Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

OATアグリオ株式会社 (4979)

OATアグリオは、農薬、肥料、バイオスティミュラントの研究開発、製造、国内外販売を展開する。新規農薬開発は十年・数十億円を要する厳格な登録制度が参入障壁。自社開発体制と国内外3拠点で技術優位性を持つ。特許取得農薬を複数保有し、養液土耕栽培システムは25年以上の実績、累計販売台数約3,000台。グリーンプロダクツ、バイオスティミュラント、スマート農業「アグリオいちごマスター」を成長ドライバー。グローバル展開を強化する。 [本社]東京都千代田区 [創業]2010年 [上場]2014年

1. 事業概要と競争優位性

OATアグリオは、「食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で世界の人々に貢献します」という経営理念の下、農薬、肥料、バイオスティミュラントの研究開発、製造、国内外販売を主たる事業とする。防除技術(農薬)、施肥灌水技術(肥料、養液土耕栽培システム)、バイオスティミュラント(肥料、活力剤)の三つの技術領域で多面的なソリューションを提供する。

新規農薬開発には、農薬取締法に定められた厳格な登録が必要であり、およそ十年と数十億円の経費を要する。この厳格な手続きと多様な試験が「高い参入障壁」となる。当社は、原体や各種製剤を自社開発する研究開発体制を構築し、国内(徳島県鳴門市)及び海外(インド共和国、スペイン)に三つの研究開発拠点を保有する。これにより、化合物の合成やスクリーニング、バイオスティミュラント製品の研究開発を推進し、技術的優位性を確立する。主要農薬製品には複数の特許出願・登録実績がある。

施肥灌水技術では、養液土耕栽培システムが25年以上の実績を持ち、累計販売台数は約3,000台に上り、全国の農家に導入される。これは顧客の労力軽減、環境負荷低減、作物品質向上、収穫量増加に貢献し、顧客ロックインの一因となる。切り花の品質保持剤「クリザールシリーズ」は、子会社Blue Wave Holding B.V.のネットワークを通じて世界中の市場へ展開する。

販売体制は、国内向けに国内営業本部と営業支援室が全農、商社、メーカーを通じた販路を構築し、海外向けには海外営業本部を窓口として商社経由とグループ会社直販の両面でアプローチする。特にアジア・中南米・アフリカ地域は人口増加率が高く、今後の成長が見込まれる市場であり、販売体制を強化する。ウェブ直販サイト「AGRIO」を通じたD2Cビジネスにも挑戦し、一般消費者向け製品も提供する。

2. 沿革ハイライト

当社は2010年9月、大塚化学株式会社アグリテクノ事業部の新設分割により「大塚アグリテクノ株式会社」として設立された。2014年4月に「OATアグリオ株式会社」へ商号変更し、同年6月には東京証券取引所市場第二部に上場、2015年12月には市場第一部銘柄に指定された。その後、2023年10月にはスタンダード市場へ移行した。この間、旭化学工業株式会社(2011年)、LIDA Plant Research, S.L.(2018年)、Blue Wave Holding B.V.(2018年)を子会社化し、事業領域とグローバル展開を拡大する。Insecticides(India)Limitedとの共同研究所OAT&IIL India Laboratories Private Limitedを2013年に設立し、海外研究開発体制を強化する。

3. 収益・成長

農業分野の経営環境は、世界人口増加に伴う食料増産・安定供給、作物生産技術の高度化・高品質化、環境保全ニーズの高まりを背景とする。

成長ドライバーは、「人や環境に優しいグリーンプロダクツ」(天然・食品添加物由来農薬)、植物が本来持つ能力を高めるバイオスティミュラント製品の研究開発である。トマト青枯病抑制剤や耐雨性展着剤、ばれいしょ・かんしょの増収効果が期待できる「ポテトール」を上市し販売拡大を図る。

スマート農業の推進として、施設園芸分野での省力化・効率化を目指し、AIを活用した栽培トータルソリューションサービス『アグリオいちごマスター』の普及とさらなる進化に取り組む。いちご以外の作物への展開も予定する。循環型社会の実現を目指したプロバイオポニックス(有機質肥料活用型養液栽培)の実証試験も進める。

グローバル展開の強化として、アジア・中南米・アフリカ地域など、人口増加率が高く成長が見込まれる市場への販売体制を強化する。

研究開発への集中投資は、2024年2月発表の「新中期経営計画(2024-2026年)」で掲げられ、持続可能な農業に貢献すべくイノベーションに向けた投資を加速する。当連結会計年度の研究開発費は2,731百万円、売上高比9.2%を占める。

