Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社キャンバス (4575)

株式会社キャンバスは、独自の創薬エンジンとスクリーニング法を競争優位性とする抗がん剤創薬企業である。基礎研究から臨床開発まで一貫し、技術・プロダクトを自社創出する高付加価値モデルを志向する。主要パイプラインはCBP501(免疫着火剤)とCBS9106。CBP501は免疫チェックポイント阻害抗体併用で薬効増強期待、膵臓がん対象臨床第2相完了、次相準備中。複数特許保有、科学顧問会議活用。医薬品開発の長期・高費用・規制が参入障壁。リスク分散と価値最大化へパイプライン拡充・戦略提携を推進する。 [本社]静岡県沼津市 [創業]2000年 [上場]2009年

1. 事業概要と競争優位性

株式会社キャンバスは、抗がん剤の基礎研究、早期・後期臨床開発に取り組む創薬企業である。医薬品事業の単一セグメントで事業を展開する。

当社は、独自の創薬基盤技術「創薬エンジン」を核に、技術とプロダクトを自社創出する高付加価値ビジネスモデルを志向する。

競争優位性(Moat)は以下の点に集約する。第一に、独自の創薬アプローチと薬剤スクリーニング法である。正常細胞とがん細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自の細胞表現型スクリーニングを中軸とする創薬エンジンにより、CBP501やCBS9106といった抗がん剤候補化合物を自社で探索・創出する。このスクリーニング法の改良を継続し、将来の競争優位確保を目指す。

第二に、知的財産権の確保である。CBP501は米国、日本、欧州で物質・用途特許を、CBS9106も米国、日本、欧州で特許を取得済みである。IDO/TDO阻害剤にかかる特許も日本で取得し、複数の開発段階で特許ポートフォリオを構築する。

第三に、専門性の高い人的資本と外部連携である。抗がん剤の臨床開発経験が豊富な科学者による科学顧問会議(SAB)を定期的に開催する。SABチェアマンは著名ながん臨床研究者であるダニエル・D・ヴァンホフ教授が務める。化合物の合成業務や臨床開発では、経験豊富な外部専門機関(CRO等)との緊密な提携関係を構築し、少人数体制(研究開発人員11名)ながら効率的な事業運営を図る。

医薬品開発は長期かつ多額の費用を要し、規制当局の許認可が必要となるため、高い参入障壁が存在する。

2. 沿革ハイライト

2000年1月、新規抗がん剤の研究開発を目的として設立。2001年1月、静岡県沼津市に研究所を開設する。

2003年1月、CBP501特許出願。2005年2月米国FDAがCBP501単剤臨床第1相試験開始申請を承認、同年5月米国で試験開始。2006年2月米国特許庁よりCBP501物質特許を取得する。

2007年3月、CBP501について武田薬品工業と共同事業化契約を締結するが、2010年6月に解消し、当社単独開発へ転換する。

2009年9月、東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場する。

2014年12月、CBS9106について米国Stemline Therapeutics, Inc.とライセンス契約を締結。Stemline社はCBS9106の臨床第1相試験を完了するが、2025年6月にライセンス契約を解消し、開発及び商品化に関する全権利を当社が再取得する。

CBP501の開発は継続し、2017年10月にはシスプラチンと免疫チェックポイント阻害抗体ニボルマブとの3剤併用臨床第1b相試験を米国で開始。2021年12月には同3剤併用臨床第2相試験を米国で開始し、2024年2月には米国FDAからCBP501臨床第2b相臨床試験開始承認を取得する。

2022年4月、東京証券取引所の市場区分の見直しにより、グロース市場へ移行する。

3. 収益・成長

当社は創薬企業であり、現時点において製品販売による売上高はない。最初の製品上市までは安定的な収益源がなく、研究開発費用の負担により長期の先行投資期間が続くビジネスモデルである。このため、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向がある。

成長ドライバーは以下の通りである。

第一に、最先行パイプラインであるCBP501の開発加速と成功確率最大化である。CBP501は免疫着火剤として免疫チェックポイント阻害抗体との併用で薬効増強が期待される。膵臓がん対象臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験の準備を進めている。米国FDAから臨床第2b相臨床試験開始承認も取得済みである。

第二に、創薬エンジンの改良・充実と新規化合物パイプラインの継続的な創出・獲得である。CBP501臨床試験データからの知見に基づき、「がん免疫」「がん幹細胞」など個別の作用に着目した候補化合物創出も実施し、CBT005、CBP-A08、IDO/TDO阻害剤などの後続パイプラインの育成を図る。

第三に、開発戦略の柔軟な選択である。資金調達環境改善により、製薬企業に頼らず独力で新薬承認獲得まで進むケースが増加する。当社はCBP501に関して「創薬パイプライン型」開発を志向しつつ、新規提携パートナー獲得も目指す。CBS9106の権利再取得も新たな開発方針検討の機会となる。

当事業年度における研究開発費は820,000千円である。

4. 財務健全性

当社は、現時点において安定的な収益源を有していないものの、当事業年度末(2025年6月30日)において現金及び預金を2,827,879千円保有する。有利子負債は0円であり、自己資本比率は96.49%と高い水準を維持する。

