Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社リプロセル (4978)

リプロセルはiPS細胞技術を中核に、研究支援とメディカルの二事業を展開する。研究支援事業は、山中教授がヒトiPS細胞作製に使用した培養液の実績、世界最先端の技術プラットフォーム、ヒト細胞ビジネスプラットフォームを競争優位性とする。メディカル事業では、希少疾病用再生医療等製品ステムカイマルや、日米欧3極規制準拠のGMP施設でのiPS細胞CDMO、高度な培養技術を要するTIL療法を展開し、中長期成長を牽引する。日米欧印に拠点を持ち、グローバル展開を図る。 [本社]神奈川県横浜市港北区 [創業]2003年 [上場]2013年

1. 事業概要と競争優位性

株式会社リプロセルは、iPS細胞技術を中核に「研究支援事業」と「メディカル事業」の二つのセグメントを展開する。研究支援事業は短中期的な収益基盤、メディカル事業は中長期的な成長の柱と位置付ける。

研究支援事業は、大学、公的研究機関、製薬企業等を主要顧客とし、研究用製品の製造販売、研究受託サービス、細胞測定機器等の販売を行う。iPS細胞研究用培養液は京都大学の山中伸弥教授がヒトiPS細胞作製に成功した際に使用され、広く認知される。REPROCELL USAは約60万のヒト生体試料バンクを保有する。研究受託サービスでは、iPS細胞関連技術とヒト生体試料調達ネットワークを統合した「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を構築し、RNAリプログラミング技術やゲノム編集技術を駆使した疾患モデル作製、遺伝子編集、分化誘導など、技術難易度の高いサービスを提供する。REPROCELL EuropeはGLP準拠施設を保有し、新薬候補化合物の薬効薬理試験を受託する。競争優位性として、ヒトiPS細胞に関する「世界最先端の技術プラットフォーム」を保有し、iPS細胞の樹立方法に関する知財の商業利用ライセンスや、ヒトiPS細胞由来の各種細胞製品の製造販売を「世界で初めて」開始した実績を有する。

メディカル事業は、再生医療等製品の研究開発、再生医療等製品の受託製造(CDMO)、臨床検査受託サービスを手掛ける。再生医療等製品の研究開発では、脊髄小脳変性症を対象とする「ステムカイマル」、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等を対象とする「iPS神経グリア細胞製品」、進行子宮頸がん等を対象とする「腫瘍浸潤性リンパ球輸注療法(TIL療法)」、固形がん等を対象とする「GPC-1 CAR-T療法」の4つのパイプラインを重点的に進める。ステムカイマルは希少疾病用再生医療等製品に指定され、国内第II相臨床試験を完了し、製造販売承認申請の準備を進める。TIL療法は慶應義塾大学と共同で先進医療BにおけるTIL製造を受託しており、「高度な培養技術を要するため、実施可能な施設は世界でも限られている」という参入障壁が存在する。受託製造(CDMO)では、遺伝子変異リスクの低い「最先端のRNAリプログラミング技術」を利用し、安全性が高く臨床応用に最適なGMPグレードのiPS細胞を作製する。臨床用iPS細胞は日米欧3極の規制に準拠し、日米2拠点(殿町・リプロセル再生医療センター、REPROCELL USA GMP施設)でグローバル展開の基盤を構築する。CIRMとの連携やGameto社への供給実績を通じて技術力と品質が高く評価される。

2. 沿革ハイライト

当社は2003年2月、京都大学と東京大学の技術シーズを基盤に設立された。2007年11月には山中伸弥教授のヒトiPS細胞発明に当社の培養液が使用された。2009年3月には「世界で初めてiPS細胞の樹立方法に関する知財の商業利用ライセンスをiPSアカデミアジャパン㈱から取得」し、同年4月には「世界で初めてヒトiPS細胞由来心筋細胞の製造販売を開始」した。その後もiPS細胞由来の各種細胞製品の製造販売を「世界で初めて」開始した。2013年6月にJASDAQ(グロース)に上場。2014年以降、英国Reinnervate、米国BioServe、米国StemgentのiPS細胞事業部門、英国Biopta Limited社を相次いで買収し、グローバル展開と事業領域を強化した。2018年12月には再生医療製品ステムカイマルが希少疾病用再生医療等製品に指定され、2019年5月には殿町・リプロセル再生医療センターを開設した。2024年2月には腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)を新規パイプライン化した。

3. 収益・成長

当社グループは、短中期的な収益基盤である研究支援事業と、中長期的な成長の柱であるメディカル事業の組み合わせにより、持続的な成長を目指す。研究支援事業の成長ドライバーは、製薬業界における「動物実験からヒト細胞実験へ」のシフト加速であり、当社グループの「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」がこの流れを先取りする。メディカル事業の成長ドライバーは、再生医療分野がグローバルで巨大産業へ成長する見込み(経済産業省予測2030年約5~10兆円市場規模)と、日本の薬機法による早期承認制度の整備である。

