株式会社FIXERは、クラウドネイティブなエンタープライズシステム構築に強みを持つクラウドインテグレータである。クラウドインテグレーションを起点に、マネージドサービスやSaaSのサービス展開を進め、生成AI事業へ技術とノウハウを適用し、事業領域を拡大する。
主要事業は、顧客の要件に基づく新規システム開発や既存システム移行を行う「プロジェクト型サービス」、パブリッククラウドやソフトウエアライセンスを販売する「リセール」、Microsoft Azureを中心としたクラウド基盤の設計・構築・24時間365日運用を提供する「マネージドサービス」、そして生成AI「GaiXer」や医療業務支援特化型「GaiXer Medical Agent」を展開する「SaaS」の4つで構成する。
競争優位性(Moat)は、Microsoft Azureに特化した深い技術的知見と強固なパートナーシップに由来する。Microsoft Azureの日本リリース以前の2008年に設立し、2010年の正式開始と同時にエンタープライズシステムのクラウド化事例を複数手掛けてきた。2015年にはMicrosoft Azure Cloud Solution Provider (CSP) Program設立時に国内第1号として認定され(世界26社のうち1社)、2019年にはマネージドサービスパートナー最高位認定「Azure Expert MSP」を取得する。さらに、2021年には世界100カ国・4,400社のパートナーの中からMicrosoft Partner of the Year AwardをCloud Native App Development カテゴリーで日本企業として初受賞した。2025年にはMicrosoft Japan Partner of the Year 2025で「Inclusion Changemaker アワード」を受賞する。これらの実績は、政府・自治体(厚生労働省HER-SYS)や金融機関(北國クラウドバンキング)といった高セキュリティ要件案件への対応力を示し、参入障壁を形成する。マネージドサービスは「ストック型」の契約モデルであり、顧客のシステムライフサイクルを通じた継続的な売上を確保し、顧客ロックイン構造を構築する。アジャイル開発やコードファーストといったクラウドネイティブな開発手法を強みとし、顧客との直接契約による「プライム案件」獲得に注力する。
2008年9月に株式会社FIXERを設立し、2009年11月よりパブリッククラウドの構築・運用事業を開始する。2012年1月にはマネージドサービスcloud.configの提供を開始した。2015年7月にはMicrosoft Azure CSP制度設立時の国内第1号パートナーに認定され、2019年7月にはMicrosoft Azureのマネージドサービスパートナー最高位認定「Azure Expert MSP」を取得する。2019年9月には北國銀行の「北國クラウドバンキング」が稼働開始し、2020年5月には厚生労働省の「HER-SYS」を構築し稼働開始した。2022年10月には東京証券取引所グロース市場に株式を上場。近年では、2023年4月にエンタープライズ向け生成型AIサービス「GaiXer」の提供を開始し、2025年5月には医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービス「GaiXer Medical Agent」の提供を開始した。
FIXERの成長ドライバーは、DX市場、パブリッククラウド市場、生成AI市場の拡大である。政府情報システムにおけるクラウド・バイ・デフォルト原則や医療DX市場の成長性も追い風となる。生成AI事業では、エンタープライズAGIプラットフォーム「GaiXer」や医療業務支援特化型「GaiXer Medical Agent」といった新製品を展開し、今後は「GaiXer Medical Agent」を皮切りに、DXニーズを見込まれる業界での生成AIソリューション開発と提供を推進する。大規模開発案件で培った知見・ノウハウを中小規模開発案件にも活かし、顧客数拡大を図る。M&A戦略として、株式会社デジタルバリューへの共同出資、株式会社メディカルAIソリューションズ設立、株式会社フジタ・イノベーション・キャピタルとの合弁契約締結など、他企業との連携・協業も推進する。人材面では、クラウド・生成AIへの親和性の高い若手エンジニアの育成を継続的に強化しており、2025年8月31日時点の平均年齢は28.3歳である。経営指標として顧客数、GaiXer導入社数(145社)、GaiXer Medical Agent導入病院数(10病院)、売上総利益率、1人当たり売上高(2025年8月期11百万円)を設定し、事業の規模と質の向上を目指す。事業ポートフォリオは、期間の決まっている「フロー」であるプロジェクト型サービスで構築したシステムを、継続的に売上の上がる「ストック」であるリセール及びマネージドサービスで運用し、さらにSaaSで収益を拡大するサイクルを構築する。
2025年8月期(current)の総資産は4,493百万円、純資産は3,807百万円であり、自己資本比率は約84.7%と高い水準を維持する。有利子負債は9百万円と極めて少なく、実質無借金経営である。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,047百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが65百万円であり、潤沢な現金及び現金同等物3,085百万円を保有する。これらの数値は、強固な財務基盤を示す。
提供された情報には、配当および自社株買いに関する具体的な記載はない。
FIXERの事業は、Microsoft Azureへの高い依存度を伴う。Microsoft Azureの市場規模縮小や米国Microsoft Corporation社の経営戦略変更、日本マイクロソフト株式会社との契約解除は事業展開に影響を及ぼす可能性がある。このリスクに対し、FIXERはコンテナ化技術の積極導入による特定のパブリッククラウドへの依存度低減や、AWS等の他パブリッククラウドも活用するマルチクラウド化を推進し、システムとしての堅牢性を強化する。IT業界の急速な技術革新に対応するため、継続的な情報収集、技術蓄積、製品・サービス開発が必須である。競合他社の技術力向上や大手資本の参入による競争激化も想定され、技術サポートや教育サービス等の付加価値提供、構築・運用自動化技術の蓄積による差別化が重要となる。生成AI事業は技術変遷のスピードが早く、事業の流動性が高い。リスクと事業機会の創出を両立するため、病院との連携や財務的な安定性確保のための資金確保等を実施する。中長期的な視点では、自社サービスのグローバル展開も視野に入れる。Microsoft社のGlobal Award受賞によるグローバル市場での認知度向上に加え、Microsoft Azure及びAWSのマーケットプレイスに商材を登録することで、グローバル市場へのリーチ拡大を図る。企業認知度及びクラウドにおける純粋想起率向上に向けた広告展開強化やIR活動活性化も推進する。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 5.3B | — | 1.4倍 | — | 360.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4.0B | 6.5B | 11.0B |
