株式会社Fusicは、クラウド、AI、IoT等の技術を活用し、クライアントのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支援するテクノロジーカンパニーである。事業は「DX事業」の単一セグメントで構成する。
**1. 事業概要と競争優位性**
サービスは「クロステクノロジーサービス」「MSPサービス」「その他サービス」の三つに分類する。
「クロステクノロジーサービス」は、多様なデジタルテクノロジーを横断的に組み合わせ、クライアントの課題解決に最適な技術を提供する。中小型案件中心で、構想策定から運用・内製化支援までワンストップ型で提供し、国内企業の幅広いDXステージを支援する。特定分野・技術に特化せず最適な技術を組み合わせ、データ収集から活用まで一貫して支援する。
「MSPサービス」は、システム及びクラウド環境の保守運用並びにパブリッククラウド(AWS)の再販売を行う。ストック型のビジネスモデルにより、安定的な収益基盤を形成する。
「その他サービス」は、汎用性の高いシステムをSaaS化して提供する「プロダクトサービス」である。多面評価特化型人事評価サービス「360(さんろくまる)」と、学校向け連絡サービス「sigfy(シグフィー)」を展開する。「360」は累計1,000社以上の企業や組織に利用され、評価時のみ利用量が発生する料金体系が特徴である。両プロダクトは情報セキュリティマネジメントシステム認証「ISO/IEC 27001」及び「ISO/IEC 27017」を取得する。
**競争優位性(Moat)**: 同社の強みは、既存技術と新技術を幅広く保有し、それらを融合させて提供できる「技術結合力」にある。これは特定の技術領域に特化した専業ITベンダーにはない同社ならではの強みであり、「開発の機動力・スピード」「柔軟性」「開発コストの適正性」といった価値を顧客に提供する。創業時からのプライム案件、プロセスの内製化、中小型案件での実績蓄積、社員の技術探究支援により、先端技術をいち早く習得し事業化するエコシステムを確立する。AWSのグローバルパートナープログラムにおいて、九州で初の「APNアドバンストコンサルティングパートナー」に認定された実績や、クラウド事業者として初めて衛星リモセン法に基づく「衛星リモートセンシング記録を取り扱う者」の認定取得は、高い技術力と信頼性を示す。MSPサービスのストック型収益モデルとSaaSプロダクトの既存顧客基盤は、顧客のスイッチングコストを高め、安定的な収益源となる。これらの技術的優位性、ノウハウ蓄積、顧客ロックイン構造は高い参入障壁を形成する。「360」は累計1,000社以上、「sigfy」は全国の教育機関で利用され、ニッチ市場での実績を築く。
**2. 沿革ハイライト**
2003年10月、株式会社Fusicを設立する。2009年2月、「360度評価支援システム」(現「360」)をリリースする。2013年11月、AWS「APNアドバンストコンサルティングパートナー」に九州で初めて認定される。2017年3月、連絡サービス「sigfy」をリリースする。2019年7月、クラウド事業者として初めて衛星リモセン法に基づく「衛星リモートセンシング記録を取り扱う者」の認定を取得する。2023年3月、東京証券取引所グロース市場及び福岡証券取引所Q-Boardに同時上場する。
**3. 収益・成長**
同社は、DX市場全体の拡大を主要な成長ドライバーと捉える。国内企業の9割以上がDX未着手または途上であり、大きな潜在市場が存在する。生成AIやAIエージェントの進化・普及は、AI活用ビジネスの広がりとクラウドインフラ需要の拡大を促進する。国内パブリッククラウドサービス市場は、2024年の4兆1,423億円から2029年には約2.1倍となる8兆8,164億円へ拡大すると予測される。
また、同社が注力する宇宙産業は、国家主導から民間主導への転換期を迎え、ソフトウェアを中心とした産業領域が拡大しており、マーケットリーダーとしての地位確立を目指す。HRTech市場では人的資本経営の重要性高まりを背景に「360」のシェア拡大と用途開発による市場拡大を図り、教育ICT市場では教育現場の働き方改革推進を背景に「sigfy」のシェア拡大を目指す。
中長期的な高成長実現のため、同社はAI-Nativeな開発プロセスへの全面移行と大幅な人員拡充、宇宙産業関連ソフトウェア市場でのプレゼンス向上、教育・人材関連プロダクトの再構築、そして積極的なM&Aの実施を重点テーマとする。M&A戦略としては、同業企業に対するロールアップ型M&Aによる事業規模拡大を軸に、九州エリアの非テクノロジー企業M&Aを通じた新市場・異業種進出を図る。同社は売上高成長率及び営業利益成長率を重視し、これらを高めるための指標として、エンジニア一人当たり売上高、顧客平均単価、取引顧客数の3つの指標も重視する。
**4. 財務健全性**
同社の財務状況は健全性を維持する。直近の財務データ(current期)では、現金及び現金同等物が785,172千円、有利子負債は0千円である。総資産1,569,831千円に対し、純資産は1,136,655千円と高い水準を保つ。営業キャッシュフローは134,959千円(current期)と増加傾向にあり、事業活動による安定した資金創出能力を示す。投資キャッシュフローは32,061千円(current期)であり、将来の成長に向けた投資を継続する。同社は、優秀な人材の採用・育成、事業開発・研究開発活動、M&Aなど将来の事業拡大に向けた投資資金需要に対応するため、健全な財務運営を図る方針である。