現在、メディカル事業ではステムカイマル、iPS神経グリア細胞製品、TIL療法、GPC-1 CAR-T療法の4つの再生医療等製品パイプラインの研究開発を重点的に進める。ステムカイマルは国内第II相臨床試験を完了し、承認申請準備を進める。TIL療法は米国FDAで転移性メラノーマを対象とした承認がなされ、今後の市場拡大が期待される。iPS細胞由来エクソソームの販売開始(2024年7月)や、個人のiPS細胞作製・保管サービス、郵送検査サービス「ウェルミル」など、新製品・サービスも展開する。グローバル化を基本方針とし、日本、米国、欧州、インドに販売、製造、研究開発機能を持つ拠点を有し、各拠点が連携してグループシナジーを追求する。海外売上比率は約7割に達する。

4. 財務健全性

当社グループは、iPS細胞及び再生医療製品等の研究開発及び治験費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在する。しかしながら、当連結会計年度末の現金及び預金残高は2,823百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が1,118百万円あり、財務基盤は安定している。有利子負債は0円である。研究開発費の総額は536百万円と、販売費及び一般管理費全体の約30%を占める。今後、主力事業の営業強化、新規事業の立ち上げ、再生医療製品の早期の製造販売承認を通じて、早期の黒字化を目指す方針である。

5. 株主還元

提供テキストに株主還元に関する具体的な記載はない。

6. 注目ポイント

当社グループは、iPS細胞分野における技術革新への対応と市場リーダーシップの確立を最重要課題と認識し、研究開発への積極投資、国内外の大学・公的研究機関・民間企業との連携、共同開発、技術導入を戦略的に推進する。事業ポートフォリオの最適化と収益基盤の強化を図り、短中期的な収益基盤である研究支援事業を強化しつつ、中長期的な成長ドライバーである再生医療等製品への戦略的投資を継続する。特に、国内第II相臨床試験を完了し承認申請準備中のステムカイマル、非臨床試験で有望な結果を得て臨床試験準備中のiPS神経グリア細胞製品、慶應義塾大学と共同で先進医療Bとして進めるTIL療法、AMED支援を受け京都大学等と共同開発中のGPC-1 CAR-T療法といったメディカル事業のパイプラインの早期承認取得・臨床応用・事業化が今後の成長を左右する。また、日米2拠点体制を構築したCDMO事業のグローバル展開も注目される。継続企業の前提に関する重要事象への対応と早期黒字化の実現が課題となる。競合リスク、研究開発活動に由来するリスク、再生医療ビジネスに関するリスク、知的財産権に関するリスク、人材の確保に関するリスク、為替変動リスクも事業上のリスクとして認識する。

出典: 有価証券報告書 doc_id=S100W6LK | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
12.3B -26.8倍 1.4倍 0.0% 129.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 2.6B 2.2B 2.3B
営業利益 -630M -860M -844M
純利益 -458M -591M -575M
EPS -4.8 -6.2 -6.1
BPS 93.1

大株主

株主名持株比率
楽天証券株式会社0.02%
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS MLSCB RD (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%
横山 周史0.01%
上田八木短資株式会社0.01%
五十畑 輝夫0.01%
中野 暁0.01%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.01%
JPモルガン証券株式会社0.01%
中辻 憲夫0.01%
椎橋 正則0.00%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2024-07-19モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 4.03
2024-07-04モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 5.75
2024-04-19モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 6.84
2024-03-06モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 7.96
2024-01-31モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 9.66
2023-12-27モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 10.87
2022-04-22SMBC日興証券株式会社 4.16
2022-01-21SMBC日興証券株式会社 5.66
2021-12-22SMBC日興証券株式会社 7.14
2021-12-07SMBC日興証券株式会社 9.99
2021-12-01SMBC日興証券株式会社 10.32
2021-11-22SMBC日興証券株式会社 11.45
2021-11-16SMBC日興証券株式会社 11.9
2021-11-01SMBC日興証券株式会社 12.72
2021-10-20SMBC日興証券株式会社 13.76
2021-10-14SMBC日興証券株式会社 14.28
2021-10-13SMBC日興証券株式会社 14.28
2021-09-30SMBC日興証券株式会社 14.63
2021-08-25SMBC日興証券株式会社 15.66
2021-08-05SMBC日興証券株式会社 16.42

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-05-27TDNet株式及び新株予約権発行プログラム設定契約締結に係る発行登録並びに第三者割当による新株式及び新株予約権
2026-04-02TDNetAMED公募事業「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」の採択に関するお知らせ
2026-03-03TDNet譲渡制限付株式報酬としての新株式発行に関するお知らせ
2025-12-09TDNetAMED公募事業「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」の変更交付決定に関するお知ら
2025-12-05TDNetAMED公募事業「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」補助金の2024年度交付額確
2025-10-01TDNet連結子会社(REPROCELL USA Inc.)に対する補助金の交付決定に関するお知らせ
2025-04-02TDNetAMED公募事業「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」の採択に関するお知らせ
2024-07-19TDNetHolding change by モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
2024-07-04TDNetHolding change by モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
2024-04-19TDNetHolding change by モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
2024-03-06TDNetHolding change by モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
2024-01-31TDNetHolding change by モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
2023-12-27TDNetHolding change by モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
2022-04-22TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社
2022-01-21TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社
2021-12-22TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社
2021-12-07TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社
2021-12-01TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社
2021-11-22TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社
2021-11-16TDNetHolding change by SMBC日興証券株式会社