| 営業利益 | -1.7B | 260M | 2.1B |
| 純利益 | -2.1B | 156M | 1.4B |
| EPS | -143.2 | 10.6 | 95.0 |
| BPS | 254.1 | 397.6 | 387.5 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 松岡 清一 | 0.61% |
| 北村 健 | 0.09% |
| 株式会社mam | 0.04% |
| 特定金外信託受託者 株式会社SMBC信託銀行 | 0.04% |
| FIXER従業員持株会 | 0.02% |
| 楽天証券株式会社 | 0.01% |
| 山下 良久 | 0.01% |
| 林 充孝 | 0.01% |
| 株式会社SBI証券 | 0.01% |
| Wing2号成長支援投資事業有限責任組合 | 0.00% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2026-03-09 | Evo Fund | 1.00% | (15.35%) |
| 2026-03-05 | Evo Fund | 1.00% | (18.08%) |
| 2026-01-09 | Evo Fund | 19.08% | +16.08% |
| 2023-12-22 | 松岡 清一 | 65.30% | -- |
| 2023-12-01 | 松岡 清一 | 65.30% | (2.24%) |
| 2023-04-13 | 北村健 | 9.55% | (0.27%) |
| 2023-02-16 | 松岡 清一 | 67.54% | +64.54% |
| 2023-02-16 | 松岡 清一 | 67.54% | -- |
| 2022-10-14 | 松岡 清一 | 67.54% | +64.54% |
| 2022-10-14 | 北村健 | 9.82% | +4.82% |
| 2022-10-12 | 平田 実 | 6.21% | +1.21% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-03-09 | EDINET | 大量保有 | Evo Fund | 大量保有 1.0% | 371 | +0.27% |
| 2026-03-05 | EDINET | 大量保有 | Evo Fund | 大量保有 1.0% | 373 | +2.14% |
| 2026-01-30 | TDNet | M&A | G-FIXER | (開示事項の経過)「話せるメディカル株式会社」の株式取得時期の変更に関するお知らせ | 379 | +0.79% |
| 2026-01-09 | EDINET | 大量保有 | Evo Fund | 大量保有 19.08% | 396 | -6.57% |
| 2026-01-09 | TDNet | MBO・上場廃止 | G-FIXER | 話せるメディカル株式会社の完全子会社化に向けた基本合意に関するお知らせ | 396 | -6.57% |
| 2026-01-09 | TDNet | その他 | G-FIXER | 話せるメディカルの株式追加取得(子会社化)合意に関する補足説明資料 | 396 | -6.57% |
| 2026-01-09 | TDNet | IR | G-FIXER | 2026年8月期第1四半期決算説明資料 | 396 | -6.57% |
| 2026-01-09 | TDNet | 決算 | G-FIXER | 2026年8月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) | 396 | -6.57% |
| 2025-12-29 | TDNet | 資本政策 | G-FIXER | 第三者割当による第3回乃至5回新株予約権(行使価額修正条項)の発行価額の払込完了に関するお知らせ | 405 | -2.72% |
| 2025-12-23 | TDNet | 資本政策 | G-FIXER | (訂正)「第3回乃至5回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行並びに新株予約権の買取契約の締結に関す | — | — |
| 2025-12-12 | TDNet | 資本政策 | G-FIXER | 第3回乃至5回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行並びに新株予約権の買取契約(ターゲット・イシュー | 430 | -5.35% |
| 2025-12-12 | TDNet | その他 | G-FIXER | 資金調達に関する補足説明資料 | 430 | -5.35% |
| 2025-12-12 | TDNet | その他 | G-FIXER | 新たな事業(GaiXer ThinkStation事業)の開始に関するお知らせ~クラウド関連事業と生 | 430 | -5.35% |
| 2025-11-28 | TDNet | その他 | G-FIXER | 支配株主等に関する事項について | 468 | -0.43% |
| 2025-11-28 | TDNet | 事業計画 | G-FIXER | 事業計画及び成長可能性に関する資料 | 468 | -0.43% |
| 2025-10-29 | TDNet | その他 | G-FIXER | 監査等委員会設置会社への移行及び定款の一部変更に関するお知らせ | 441 | -1.81% |
| 2025-10-10 | TDNet | IR | G-FIXER | 2025年8月期 決算説明資料 | 623 | -16.05% |
| 2025-10-10 | TDNet | 特損・減損 | G-FIXER | 固定資産の減損損失の計上に関するお知らせ | 623 | -16.05% |
| 2025-10-10 | TDNet | 決算 | G-FIXER | 2025年8月期通期決算短信〔日本基準〕(連結) | 623 | -16.05% |
| 2025-10-10 | TDNet | 新規事業 | G-FIXER | 話せるメディカル株式会社の資本提携強化に向けた協議開始に関するお知らせ | 623 | -16.05% |