Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

小野薬品工業株式会社 (4528)

小野薬品工業は、医療用医薬品の研究開発・製造・販売を主力とする。世界初の抗PD-1抗体「オプジーボ」を創製し、オンコロジー領域の主力製品とする。同製品と関連ロイヤルティが売上収益の約50%台半ばを占める。がん、免疫、神経疾患を重点領域に、オープンイノベーションで革新的な新薬創製を目指す。デサイフェラ社買収で米欧販売基盤とパイプラインを強化し、グローバル展開を加速する。医薬品開発は長期投資と厳格な規制が参入障壁となる。機能性表示食品やデジタルヘルスなど事業ドメインの拡大も図る。 [本社]大阪市中央区 [創業]1717年 [上場]1962年

### 1. 事業概要と競争優位性

小野薬品工業グループは、医薬品の研究開発・製造・販売を主力とする。医薬品事業の単一セグメントで構成され、「グローバル スペシャリティ ファーマ」を目指し、革新的な新薬創製に注力する。

**競争優位性(Moat)、参入障壁、ビジネスモデルの質:**

同社は2014年に世界初の抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」を発売し、オンコロジー領域の主力製品とする。医薬品開発は長期かつ多額の研究開発投資と厳格な薬事規制を要し、高い参入障壁が存在する。同社はがん、免疫、神経疾患、スペシャリティ領域を重点研究領域に定め、疾患ノウハウを蓄積し、新薬を創出する。オープンイノベーションを推進し、最適な創薬モダリティとデジタル技術を活用することで創薬力を強化する。2024年には米国Deciphera Pharmaceuticals, Inc.を買収し、パイプラインと研究開発力、米欧での販売基盤を獲得した。医薬品は継続的な処方により収益が発生するストック型に近い性質を持つ。ロイヤルティ収入も継続性がある。しかし、2025年3月期において「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」が売上収益合計の約50%台半ばを占め、特定製品への依存度が高い構造にある。この依存脱却が戦略上のリスクとして認識されている。

### 2. 沿革ハイライト

1717年、初代小野市兵衞が薬種仲買人として創業する。1948年、小野薬品工業株式会社と改称し、1949年に製造販売部門を一本化する。1962年、大阪証券取引所市場第二部に株式を上場し、1969年に両市場第一部に指定替えとなる。1968年、生理活性物質「プロスタグランジン」の全化学合成に成功する。2014年、世界初の抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」を発売する。2021年以降、ヘルスケアやデジタルヘルス分野の子会社を設立し、事業ドメインの拡大を図る。2024年、米国Deciphera Pharmaceuticals, Inc.を買収し、グローバル展開を加速する。

### 3. 収益・成長

**成長ドライバーと収益状況:**

同社は「製品価値最大化」「パイプラインの強化」「グローバル事業の拡大と加速」「事業ドメインの拡大」の4つの成長戦略を掲げる。パイプライン強化では、重点研究領域でのオープンイノベーションや化合物導入を通じて充実を図る。当連結会計年度の研究開発費は150,007百万円を計上する。グローバル事業では、デサイフェラ社買収によりパイプラインと研究開発力、米欧販売基盤を強化し、自社での欧米臨床開発・販売への転換を図る。事業ドメイン拡大では、ヘルスケア分野での商品開発やデジタルヘルスケアツールの提供、ベンチャー投資を通じて新たな価値創出を目指す。

売上収益はprior2期 447,187百万円からprior1期 502,672百万円へ増加後、current期 486,871百万円へ減少する。営業利益はprior1期 159,935百万円からcurrent期 59,747百万円へ減少する。純利益はprior2期 112,723百万円からprior1期 127,977百万円へ増加後、current期 50,047百万円へ減少する。EPSも同様の傾向を示す。

### 4. 財務健全性

総資産はprior2期 882,437百万円からcurrent期 1,064,046百万円へ増加傾向にある。純資産はprior1期 792,961百万円からcurrent期 782,451百万円へ微減する。現金及び現金同等物はprior2期 96,135百万円からcurrent期 204,567百万円へ潤沢に保有する。有利子負債はprior2期およびprior1期は0百万円であったが、current期には165,000百万円を計上する。これはデサイフェラ社買収に伴う資金調達が影響している可能性がある。主要なリスクとして、新製品開発の失敗、海外展開の失敗、特定製品への依存脱却の失敗、競合品や後発品との競争激化、医療費抑制策への対応の失敗、巨額な減損処理の発生(販売権、仕掛研究開発費およびのれん等)を認識する。

