Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

JCRファーマ株式会社 (4552)

JCRファーマは希少疾病領域に特化し、医療用医薬品、再生医療等製品を開発・製造・販売する。独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を競争優位性とし、米国ArmaGen社買収で知的財産権を確保、高い参入障壁を築く。主力「グロウジェクト®」は高いマーケットシェアを維持し、専用注入器で顧客ロックイン構造を形成。ムコ多糖症治療薬「イズカーゴ®」も売上を拡大する。J-Brain Cargo®応用新薬のグローバル展開を成長ドライバーとし、製造受託事業も模索する。 [本社]兵庫県芦屋市 [創業]1975年 [上場]1992年

1. 事業概要と競争優位性

JCRファーマグループは、医療用医薬品、再生医療等製品、医薬品原料の製造、仕入、販売を主たる事業とする。国内外で医薬品開発、知的財産管理、臨床オペレーション、流通管理、再生医療等製品の研究開発・製造・販売を行う。企業理念として希少疾病にとどまらず、最も困難とされる治療課題に挑戦し、答えを創り出すことを掲げる。

競争優位性として、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を保有する。この技術はライソゾーム病治療薬に応用され、脳指向性を高め、肝指向性を劇的に減少させる新たな遺伝子治療技術の開発に繋がる。2020年の米国ArmaGen社買収により、米国等におけるJ-Brain Cargo®に関する知的財産権を取得し、競争力のある形で保護に努める。医薬品産業は厳格な法規制や許認可を受けるため、高い参入障壁が存在する。同社はバイオ医薬品技術、遺伝子治療技術を有する数少ない日本企業のひとつとして地位を確立する。

主力製品であるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」は、競合他社の供給問題発生時に増産し、売上を約1.5倍に急拡大させ、高いマーケットシェアを維持する。本製剤は専用注入器「グロウジェクター®L」を使用するため、顧客ロックイン構造を形成する。J-Brain Cargo®技術を適用したムコ多糖症II型治療剤「イズカーゴ®点滴静注用10mg」は2021年5月の発売後、年間売上高を伸長させる。

ビジネスモデルは、国内製品売上と外部企業への導出契約等による契約金収入を成長投資の原資とする。2021年のワクチン原薬製造受託を契機に、製造受託事業の可能性も見出す。

2. 沿革ハイライト

1975年9月、日本ケミカルリサーチ株式会社として設立され、医薬品製造販売を開始する。1992年10月に店頭銘柄登録、1995年3月に大阪証券取引所市場第二部上場。その後、2011年3月に東京証券取引所市場第二部上場、2013年11月に市場第一部に指定替えとなる。2014年1月にはJCRファーマ株式会社に商号を変更し、2022年4月には東京証券取引所のプライム市場に移行する。

主要製品として、1993年4月に遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」の製造承認を取得し、2021年5月にはJ-Brain Cargo®技術を適用したムコ多糖症II型治療剤「イズカーゴ®」を発売する。

グローバル展開のため、2020年4月に米国アーマジェン,インクの株式を取得し、J-Brain Cargo®に関する知的財産権を確保する。2017年9月には株式会社メディパルホールディングスと業務資本提携契約を締結し、超希少疾病のグローバル事業化独占交渉権やフコシドーシス治療薬の実施許諾契約を締結する。2022年10月にはシスメックス株式会社と共同で再生医療等製品の研究開発を行うアライドセル株式会社を設立する。

3. 収益・成長

同社グループは2023年度に5ヵ年の中期経営計画「Reach Beyond, Together」をスタートした。独自技術「J-Brain Cargo®」を適用したライソゾーム病治療薬の早期提供を目指し、研究開発、海外臨床開発、生産活動の拡充、人員増加を行う。当連結会計年度における研究開発費の総額は154億31百万円(前連結会計年度比41億96百万円増)、対売上高比46.7%となる。グローバル臨床第3相試験中のJR-141(ムコ多糖症II型)は被験者の登録を想定より前倒しで完了できる状態となる。複数のパイプラインが臨床・前臨床段階にあり、ヒト成長ホルモン製剤への依存状態からの脱却を目指す。

