Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

富士フイルムホールディングス株式会社 (4901)

富士フイルムホールディングスは、ヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングの4事業を展開する。写真で培った材料化学、光学、画像処理等の基盤技術を競争優位性とする。ヘルスケアではバイオCDMOで欧州最大の製造能力を構築し、リカーリングビジネスを拡大する。エレクトロニクスでは半導体材料でワンストップソリューションを提供。ビジネスイノベーションでは刷版、デジタル印刷機、産業用ヘッドでトップレベルのシェアを持ち、リカーリングビジネスを強化する。グローバルな設備投資とM&Aで成長を図る。 [創業]1934年

1. 事業概要と競争優位性

富士フイルムホールディングスは、ヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングの4事業を展開する。写真で培った材料化学、光学、解析、画像等の幅広い基盤技術と、機能性材料、ファインケミカル、エレクトロニクス等のコア技術を融合し、多角的な事業を展開する。競争優位性を長期にわたり維持できる力強いビジネスにフォーカスし、「稼げる力」の向上を図る。

ヘルスケア部門は、メディカルシステム機材、バイオ医薬品製造開発受託(CDMO)、創薬支援材料、医薬品、化粧品・サプリメント等を手掛ける。独自のAI技術やバイオ技術、高度な画像処理技術、化合物合成・設計力、ナノテクノロジー、品質管理技術を競争優位性とする。メディカルシステム事業ではAI・ITを活用した製品やサービスを拡充し、サービス・消耗品等のリカーリングビジネスを拡大する。バイオCDMO事業ではデンマーク拠点が欧州最大のCDMO拠点となる見込み(2024年11月5日現在、当社調べ)であり、米国ノースカロライナ拠点でも大型製造設備を順次稼働させる。Johnson & JohnsonグループやRegeneron Pharmaceuticals, Inc.と長期製造契約を締結する。ライフサイエンス事業では培地・試薬・細胞等を提供し、iPS細胞技術・ノウハウを生かした細胞治療薬開発支援ビジネスを拡大する。

エレクトロニクス部門は、半導体材料、ディスプレイ材料、産業機材等を提供する。機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を競争優位性とする。半導体材料事業ではプロセスケミカル事業買収により製品ラインアップを拡充し、複数プロセスに材料を供給する強みを生かし「ワンストップソリューション」を提供する。液晶パネル向けTAC製品では強いマーケットポジションを維持し、OLED向け材料のシェア向上を推進する。データセンターで使用されるデータテープ、半導体やディスプレイ等デバイス製造工程に使用される圧力測定フィルム「プレスケール」等、差別化した製品の供給を拡大する。

ビジネスイノベーション部門は、ソリューション・サービス、デジタル複合機、グラフィックコミュニケーションシステム機材等を提供する。オフィスから商業印刷・産業印刷まで全領域をカバーできる唯一の「ソリューションパートナー」として事業展開する。日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制、優良な顧客基盤、強力な営業力、ドキュメント関連の独自技術、幅広い顧客との強固な信頼関係を競争優位性とする。グラフィックコミュニケーション事業では刷版、デジタル印刷機、産業用ヘッドにおいてトップレベルのシェアを持つ。ITインフラ環境の構築・運用支援サービスやクラウドサービス等でリカーリングビジネスを拡大する。

イメージング部門は、インスタントフォトシステム、カラーフィルム、デジタルカメラ、光学デバイス等を提供する。入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組立技術を競争優位性とする。

2. 沿革ハイライト

1934年1月、写真フィルム製造の国産工業化計画に基づき富士写真フイルム㈱を設立する。1962年2月には英国ランクゼロックス社との合弁により富士ゼロックス㈱(現 富士フイルムビジネスイノベーション㈱)を設立し事業領域を拡大する。2006年10月には全ての営業を富士フイルム㈱に承継する新設分割を行い、持株会社である富士フイルムホールディングス㈱に移行する。

その後、M&Aを積極的に活用し、事業ポートフォリオの変革と強化を進める。主な買収には、富山化学工業㈱(2008年)、バイオCDMO事業強化のためのMSD Biologics (UK) Limited等(2011年)、SonoSite, Inc.(2012年)、和光純薬工業㈱(2017年)、富士ゼロックス㈱の完全子会社化(2019年)、㈱日立製作所の画像診断関連事業(2021年)、半導体材料事業強化のためのCMC Materials KMG Corporation(2023年)がある。2025年1月にはコニカミノルタ㈱との合弁により、グローバルプロキュアメントパートナーズ㈱を設立する。

3. 収益・成長

当社グループは、中期経営計画「VISION2030」で収益性と資本効率を重視し、世界TOP Tierの事業集合体として価値向上を目指す。2024年度は「売上高」「営業利益」「当社株主帰属当期純利益」が3年連続で過去最高を更新した。

