Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

太平洋セメント株式会社 (5233)

太平洋セメントはセメント、資源、環境、建材・建築土木を主力事業とし、環太平洋地域でグローバル展開する。セメント製造は大規模設備投資と長年のノウハウ蓄積が参入障壁となる。カーボンニュートラルに向けた革新技術開発と特許網構築を競争優位性とする。国内は新幹線、再開発、国土強靭化、インフラ更新が需要を支え、海外は既存事業強化と新規進出で成長を図る。2025年4月出荷分より価格改定を実施する。 [本社]東京都文京区 [創業]1881年 [上場]1949年

1. 事業概要と競争優位性

太平洋セメントは、セメント、資源、環境、建材・建築土木を主力事業とする企業グループである。当社は子会社201社、関連会社105社で構成され、米国、中国、ベトナム、フィリピン、インドネシア等の環太平洋地域でグローバルに事業を展開する。その他、不動産、エンジニアリング、情報処理、金融、運輸・倉庫、化学製品、スポーツ、電力供給等の事業も営む。

セメント製造は大規模な設備投資を要する装置産業であり、新規参入に対する高い参入障壁を形成する。当社グループは、1881年の創業以来培ってきたセメント製造に関するノウハウと技術蓄積を競争優位性とする。研究開発活動では、カーボンニュートラル実現に向けた革新的なセメント製造技術、CO2回収・有効利用技術の開発、低炭素型混合セメントの製品化検討を推進し、世界最高水準の研究開発力への深化を目指す。知的財産戦略として、カーボンニュートラル推進を支える特許網の構築及び各事業を支える知的資本の拡充に取り組む。国内では、国土強靭化対策、老朽化した社会インフラの更新、災害復興への貢献を通じて、社会インフラを支える基盤産業としての顧客ロックイン構造を構築する。資源事業では石灰石・珪石資源とノウハウを活用した機能性マテリアル(電極材料、中空粒子)の事業化、環境事業では廃棄物再資源化技術の高度化、金属資源回収、リン回収・肥料化、建材・建築土木事業ではインフラ維持管理技術の開発を進める。当社グループは「世界のセメント産業のリーダーとなる」ことを目標に掲げる。

2. 沿革ハイライト

当社は、1998年10月1日、秩父小野田株式会社と日本セメント株式会社の合併により太平洋セメント株式会社として発足した。そのルーツは1881年創業の小野田セメント株式会社に遡る。1949年5月に株式上場を果たす。海外展開は、1990年10月の米国カリフォルニア・ポルトランド・セメント株式会社(現 カルポルトランド株式会社)買収、1995年4月のベトナムにおけるギソンセメントコーポレーション設立等、早期からグローバル化を推進する。近年では、2015年6月の米国オログランデ工場買収、2016年8月の株式会社デイ・シイの完全子会社化、2022年6月の米国レディング工場及び生コンクリート事業用資産買収、2023年4月のデンカ株式会社のセメント販売事業譲受等、M&A戦略を通じて事業領域の拡大と強化を図る。

3. 収益・成長

国内セメント事業では、北海道新幹線札幌延伸工事、都市部大型再開発工事、半導体関連工場の新設工事、リニア中央新幹線関連工事、国土強靭化対策、老朽化した社会インフラの更新など、一定の需要が見込まれる。一方、建設現場の慢性的な人手不足や工事費高騰による再開発工事の延期等により、足元は弱含みの状況が続く。セメント販売価格については、2025年4月出荷分より現行価格+2,000円/トン以上の価格改定を実施しており、販売価格の適正化を進める。米国経済については、堅調な個人消費に加え、インフラ投資法案に基づく公共投資の本格化やロサンゼルスオリンピック関連投資等によって景気拡大が期待される。

成長ドライバーとして、「26中期経営計画」に基づき、「国内事業の再生」「グローバル戦略の更なる推進」「サステナビリティ経営推進とカーボンニュートラルへの貢献」の3つの取り組みを複合的に推進する。国内事業では、収益重視の価格政策見直し、営業体制効率化、混合セメント輸出拡大と国内向け安定供給を前提とした生産体制最適化を図る。グローバル戦略では、米国やフィリピンにおける既存事業の収益基盤強化、未進出エリア・未開拓事業への進出、混合セメント展開や物流ネットワーク強化によるトレーディング事業拡大を目指す。サステナビリティ経営では、2050年サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を目標に掲げ、革新的セメント製造技術確立に向けたモデル工場構想や既存技術を活用した混合セメント化を推進する。また、能登半島における災害廃棄物受入・セメント供給を通じた復興貢献や、防災庁創設による防災対策の重要性再認識に伴う役割増大も想定される。

4. 財務健全性

current期(2025年3月期)の総資産は1,423,695百万円、純資産は676,124百万円である。有利子負債は389,688百万円、現金及び現金同等物は65,339百万円を保有する。当社グループは、有利子負債削減等の取り組みを通じて財務体質の強化を図る。原燃料品代、船運賃等の国際価格変動、為替変動、金利水準変動といったリスクに対しては、必要に応じてデリバティブ取引を利用する等によりリスクを抑制する。当連結会計年度の設備投資額は総額126,474百万円であり、セメント事業に98,309百万円を投じる。

