**1. 事業概要と競争優位性**
フマキラーは殺虫剤、家庭用品、園芸用品、防疫用剤の製造販売を主事業とする。当社、子会社27社、関連会社5社で構成する。殺虫剤部門は日本、東南アジア、欧州等でワンプッシュ式蚊取り、電池式蚊取り・虫よけ、ゴキブリ用殺虫剤、人体用虫よけ剤等を製造販売する。家庭用品部門は日本で衣類防虫剤、除湿剤、花粉アレルギー対策商品、除菌剤等を製造販売し、除菌剤と花粉対策商品で市場を牽引するリーダーである。園芸用品部門は日本、東南アジアで園芸害虫用殺虫・殺菌剤、肥料、除草剤等を扱う。防疫剤部門は日本で乳剤、油剤、粉剤、殺そ剤等の業務用製品を製造販売する。
競争優位性として、1924年に殺虫液の専売特許を取得し、長年の研究開発で培った高効力・高品質な製剤技術とノウハウを持つ。東南アジアの薬剤抵抗性蚊への処方開発や、欧州BPR(EU殺生物性製品規則)に適合した製品開発能力は高い参入障壁となる。世界約70ヶ国に及ぶ海外ネットワークを構築し、インドネシアを主要生産拠点とする。イタリア子会社化により欧州市場での事業基盤を強化し、開発拠点を有する。研究開発体制及び生産体制の強化のため、ブレーンズ・パーク広島の建設・拡充を進める。エステー株式会社との資本業務提携を通じ、シナジー効果を追求する。医薬品、医薬部外品、農薬等、高い品質水準が求められる製品群においてISO9001を取得し、徹底した品質管理体制を構築する。知的財産権の権利化も積極的に行う。
**2. 沿革ハイライト**
1874年、大下利吉が薬舗を構え創業する。1924年、大下回春堂を創立し、「強力フマキラー」の製造販売を開始、専売特許を取得し事業基盤を確立する。1950年に株式会社に改組。1962年、フマキラー株式会社に改称する。1964年5月、東京証券取引所市場第二部に株式を上場する。1990年にはインドネシアに合弁会社PT. FUMAKILLA INDONESIAを設立し、海外展開を本格化する。以降、インド、メキシコ、イタリア等に子会社を設立または買収し、グローバルネットワークを拡大する。2010年にはエステー株式会社と資本業務提携契約を締結する。2022年4月、東京証券取引所の市場区分の見直しにより、スタンダード市場へ移行する。
**3. 収益・成長**
当社グループの成長ドライバーは、蚊媒介感染症の世界的拡大や、日本における感染症リスクの高まりである。外来生物問題の深刻化、ウイルス・細菌・アレルゲンなど「見えないリスク」への消費者意識向上も市場拡大を後押しする。新製品開発に注力し、「効きめプレミアシリーズ」等の高効力殺虫剤や、アルコール除菌剤、ウイルス・細菌・アレルギー対策商品等を開発する。外来生物対策製剤開発や水際対策法の立案にも官公庁と連携し取り組む。家庭用だけでなく、業務用製剤や機器の開発も強化する。
地理的拡大として、東南アジア市場での殺虫剤需要の高まりに対応し、欧州展開を強化する。イタリア子会社FUMAKILLA EUROPE S.R.L.の操業開始やZAPI INDUSTRIE CHIMICHE S.P.A.の子会社化により、欧州市場での事業基盤を確立する。世界約70ヶ国に及ぶ海外ネットワークを活用し、グローバルな競争力を持つ企業を目指す。研究開発活動は、日本に加えインドネシア、マレーシア、イタリアにも開発拠点を持ち、地域特性に応じた製品開発を推進する。当連結会計年度の研究開発費用は834百万円である。新製品売上寄与率は24.2%と、経営目標の15%以上を上回る。収益性改善のため、商品アイテムの見直し、製造原価の低減、在庫の適正化、製品価値に基づいた適正価格での販売、マーケティング費用の効率的運用等に取り組む。
**4. 財務健全性**
当連結会計年度末の総資産は64,970百万円、純資産は27,723百万円である。有利子負債は16,367百万円。複数の銀行と十分な借入枠を設定し、資金調達体制を構築する。
**5. 株主還元**
事業の成長性と収益性を重視し、株主資本利益率(ROE)を重視することで企業価値の向上を目指す。当連結会計年度の年間配当は22.0円である。
**6. 注目ポイント**
フマキラーは、蚊媒介感染症や外来生物、見えないリスクへの対策といったグローバルな社会課題解決に貢献する事業を展開する。長年の技術蓄積と積極的な研究開発投資、M&Aを含む海外展開戦略により、持続的な成長を目指す。特に、地域特化型開発力と広範な海外ネットワークは、今後のグローバル市場での競争優位性を高める要因となる。季節変動リスクや原材料高騰、為替変動等の外部環境リスクへの対応力が経営課題となる。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 19.1B | 13.1倍 | 0.8倍 | 0.0% | 1,160.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 73.9B | 67.7B | 61.7B |
| 営業利益 | 2.6B | 2.4B | 1.9B |
| 純利益 | 1.5B | 1.4B | 668M |
| EPS | 88.8 | 83.6 | 40.6 |
| BPS | 1,532.6 | 1,406.3 | 1,256.2 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| エステー株式会社 | 0.10% |
| 公益財団法人 大下財団 | 0.08% |
| 株式会社みずほ銀行 | 0.04% |
| 株式会社広島銀行 | 0.03% |
| 大下産業株式会社 | 0.03% |
| 住友化学株式会社 | 0.03% |
| 福山通運株式会社 | 0.02% |
| 大下 一明 | 0.02% |
| 大下 俊明 | 0.02% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.01% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025-11-06 | TDNet | 業績修正 | フマキラー | 2026年3月期第2四半期(中間期)業績予想の修正に関するお知らせ | 1,151 | +0.00% |