ヘルスケア部門では、高齢化社会のQOL向上や新興国医療環境整備を成長ドライバーとし、2025年度には売上高1兆円超を目指す。バイオCDMO事業の大型設備稼働と長期契約、ライフサイエンス事業の創薬支援材料・iPS細胞技術活用、医薬品事業のデュアルユース設備立ち上げで成長を加速する。健診サービス事業「NURA」の展開を加速する。

エレクトロニクス部門では、生成AI向け等先端半導体需要拡大やディスプレイ材料需要拡大を成長ドライバーとする。半導体材料事業では製品ラインアップ拡充と「ワンストップソリューション」提供、グローバル製造拠点投資(インドへの製造拠点投資検討開始)を進める。2027年3月までの3年間で半導体材料事業の成長投資として設備投資及びR&Dに合計1,700億円を投じる予定である。

ビジネスイノベーション部門では、中堅・中小企業のDXニーズ拡大を成長ドライバーとし、ITインフラ環境構築・運用支援、クラウドサービス等でリカーリングビジネスを拡大する。グラフィックコミュニケーション事業ではデジタルシフトを加速させる。

イメージング部門では、インスタントフォトシステムやデジタルカメラ需要拡大、インフラ点検分野への新規ビジネス伸長を成長ドライバーとする。

当連結会計年度の研究開発費は163,399百万円(売上高比5.1%)である。当連結会計年度の設備投資総額は532,138百万円であり、ヘルスケア部門が448,362百万円を占める。

4. 財務健全性

当社グループは、競争優位性を長期にわたり維持できる力強いビジネスにフォーカスすることで「稼げる力」を向上させ、「稼げる会社」への進化を目指す。事業ポートフォリオマネジメントとキャッシュフローマネジメントの強化により確保した原資を、成長分野の設備投資に再投資し、永続的な好循環を実現する。

2025年3月31日時点の総資産は2,025,160百万円、純資産は1,102,203百万円、有利子負債は905,686百万円である。

5. 株主還元

当社グループは、事業の持続的成長、ESG課題への取組み、人材育成等に加え、株主への還元を確実に実行し、多様なステークホルダーに価値を提供することを経営の成功の鍵と位置付ける。獲得した利益を上記活動に再投資することにより、永続的な好循環を実現する。

2025年3月31日時点の年間配当は65.0円である。

6. 注目ポイント

当社グループの注目ポイントは、写真で培った多角的な技術基盤を活かした事業ポートフォリオの変革と成長戦略である。AI技術、バイオ技術、材料化学、光学技術等の融合により、ヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングの各事業で競争優位性を確立する。

M&Aと設備投資による成長分野への積極的な投資も特徴である。バイオCDMO事業では欧州最大の製造拠点となる見込みのデンマーク拠点や米国ノースカロライナ拠点への大型設備投資、半導体材料事業ではグローバルなサプライチェーン強化と新市場(インド)への取り組みとして合計1,700億円の設備投資及びR&Dを計画する。これらの投資は、抗体医薬品や先端半導体といった高成長市場の需要を取り込むことを目的とする。

ビジネスモデルの質においては、メディカルシステム事業やビジネスソリューション事業におけるサービス・消耗品等のリカーリングビジネスの拡大を成長戦略の柱とする。グローバル展開も重要な要素であり、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約66%である。

事業等のリスクとして、経済情勢・為替変動、各事業領域における環境変化・競合、生産活動、製品品質・製造物責任、医薬品事業・再生医療事業、物流、特許・知的財産権、企業買収・業務提携、人材確保、内部統制が挙げられる。特に、バイオテック企業への投資環境の冷え込みによる細胞・遺伝子治療薬開発停滞、半導体材料の原材料調達リスク、ペーパーレス化によるオフィスでのプリントボリューム減少、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争激化、スマートフォンのカメラ性能向上によるデジタルカメラ需要減少等に留意する。

[創業]1934年

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W3XJ | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
3663.2B 681.7倍 3.2倍 0.0% 2,945.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 42.0B 19.1B 17.5B
営業利益 1.2B 883M 1.5B
純利益 5.2B 6.4B 13.3B
EPS 4.3 5.3 11.0
BPS 913.4 968.1 999.7

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.19%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)0.07%
日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)0.04%
GIC PRIVATE LIMITED - C (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.03%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.03%
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.02%
GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク)0.02%
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-09-19三井住友信託銀行株式会社 6.31%+0.28%
2024-09-20三井住友信託銀行株式会社 6.03%(1.03%)
2023-03-06三井住友信託銀行株式会社 7.06%+1.82%
2023-03-06野村證券株式会社 6.32%+1.29%
2023-03-03ブラックロック・ジャパン株式会社 6.66%+1.66%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-09-19EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.31%3,554+2.03%
2025-07-24TDNetその他富士フイルム譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ3,222-1.52%
2025-06-27TDNetその他富士フイルム譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ3,139+0.10%
2024-09-20EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 6.03%
2023-03-06EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 7.06%
2023-03-06EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 6.32%
2023-03-03EDINET大量保有ブラックロック・ジャパン株式会社大量保有 6.66%