5. 株主還元

株主還元については、current期(2025年3月期)の年間配当金は80.0円である。prior1期(2024年3月期)およびprior2期(2023年3月期)の年間配当金は70.0円であった。current期には6,492,200株の自己株式を保有する。

6. 注目ポイント

当社グループは、2050年をイメージした「2050年のありたい姿」として「世界のセメント産業のリーダーとなる」ことを掲げ、グループの総合力とカーボンニュートラルをはじめとする革新的技術を全世界に展開する方針を示す。2030年をイメージした「太平洋ビジョン2030」では、環太平洋においてグループの総合力を活かしプレゼンスを拡大し、カーボンニュートラル実現とサーキュラーエコノミー実現に貢献する目標を設定する。特に、セメント製造過程で発生するCO2排出量削減に向けた革新技術開発と特許網構築は、将来の競争優位性を確立する上で重要な要素となる。国内の国土強靭化対策や老朽化インフラ更新、災害復興への貢献は、安定的な需要基盤を支える。資源事業における機能性マテリアル事業化や環境事業における新規技術開発は、新たな成長機会を創出する。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W47L | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
406.5B 6.8倍 0.6倍 0.0% 3,439.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 896.3B 886.3B 809.5B
営業利益 77.8B 56.5B 4.5B
純利益 57.4B 43.3B -33.2B
EPS 502.5 371.1 -283.7
BPS 5,758.9 4,872.9 4,228.5

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.18%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.06%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.06%
JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.04%
JP MORGAN CHASE BANK 385864(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.02%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.02%
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.01%
明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)0.01%
株式会社みずほ銀行(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)0.01%
BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2026-03-23ゴールドマン・サックス証券株式会社 5.90%+5.90%
2026-01-14ゴールドマン・サックス証券株式会社 3.86%N/A
2025-10-22ゴールドマン・サックス証券株式会社 5.61%+5.61%
2025-09-19三井住友信託銀行株式会社 4.81%(0.25%)
2025-07-07マラソン・アセット・マネジメント・リミテッド 7.97%+0.48%
2024-12-05三井住友信託銀行株式会社 5.06%+5.06%
2024-09-20三井住友信託銀行株式会社 4.57%(1.03%)
2024-08-07ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 6.60%(0.42%)
2024-05-02マラソン・アセット・マネジメント・リミテッド 7.49%(1.01%)
2024-04-04野村アセットマネジメント株式会社 4.15%(1.08%)
2023-09-07ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 7.02%(0.01%)
2023-08-22ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 7.03%+1.44%
2023-01-18マラソン・アセット・マネジメント・リミテッド 8.50%(1.06%)
2022-10-07株式会社みずほ銀行 0.02%N/A
2022-09-22三井住友信託銀行株式会社 5.60%+0.25%
2022-05-19三井住友信託銀行株式会社 5.35%(0.12%)
2021-11-04マラソン・アセット・マネジメント・リミテッド 9.56%+1.13%
2021-10-22ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 5.59%+2.59%
2021-09-03ネスナ・エルエルピー 0.00%(7.78%)
2021-09-03マラソン・アセット・マネジメント・リミテッド 8.43%+4.43%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-23EDINET大量保有ゴールドマン・サックス証券株式会社大量保有
2026-02-24TDNetその他太平洋セメ当社連結子会社の持分譲渡に関するお知らせ4,575-0.72%
2026-02-24TDNet人事太平洋セメ代表取締役の異動に関するお知らせ4,575-0.72%
2026-01-14EDINET大量保有ゴールドマン・サックス証券株式会社大量保有 3.86%4,150+2.55%
2025-12-25TDNetM&A太平洋セメ(開示事項の変更)米Vulcan社の生コンクリート事業用資産等買収について3,931+0.31%
2025-10-28TDNetM&A太平洋セメ米Vulcan社の生コンクリート事業用資産等買収に関するお知らせ4,187-0.33%
2025-10-22EDINET大量保有ゴールドマン・サックス証券株式会社大量保有 5.61%4,083+2.16%
2025-09-25TDNetM&A太平洋セメパシフィックシステム株式会社株式(証券コード:3847)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ3,925+1.20%
2025-09-19EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 4.81%3,965-1.31%
2025-08-19TDNetその他太平洋セメ譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ3,933-0.97%
2025-07-22TDNetその他太平洋セメ譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ3,642+2.28%
2025-07-07EDINET大量保有マラソン・アセット・マネジメント・リミテ大量保有 7.97%3,628+0.85%
2024-12-05EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 5.06%
2024-09-20EDINET大量保有三井住友信託銀行株式会社大量保有 4.57%
2024-08-07EDINET大量保有ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社大量保有 6.6%
2024-05-02EDINET大量保有マラソン・アセット・マネジメント・リミテ大量保有 7.49%
2024-04-04EDINET大量保有野村アセットマネジメント株式会社大量保有 4.15%
2023-09-07EDINET大量保有ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社大量保有 7.02%
2023-08-22EDINET大量保有ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社大量保有 7.03%
2023-01-18EDINET大量保有マラソン・アセット・マネジメント・リミテ大量保有 8.5%