### 5. 株主還元

年間配当はprior2期 70.0円からprior1期およびcurrent期は80.0円と安定的に実施する。current期には28,919,800株の自己株式を保有する。

### 6. 注目ポイント

「オプジーボ」への売上依存度が高い構造からの脱却が喫緊の課題であり、デサイフェラ社買収によるグローバル展開の加速とパイプライン拡充がその主要な戦略となる。がん領域以外にも免疫疾患、神経疾患、スペシャリティ領域での新薬創出、およびヘルスケア分野やデジタルヘルスへの事業ドメイン拡大を通じて、持続的な成長を目指す。研究開発活動では、多くの臨床試験を進める一方で、戦略上の理由や期待した有効性が確認できなかったことによる開発中止も複数発生しており、パイプラインの選択と集中、研究開発の確実性向上が重要となる。デサイフェラ社買収に伴う有利子負債の増加と、それに伴う減損リスクへの対応も注視すべき点である。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
1171.7B 22.1倍 1.4倍 0.0% 2,349.5円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 486.9B 502.7B 447.2B
営業利益 59.7B 159.9B 142.0B
純利益 50.0B 128.0B 112.7B
EPS 106.5 266.6 230.8
BPS 1,697.8 1,597.2 1,403.8

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.14%
明治安田生命保険相互会社 (常任代理人株式会社日本カストディ銀行)0.04%
公益財団法人小野奨学会0.03%
株式会社鶴鳴荘0.03%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.03%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001 (常任代理人株式会社みずほ銀行)0.02%
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234 (常任代理人株式会社みずほ銀行)0.02%
株式会社三菱UFJ銀行0.02%
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 (常任代理人日本マスタートラスト信託銀行株式会社)0.02%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103 (常任代理人株式会社みずほ銀行)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-02-03ブラックロック・ジャパン株式会社 6.65%+1.25%
2025-11-05ブラックロック・ジャパン株式会社 5.40%+5.40%
2025-09-19三井住友信託銀行株式会社 4.59%(0.46%)
2025-09-03ブラックロック・ジャパン株式会社 4.65%(3.04%)
2024-07-29株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 5.05%(0.57%)
2024-04-03ブラックロック・ジャパン株式会社 7.69%+1.19%
2023-07-05ブラックロック・ジャパン株式会社 6.50%+1.21%
2023-04-19ウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピー 4.76%(1.13%)
2022-11-08株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 5.62%(1.04%)
2022-11-07三井住友信託銀行株式会社 5.05%(1.04%)
2022-07-20ウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピー 5.89%(1.06%)
2022-06-06ブラックロック・ジャパン株式会社 5.29%+5.29%
2021-12-21三井住友信託銀行株式会社 6.09%+1.02%
2021-08-19ウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピー 6.95%+1.01%
2021-06-21株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 6.66%(0.46%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-05TDNetその他小野薬米国子会社Deciphera社従業員に対する 長期インセンティブ株式報酬制度導入に関するお知らせ2,493+1.12%
2026-03-05TDNet資本政策小野薬第三者割当による自己株式処分に関するお知らせ2,493+1.12%
2026-02-27TDNetその他小野薬SGLT2阻害剤「フォシーガ錠5mg、10mg」の日本における流通・販売移管および共同販促終了のお知2,674-4.90%
2026-02-03EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 6.65%2,412+0.93%
2025-11-05EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 5.4%1,910+1.65%
2025-09-19EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 4.59%1,710+0.53%
2025-09-03EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 4.65%1,726+0.61%
2025-07-18TDNetその他小野薬勤務継続型譲渡制限付株式報酬及び業績連動型譲渡制限付株式報酬としての 自己株式の処分の払込完了に関す1,600-1.13%
2025-06-19TDNetその他小野薬勤務継続型譲渡制限付株式報酬及び業績連動型譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ1,564-0.58%
2024-07-29EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 5.05%
2024-04-03EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 7.69%
2023-07-05EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 6.5%
2023-04-19EDINET大量保有ウエリントン・マネージメント・カンパニー大量保有 4.76%
2022-11-08EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 5.62%
2022-11-07EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 5.05%
2022-07-20EDINET大量保有ウエリントン・マネージメント・カンパニー大量保有 5.89%
2022-06-06EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 5.29%
2021-12-21EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.09%
2021-08-19EDINET大量保有ウエリントン・マネージメント・カンパニー大量保有 6.95%
2021-06-21EDINET大量保有株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー大量保有 6.66%