研究領域ではJ-Brain Cargo®を応用した新たな遺伝子治療技術を開発する。生産領域では、2021年のワクチン原薬製造受託を契機として、製造受託事業の可能性を見出す。

2024年度はライセンス契約が締結に至らず契約一時金を計上できなかったため営業損失を計上した。成長投資の原資を契約金収入に依存することのリスクが顕在化したと認識し、中長期的な国内事業基盤の強化と安定的な事業展開を行う方針である。

4. 財務健全性

当連結会計年度における設備投資の総額は80億35百万円であり、医薬品製造用設備に74億32百万円を投じる。2025年3月31日現在の現金及び現金同等物は131億96百万円、有利子負債は381億5百万円である。運転資金確保のため、2020年4月にコミットメントライン契約を締結する。

5. 株主還元

同社は、直近3期にわたり年間配当金20.0円を継続して実施する。

6. 注目ポイント

JCRファーマは、独自のJ-Brain Cargo®技術を核に、希少疾病領域でのグローバルスペシャリティーファーマへの変革を目指す。積極的な研究開発投資とグローバル臨床開発の推進により、複数のパイプラインが進行中であり、将来の成長を牽引する可能性を秘める。契約金収入への依存リスクが顕在化したことから、中長期的な国内事業基盤の強化と製造受託事業のような新たな収益源の確立が課題となる。株式会社メディパルホールディングスとの戦略的提携は、グローバル事業化や新薬開発において重要な役割を果たす。

出典: 有価証券報告書 doc_id=S100W3Q5 | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
64.5B 303.0倍 1.3倍 4.0% 497.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 45.7B 30.4B 8.6B
営業利益 1.1B 477M -606M
純利益 200M 1.8B -546M
EPS 1.6 14.6 -4.5
BPS

大株主

株主名持株比率
株式会社メディパルホールディングス0.24%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.09%
フューチャーブレーン株式会社0.07%
野村信託銀行株式会社(A信託口)0.05%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.04%
キッセイ薬品工業株式会社0.04%
持田製薬株式会社0.02%
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%
JCRファーマ従業員持株会0.01%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-02-20野村アセットマネジメント株式会社 4.54
2024-07-19野村アセットマネジメント株式会社 5.84
2024-04-19野村アセットマネジメント株式会社 6.53
2024-03-05野村アセットマネジメント株式会社 7.48
2023-11-16株式会社メディパルホールディングス 22.46
2023-07-06野村アセットマネジメント株式会社 6.1
2023-04-06野村證券株式会社 5.13
2023-03-14キッセイ薬品工業株式会社 4.95
2023-03-01キッセイ薬品工業株式会社 5.24
2023-01-23キッセイ薬品工業株式会社 6.26
2022-12-12キッセイ薬品工業株式会社 6.26
2022-09-12キッセイ薬品工業株式会社 7.57
2021-12-06キッセイ薬品工業株式会社 9.72
2021-11-24キッセイ薬品工業株式会社 9.72

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-26TDNet代表取締役の異動ならびに組織変更、役員人事および人事異動に関するお知らせ
2026-01-28TDNet2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2026-01-28TDNet通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
2026-01-28TDNet2026年3月期 第3四半期 決算説明会 プレゼンテーション資料
2026-01-28TDNet特別利益(助成金収入)計上のお知らせ
2026-01-28TDNetearnings: 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2026-01-28TDNetforecast_revision: 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
2026-01-23TDNetItalfarmaco社との契約に関する説明会 プレゼンテーション資料
2025-12-24TDNetデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬Givinostat の日本での商業化契約の締結および希少疾病治
2025-07-30TDNetearnings: 2026年3月期 第1四半期 決算発表カンファレンスコール プレゼンテーション資
2025-07-30TDNet2026年3月期 第1四半期 決算発表カンファレンスコール プレゼンテーション資料
2025-07-30TDNet2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2025-07-30TDNetearnings: 2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2025-07-25TDNet譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ
2025-07-25TDNetbuyback: 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ
2025-06-25TDNet支配株主等(その他の関係会社)に関する事項について
2025-06-25TDNet譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ
2025-06-25TDNetbuyback: 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ
2025-05-13TDNetearnings: 2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
2025-05-13TDNetdividend: 剰余金の配当(期末配当)に関するお知らせ