-12-14 | Draper Nexus Venture Partners | 5.28 |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-04-07 | TDNet | Holding change by パーム・インベストメント・マネジメント・ピーティーイー・リミテッ | — | — | ||
| 2026-03-31 | TDNet | 組織変更及び役員の人事に関するお知らせ | — | — | ||
| 2026-03-06 | TDNet | Holding change by パーム・インベストメント・マネジメント・ピーティーイー・リミテッ | — | — | ||
| 2026-02-20 | TDNet | Holding change by 合同会社クロ | — | — | ||
| 2026-02-12 | TDNet | buyback: 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けについて | — | — | ||
| 2026-02-12 | TDNet | 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けについて | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | buyback: 自己株式取得に係る事項の決定について | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | forecast_revision: 通期業績予想の修正並びに特別損失(関係会社株式評価損)計上の見 | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | earnings: 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | 自己株式取得に係る事項の決定について | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | 2026年3月期 第3四半期決算 高い関心が想定される事項 | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | 通期業績予想の修正並びに特別損失(関係会社株式評価損)計上の見込みに関するお知らせ | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | 2026年3月期 第3四半期決算説明資料 | — | — | ||
| 2026-02-05 | TDNet | 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-11-13 | TDNet | 2026年3月期 第2四半期決算 高い関心が想定される事項 | — | — | ||
| 2025-11-13 | TDNet | 2026年3月期 第2四半期決算説明資料 | — | — | ||
| 2025-11-13 | TDNet | 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-11-13 | TDNet | earnings: 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-08-07 | TDNet | 2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-08-07 | TDNet | 2026年3月期 第1四半期決算説明資料 | — | — |