Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

櫻護謨株式会社 (5189)

櫻護謨は消防・防災、航空・宇宙、工業用品、不動産賃貸事業を展開する。航空機用ホース・ゴム部品で「業界唯一の指定工場」として運輸大臣仕様承認を受け、米国企業との技術提携やボーイング社認定で高い技術的優位性と参入障壁を確立する。特許「桜ファイヤーホース」も保有し、安心・安全な社会に不可欠な製品を供給する。金属3Dプリンタ活用や宇宙分野への販売拡大を成長ドライバーとする。不動産賃貸は笹塚ショッピング・モールを運営する。 [創業]1918年 [上場]1964年

1. 事業概要と競争優位性

櫻護謨グループは、当社と連結子会社4社で構成され、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事業、不動産賃貸事業を展開する。

消防・防災事業は、消防ホース、消防用吸管、防災救助資機材、労働安全機器などの製造販売を行う。これらの製品は安心・安全な社会の維持に不可欠であり、1950年には「桜ファイヤーホース」の特許登録を行う。

航空・宇宙、工業用品事業は、航空・宇宙関連部品、金属部品、ダクト、複合材、石油関連ゴム製品、建築土木関連ゴム製品、ゴム製品等製造用金型などを製造販売する。この事業の競争優位性は、航空機用部品分野における長年の実績と技術的優位性にある。1955年には航空機用ホース並びにゴム部品に対する航空事業法による運輸大臣仕様承認書の交付を受け「業界唯一の指定工場」となる。これは規制、許認可、ノウハウ蓄積による高い参入障壁を形成する。1962年以降、米国エスターライン・カークヒル・ラバー社やクレイン・レジストフレックス社(現 パーカーハニフィン・ストラトフレックス社)との技術提携を重ね、航空機用ダクト類、PTFEホース、ダイナチューブ・フィッティング、インフレイタブルシール、ライトウェートラバーホース、民間航空機用シールといった高度な製品の生産技術を確立する。1990年には米国ボーイング社の複合材工程認定に合格し、1999年には品質システム国際規格「ISO9001」の認証を取得する。これらの実績は、技術的優位性、ノウハウ蓄積、顧客ロックイン構造に裏打ちされた競争優位性(Moat)を確立する。

不動産賃貸事業は、笹塚ショッピング・モールの賃貸、運営を行う。これはストック型収益を確保するビジネスモデルである。

2. 沿革ハイライト

櫻護謨は1918年5月に各種ゴム製品製造を目的として設立された。1943年8月には事業目的に航空機部品の製造加工及び販売を追加する。1950年12月には「桜ファイヤーホース」の特許登録を行い、1955年6月には航空機用ホース・ゴム部品で「業界唯一の指定工場」としての地位を確立する。1962年以降、米国企業との技術提携を通じて航空機関連製品の生産を拡大し、1964年3月には東京証券取引所市場第二部に上場する。1972年から1977年にかけて栃木県大田原市に工場を集約し、大田原製作所を竣工した。1978年11月には本社工場跡地に笹塚ショッピング・モールをオープンし、不動産賃貸事業を開始する。1990年1月には米国ボーイング社の複合材工程認定に合格し、1999年2月にはISO9001認証を取得する。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行した。

3. 収益・成長

当社グループは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、「連結売上高経常利益率3%以上の維持」を目標とする経営指標とする。

成長ドライバーとして、消防・防災事業では、多様化する顧客ニーズを取り込む商材の企画開発と提案型営業による販売力強化、生産合理化による収益性向上を目指す。研究開発活動では、生産能力向上を図る製造方法の研究、新ホースの開発、ホース用大口径金具の開発、品質保証体制向上を図る検査方法の研究などを実施する。

航空・宇宙、工業用品事業では、金属3Dプリンタの能力を最大限に活用する設計・生産技術者の育成と製品の宇宙分野への販売拡大、既存製品の製造技術を活かした隣接分野への展開に向けた研究・開発を進める。将来の宇宙分野の需要拡大に向けた量産化をターゲットとした新製造方法の研究、小型軽量エンジン向け金属部品の開発、脱炭素燃料の貯蔵施設用ゴムの研究などを実施する。

不動産賃貸事業では、商業施設のテナントと連携し、地域社会に貢献する営業を継続する。

設備投資に関しては、当連結会計年度に総額464百万円を投下し、主なものとして大田原製作所の能力強化・合理化・更新設備に431百万円、不動産賃貸事業の賃貸用不動産改装工事などに19百万円を充当した。大田原製作所の設備の老朽化が進んでおり、今後、製品供給能力維持に向けた更新投資の増加を想定する。これら投資償却負担は短期的には収益を押下げる要因となる可能性がある。当連結会計年度の研究開発費は254百万円である。

4. 財務健全性

直近の財務状況は、総資産16,589,887千円、純資産9,059,750千円である。現金及び現金同等物は2,974,340千円、有利子負債は3,003,245千円である。

事業等のリスクとして、原材料の価格高騰や入手困難性、製品の欠陥、大規模自然災害、情報セキュリティ、人材確保、知的財産権、固定資産の減損などが経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。特に人材確保は厳しい状況が続いており、事業競争力向上のための採用強化や多様な働き方への対応が課題である。

5. 株主還元

株主還元として配当を実施する。直近3期の年間配当は、当期65.0円、前期90.0円、前々期50.0円である。

6. 注目ポイント

櫻護謨の注目ポイントは、航空機用部品分野における「業界唯一の指定工場」としての地位と、長年の米国企業との技術提携、ボーイング社認定に裏打ちされた高度な技術力と品質保証体制である。これは高い参入障壁と競争優位性(Moat)を形成する。

将来の成長ドライバーとして、金属3Dプリンタの活用による技術革新、宇宙分野への販売拡大、脱炭素燃料貯蔵施設用ゴム製品の研究開発など、新市場・新製品への積極的な取り組みが挙げられる。消防・防災事業は社会インフラを支える安定的な需要を持つ。

一方で、大田原製作所の設備老朽化に伴う更新投資の増加は短期的な収益圧迫要因となる可能性があり、生産効率化や原価構造改善とのバランスが重要となる。原材料の価格高騰や入手困難性、人材確保の厳しさといった外部環境リスクへの対応も継続的な課題である。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W7V1 | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
6.7B 15.1倍 0.7倍 0.0% 3,315.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 12.2B 13.4B 10.7B
営業利益 644M 1.1B 426M
純利益 426M 734M 314M
EPS 220.2 379.1 162.4
BPS 4,682.9 4,508.5 4,012.2

大株主

株主名持株比率
中 村 浩 士0.12%
岩 﨑 哲 也0.12%
梶 原 祐理子0.09%
中 村 一 雄0.06%
中 村 惠美子0.04%
櫻護謨取引先持株会0.03%
㈱りそな銀行0.03%
東京海上日動火災保険㈱0.03%
㈱金陽社0.03%
徳力精工㈱0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2023-06-02中村 惠美子 4.26%(2.21%)
2023-04-14光通信株式会社 3.05%(2.50%)
2023-01-20FMR LLC 3.11%(1.92%)
2022-09-26FMR LLC 5.03%(1.01%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-17TDNetその他桜ゴム固定資産の取得(大田原製作所 新事務棟建設)に関するお知らせ3,160+5.85%
2023-06-02EDINET大量保有中村 惠美子大量保有 4.26%
2023-04-14EDINET大量保有光通信株式会社大量保有 3.05%
2023-01-20EDINET大量保有FMR LLC大量保有 3.11%
2022-09-26EDINET大量保有FMR LLC大量保有 5.03%