政府の「みどりの食料システム戦略」における化学農薬・化学肥料の使用量削減目標や有機農業の面積拡大目標は、当社のグリーンプロダクツ、バイオスティミュラント、プロバイオポニックス事業にとって追い風となる。

目標とする経営指標として、新中期経営計画では連結営業利益率12.0%、連結ROE13.8%を掲げる。過去5年間の売上高営業利益率は7.5%(2020年12月期)から13.0%(2023年12月期)で推移し、直近(2024年12月期)は10.5%である。連結ROEは12.9%(2020年12月期)から23.4%(2022年12月期)で推移し、直近(2024年12月期)は13.9%である。

4. 財務健全性

当社は、事業拡大に向けた積極的な外部経営資源獲得により固定資産を多く保有する。新中期経営計画では、自己資本比率やROE達成に向けた安定した強固な財務基盤の構築を進める方針を示す。グループ全体でのキャッシュマネジメントを通じ、効率的かつ機動的な資金バランスを整え、有利子負債残高の減少に努める。直近(2024年12月31日現在)の連結財務データでは、総資産34,663百万円、純資産17,104百万円、有利子負債10,972百万円、現金及び現金同等物4,481百万円である。景気変動、天候変動、世界的災害等による固定資産の減損リスクや子会社株式評価に関するリスクを認識し、定期的なモニタリングとグループ各社とのシナジー効果による業績向上を目指す。

5. 株主還元

新中期経営計画において、株主還元を積極的な事業展開や研究開発投資と並ぶ重要な財務指標の一つとして位置づける。直近(2024年12月期)の年間配当は55円である。

6. 注目ポイント

当社は、世界的な食糧問題と環境問題の解決に貢献するアグリテクノロジー企業として、独自の技術と製品群を持つ。新規農薬開発における高い参入障壁と、自社開発体制、国内外の研究開発拠点が強みである。グリーンプロダクツ、バイオスティミュラント、スマート農業といった「人や環境に優しい持続可能な農業」に資する分野への積極的な研究開発投資とグローバル展開が、今後の成長ドライバーとなる。M&Aを通じた事業拡大実績も注目される。農業市場の動向、法規制、地政学リスク、為替変動(円安は連結業績に好影響をもたらす)などの外部環境リスクを認識し、対応策を講じながら持続的な企業価値向上を目指す。

出典: 有価証券報告書 (2024-12) doc_id=S100VG9P | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
30.6B 13.7倍 1.8倍 0.0% 2,760.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 29.8B 29.0B 27.0B
営業利益 3.1B 3.8B 3.3B
純利益 2.1B 2.5B 2.3B
EPS 201.9 236.4 214.1
BPS 1,566.1 1,350.7 1,043.4

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.08%
光通信株式会社0.08%
伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社0.05%
大塚化学株式会社0.05%
株式会社りそな銀行0.05%
丸善薬品産業株式会社0.05%
株式会社グローカルジャパン0.05%
OATアグリオ社員持株会0.04%
株式会社エス・ディー・エスバイオテック0.03%
ハイケム株式会社0.03%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-09-29光通信株式会社 8.42%+0.36%
2025-07-14光通信株式会社 8.06%+1.00%
2025-02-07みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2025-01-22みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2024-12-20みずほ証券株式会社 0.03%+0.03%
2024-12-06みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2024-10-31光通信株式会社 7.06%+1.02%
2024-10-07みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2024-09-24みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2024-07-05みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2024-07-02光通信株式会社 6.04%+1.02%
2024-06-07みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2024-03-25光通信株式会社 5.02%+5.02%
2024-01-22みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2023-11-22みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2023-05-22みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2023-04-21みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2022-12-22みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2022-11-08みずほ証券株式会社 0.03%N/A
2022-09-07みずほ証券株式会社 0.03%N/A

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-13TDNet決算OATアグリオ(訂正・数値データ訂正)「2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について2,994+2.20%
2026-02-25TDNet配当・還元OATアグリオ剰余金の配当に関するお知らせ2,389-0.88%
2025-12-08TDNetその他OATアグリオ株主優待制度の一部変更(拡充)に関するお知らせ2,160+1.62%
2025-11-10TDNet決算OATアグリオ2025年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)2,260-3.50%
2025-09-29EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 8.42%2,498-2.52%
2025-07-14EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 8.06%2,202+1.45%
2025-02-07EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2025-01-22EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-12-20EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-12-06EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-10-31EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 7.06%
2024-10-07EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-09-24EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-07-05EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-07-02EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 6.04%
2024-06-07EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2024-03-25EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 5.02%
2024-01-22EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2023-11-22EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%
2023-05-22EDINET大量保有みずほ証券株式会社大量保有 0.03%