しかし、開発プロジェクトの進展に伴う資金需要増加に対応するため、継続的な資金調達が課題である。製薬企業との戦略提携や新株発行等による直接金融での資金調達を実施する方針である。

5. 株主還元

提供された情報に株主還元に関する具体的な記載はない。

6. 注目ポイント

最重要課題は、最先行パイプラインであるCBP501の開発加速と成功確率最大化である。CBP501は膵臓がん対象臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験準備中であり、米国FDAから臨床第2b相臨床試験開始承認も取得済みである。この開発の成否が当社の中長期的な企業価値の源泉となる。

CBS9106の全世界における開発・製造・商業化の独占的権利をStemline社から再取得したことは、今後の開発方針検討次第で新たな成長機会となる可能性がある。

医薬品開発は成功確率が低く、長期間・多額の費用を要する不確実性の高い事業である。開発資金の確保は継続的な課題であり、資本市場からの資金調達や戦略提携の動向が重要である。

少人数組織であり、創業科学者である代表取締役社長の河邊拓己氏への依存度が高い点もリスク要因として認識する。

出典: 有価証券報告書 (2025-06) doc_id=S100WQRS | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
14.7B 5.1倍 748.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高
営業利益 -1.1B -1.3B -966M
純利益 -1.2B -1.2B -1.2B
EPS -61.1 -67.9 -83.0
BPS 147.8 127.9 115.8

大株主

株主名持株比率
楽天証券株式会社0.02%
株式会社SBI証券0.01%
マネックス証券株式会社0.01%
西村彰0.01%
株式会社三星住発0.01%
日本証券金融株式会社0.01%
株式会社SBIネオトレード証券0.01%
SMBC日興証券株式会社0.01%
河邊拓己0.00%
安井弘高0.00%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-07-22株式会社SBI証券 4.74%(0.36%)
2025-06-05株式会社SBI証券 5.10%(0.27%)
2025-04-21株式会社SBI証券 5.37%(0.05%)
2025-03-21株式会社SBI証券 5.42%(0.01%)
2025-02-20株式会社SBI証券 5.43%+0.05%
2024-11-21株式会社SBI証券 5.38%(0.43%)
2024-11-11Long Corridor Asset Management 4.53%(1.06%)
2024-10-21株式会社SBI証券 5.81%(0.29%)
2024-09-30Long Corridor Asset Management 5.59%(1.05%)
2024-09-24Long Corridor Asset Management 6.64%(1.93%)
2024-09-20Long Corridor Asset Management 8.57%(0.73%)
2024-09-20Long Corridor Asset Management 8.57%(0.73%)
2024-09-05株式会社SBI証券 6.10%+0.18%
2024-08-21株式会社SBI証券 5.92%+0.09%
2024-08-07株式会社SBI証券 5.83%+0.03%
2024-07-22株式会社SBI証券 5.80%(0.02%)
2024-07-04株式会社SBI証券 5.82%+0.15%
2024-04-19株式会社SBI証券 5.67%(0.07%)
2024-03-06株式会社SBI証券 5.74%+0.55%
2024-02-21株式会社SBI証券 5.19%(0.28%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-18TDNetIRG-CANBAS2026年6月期 第2四半期決算説明会資料885+0.79%
2025-11-17TDNet資本政策G-CANBASストック・オプション(新株予約権)の発行内容確定に関するおしらせ789-1.52%
2025-11-11TDNet決算G-CANBAS2026年6月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)806+3.72%
2025-11-11TDNetその他G-CANBAS営業外損益の計上に関するお知らせ806+3.72%
2025-10-24TDNetその他G-CANBASCBP501臨床開発完了目標時期の変更について1,008-14.19%
2025-10-24TDNet資本政策G-CANBASストック・オプション(新株予約権)の発行に関するお知らせ1,008-14.19%
2025-10-09TDNetその他G-CANBASCBP501と免疫チェックポイント阻害剤等の併用に関する欧州特許査定受領のお知らせ1,036+2.70%
2025-08-19TDNetIRG-CANBAS2025年6月期 決算説明会資料1,065-2.16%
2025-08-08TDNet事業計画G-CANBAS事業計画及び成長可能性に関するご説明資料1,025+2.44%
2025-07-22EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 4.74%975+2.05%
2025-06-30TDNet業績修正G-CANBAS2025年6月期の通期業績予想に関するお知らせ1,195-10.63%
2025-06-30TDNetその他G-CANBASCBS9106開発権返還のためのライセンス契約解消の合意に関するお知らせ1,195-10.63%
2025-06-05EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 5.1%953-2.20%
2025-04-21EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 5.37%992+0.81%
2025-03-21EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 5.42%954-0.94%
2025-02-20EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 5.43%
2024-11-21EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 5.38%
2024-11-11EDINET大量保有Long Corridor Asset 大量保有 4.53%
2024-10-21EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 5.81%
2024-09-30EDINET大量保有Long Corridor Asset 大量保有 5.59%