Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

第一三共株式会社 (4568)

第一三共グループは医薬品等の製造販売を主事業とする。サイエンス&テクノロジーを競争優位の最大の源泉とし、抗体薬物複合体(ADC)技術に強みを持つ。エンハーツ、Dato-DXd、HER3-DXdの3ADC最大化を最重要課題とし、アストラゼネカや米国メルクとの戦略的提携を通じてグローバル展開を加速する。既存製品リクシアナ等で安定収益を確保し、次世代ADCやmRNAワクチン等の新モダリティ開発で持続的成長を図る。医薬品開発は多額の費用と長い年月を要し、承認審査基準や法規制が参入障壁となる。 [本社]東京都中央区 [創業]2005年 [上場]2005年

1. 事業概要と競争優位性

第一三共グループは、当社と子会社48社、関連会社2社の計51社で構成され、医薬品等の製造販売を主事業とする。報告セグメントは単一の医薬品事業である。国内では医薬品の研究開発・製造・販売、一般用医薬品等の研究開発・販売、ワクチンの研究開発・製造を行う。海外では米国、欧州、中国、ブラジル等で医薬品の研究開発・製造・販売を展開するグローバル企業である。

競争優位性の最大の源泉は「サイエンス&テクノロジー」であり、特に抗体薬物複合体(ADC)技術に強みを持つ。ADCは抗体医薬と薬物を適切なリンカーを介して結合させ、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める薬剤である。この独自のADC技術を基盤に、5DXd ADCs(トラスツズマブ デルクステカン、ダトポタマブ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン、イフィナタマブ デルクステカン、DS-6000)の製品価値最大化を目指す。LNP-mRNA技術も新型コロナウイルス感染症以外のワクチンに応用し、ワクチン事業の成長につなげる。

医薬品の研究開発は多額の費用と長い年月を要し、承認審査基準や法規制が参入障壁となる。当社グループは、生産設備の増強・合理化及び研究開発の強化・効率化を目的とした設備投資を継続的に実施する。当連結会計年度の設備投資額は1,138億2,300万円である。製造・研究開発におけるノウハウ蓄積と設備規模で参入障壁を構築する。

2. 沿革ハイライト

当社は2005年9月に三共株式会社と第一製薬株式会社の経営統合により設立され、東京証券取引所第一部に株式を上場する。2007年4月には両社を吸収合併し、事業体制の基礎を築く。海外展開を積極的に進め、米国、欧州、中国等で研究開発・製造・販売ネットワークを構築する。ワクチン事業強化のため、北里第一三共ワクチン株式会社を完全子会社化し、第一三共バイオテック株式会社を設立する。ADC技術強化のため、プレキシコンInc.やアンビット・バイオサイエンシズCorp.を子会社化する。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、プライム市場に移行する。2025年4月には国内製造子会社を吸収合併し、生産体制の効率化を図る。

3. 収益・成長

当社グループは、第5期中期経営計画(2021年度-2025年度)において、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを目標に掲げる。最重要課題は、エンハーツ、Dato-DXd、HER3-DXdの3ADCの最大化である。エンハーツはアストラゼネカとの戦略的提携を通じて市場浸透と新適応取得を加速し、HER2低発現乳がんコンセプトの定着を目指す。Dato-DXdはアストラゼネカとの提携により承認取得と適応追加を加速し、TROP2を標的とする競合品に対する優位性を確立する。HER3-DXdは自社開発による最速上市を目指し、HER3をがん治療ターゲットとして確立する。これらの3ADCは、FDAからの画期的治療薬指定や優先審査指定、EMAの承認勧告、厚生労働省からの希少疾病用医薬品指定等、規制当局からの追い風を受けて開発が進展する。

これらの3ADCに加え、I-DXd、DS-6000、DS-3939、DS-9606等のDXd ADCファミリーや、第二世代・新コンセプトADC、改変型抗体、LNP-mRNAワクチンを次なる成長ドライバーとして見極め、マルチモダリティ研究戦略を推進する。米国メルクとの戦略的提携により、HER3-DXd、I-DXd、DS-6000の共同開発・販促を決定し、MK-6070も提携に追加する。

既存事業・製品では、リクシアナが収益性の高い安定した利益を生み出す製品として売上収益を拡大し、3ADC等への投資源泉とする。タリージェ、Nilemdo等の新製品も適応追加等を通じて早期拡大を目指す。アメリカン・リージェントはインジェクタファー、ジェネリック注射剤を中心に、第一三共ヘルスケアは店舗販売や通販事業を中心に利益成長を図る。新薬を軸とした収益構造へのトランスフォーメーションを強化する。

当連結会計年度の研究開発費は4,360億円(前連結会計年度比19.4%増)であり、売上収益に対する研究開発費の比率は23.1%に達する。2025年度の計数目標として、売上収益1兆6,000億円(うち、がん領域6,000億円以上)、研究開発費控除前コア営業利益率40%以上、ROE16%以上、DOE8%以上を目指す。

4. 財務健全性

当連結会計年度末(2025年3月31日)の総資産は3兆4,561億1,900万円、純資産は1兆6,234億1,600万円である。現金及び現金同等物は6,398億3,800万円を保有し、有利子負債は1,000億円である。医薬品の安定供給を確保するため、生産・物流拠点の分散や主要原材料の複数購買、自家発電装置の設置等、オールハザード型BCPを整備し、リスク低減に努める。

5. 株主還元

当社グループは、利益成長に応じた増配や機動的な自己株式取得を実施することで、株主還元の更なる充実を図る方針である。KPIとして株主資本配当率(DOE)を採用し、2025年度のDOEは株主資本コストを上回る8%以上を目標に掲げる。2022年度から2024年度にかけて3年連続の増配を決定し、1株当たり年間配当金は2021年度の27円から2024年度予想の60円へと拡大する。また、2024年度には2回にわたる自己株式取得を決定・実施し、約5,268万株、総額約2,500億円の自己株式を取得する。

6. 注目ポイント

当社グループはESG経営を「ESGの要素を経営戦略に反映させることで、財務的価値と非財務的価値の双方を高める、長期目線に立った経営」と定義し実践する。2030年ビジョンとして「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を掲げ、革新的医薬品の創出やSDGsへの取組を通じて社会課題の解決を目指す。

アストラゼネカや米国メルクとの戦略的提携は、3ADCのグローバルな共同開発・販促を加速させ、製品価値最大化に貢献する。間質性肺疾患(ILD)等の副作用に対するモニタリングとリスク分析を通じた適正使用の促進は、医薬品の安全性確保と信頼性維持に不可欠である。

DX推進によるデータ駆動型経営の実現や、新たなグローバルマネジメント体制による迅速な意思決定は、事業規模の拡大と変化に対応するための重要な基盤となる。COVID-19に対するmRNAワクチン「ダイチロナ」の供給や、将来のパンデミック時のワクチン供給体制整備は、社会貢献と新たな事業機会創出の両面で注目される。国際的イニシアチブ「RE100」への加盟や、日本の自社拠点における使用電力の再生可能エネルギー化等、環境課題への積極的な取組も進める。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W17I | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
5539.9B 18.6倍 5.8倍 0.0% 2,903.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 1886.3B 1601.7B 1278.5B
営業利益 331.9B 211.6B 120.6B
純利益 295.8B 200.7B 109.2B
EPS 156.0 104.7 57.0
BPS 502.6 575.7 509.5

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.18%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.08%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.06%
JP MORGAN CHASE BANK 385632 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.05%
日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)0.05%
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.02%
GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)0.01%
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.01%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.01%
みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-02-06キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 3.83%(1.95%)
2026-01-22キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 5.78%(1.36%)
2025-12-22日本生命保険相互会社 4.44%(1.04%)
2025-10-22キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 7.14%+1.95%
2025-09-19三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 5.36%+0.21%
2025-09-05株式会社みずほ銀行 0.00%N/A
2025-08-07株式会社みずほ銀行 0.01%+0.01%
2025-05-22株式会社みずほ銀行 0.01%N/A
2025-05-09キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 5.19%(1.39%)
2025-02-21株式会社みずほ銀行 0.01%N/A
2024-12-20キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 6.58%(1.19%)
2024-10-18ブラックロック・ジャパン株式会社 7.39%+1.14%
2024-03-25株式会社みずほ銀行 0.01%N/A
2023-01-30株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 4.61%(0.52%)
2022-12-22株式会社みずほ銀行 0.02%N/A
2022-10-31株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 5.13%+5.13%
2022-09-05株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 4.80%(1.00%)
2022-06-07キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 7.77%(1.04%)
2022-06-06ブラックロック・ジャパン株式会社 6.25%+1.23%
2022-03-23キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー 8.81%(1.17%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-26TDNet人事第一三共代表取締役の異動、取締役および監査役の候補者選定に関するお知らせ3,051+0.43%
2026-02-06EDINET大量保有キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメ大量保有 3.83%2,869+2.89%
2026-02-02TDNet配当・還元第一三共(訂正)「自己株式の取得状況に関するお知らせ」の一部訂正について2,916+0.63%
2026-01-30TDNetM&A第一三共当社と完全子会社である第一三共ビジネスアソシエの吸収合併(簡易合併・略式合併)に係る基本方針決定に関2,836+2.84%
2026-01-22EDINET大量保有キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメ大量保有 5.78%3,139-0.19%
2026-01-05TDNet配当・還元第一三共自己株式の取得状況に関するお知らせ3,530-2.24%
2025-12-22EDINET大量保有日本生命保険相互会社大量保有 4.44%3,285+1.67%
2025-12-15TDNetその他第一三共第一三共 Science & Technology Day 2025の開催について3,479-2.10%
2025-12-03TDNetその他第一三共当社ADC製品に関するSeagen社との特許係争の判決に関するお知らせ3,561+0.31%
2025-10-22EDINET大量保有キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメ大量保有 7.14%4,087-0.73%
2025-09-19EDINET大量保有三井住友トラスト・アセットマネジメント株大量保有 5.36%3,543-2.85%
2025-09-05EDINET大量保有株式会社みずほ銀行変更3,621+2.29%
2025-08-07EDINET大量保有株式会社みずほ銀行大量保有 0.01%3,600-1.39%
2025-07-31TDNet不祥事・訂正第一三共(訂正)「2025年度 第1四半期決算説明会資料」の一部訂正について3,720-1.13%
2025-07-22TDNetその他第一三共譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ3,494+4.29%
2025-06-23TDNetその他第一三共譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ3,300+1.97%
2025-05-22EDINET大量保有株式会社みずほ銀行大量保有 0.01%3,753+0.29%
2025-05-09EDINET大量保有キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメ大量保有 5.19%3,547-8.15%
2025-02-21EDINET大量保有株式会社みずほ銀行大量保有 0.01%
2024-12-20EDINET大量保有キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメ大量保有 6.58%