**5. 株主還元**
提供された財務データには、年間配当金の記載はない。
**6. 注目ポイント**
同社は、国内企業のDX推進の遅れとパブリッククラウド市場の急成長というマクロトレンドを背景に、独自の「技術結合力」と先端技術をいち早く事業化するエコシステムを競争優位性として確立する。MSPサービスやSaaSプロダクトによるストック型収益基盤は、安定的な収益確保に貢献する。生成AIの進化に対応したAI-Native開発への全面移行、宇宙産業関連ソフトウェア市場への積極的なアプローチ、M&A戦略による事業ポートフォリオの多様化は、中長期的な成長ドライバーとして注目される。高い財務健全性を維持しつつ、成長投資を継続する姿勢は、今後の企業価値向上に寄与する。
[本社]福岡県福岡市 [創業]2003年 [上場]2023年
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 3.5B | 5,579.6倍 | 3.0倍 | 0.0% | 2,734.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.8B | 2.4B | 2.0B |
| 営業利益 | 130M | 9M | 271M |
| 純利益 | 95M | 17M | 194M |
| EPS | 75.6 | 13.5 | 152.2 |
| BPS | — | — | 899.1 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 納富 貞嘉 | 0.23% |
| 濱﨑 陽一郎 | 0.23% |
| NSMC株式会社 | 0.11% |
| HSMC株式会社 | 0.11% |
| 楽天証券株式会社 | 0.02% |
| 株式会社SBI証券 | 0.02% |
| 株式会社フィックスターズ | 0.01% |
| 五味 大輔 | 0.01% |
| 新田 寛之 | 0.01% |
| Fusic社員持株会 | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2025-11-26 | 納富 貞嘉 | 31.69 | |
| 2025-11-26 | 濱﨑 陽一郎 | 31.69 | |
| 2024-11-28 | 濱﨑 陽一郎 | 33.31 | |
| 2024-05-20 | 濱﨑 陽一郎 | 33.5 | |
| 2024-05-20 | 納富 貞嘉 | 33.5 | |
| 2024-05-20 | 濱﨑 陽一郎 | 33.5 | |
| 2024-05-20 | 納富 貞嘉 | 33.5 | |
| 2023-04-06 | 納富 貞嘉 | 35.42 | |
| 2023-04-06 | 濱﨑 陽一郎 | 35.42 |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025-12-01 | TDNet | (開示事項の経過)株式会社天郷醸造所の株式の取得(関連会社化)完了のお知らせ | — | — | ||
| 2025-11-26 | TDNet | Holding change by 納富 貞嘉 | — | — | ||
| 2025-11-26 | TDNet | Holding change by 濱﨑 陽一郎 | — | — | ||
| 2025-11-14 | TDNet | 株式会社天郷醸造所の株式の取得(関連会社化)に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-11-12 | TDNet | 2026年6月期第1四半期決算補足説明資料 | — | — | ||
| 2025-11-12 | TDNet | 2026年6月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-11-12 | TDNet | earnings: 2026年6月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-10-24 | TDNet | buyback: 業績条件型譲渡制限付株式としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-10-24 | TDNet | 業績条件型譲渡制限付株式としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-10-07 | TDNet | Fusic、株主総会後に事業説明会を開催~成長戦略・AI活用・新体制紹介を通じてFusicの強みを改 | — | — | ||
| 2025-09-25 | TDNet | 業績条件型譲渡制限付株式としての自己株式の処分に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-09-25 | TDNet | buyback: 業績条件型譲渡制限付株式としての自己株式の処分に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-08-22 | TDNet | 社外取締役の報酬額の改定及び社外取締役に対する業績条件型譲渡制限付株式報酬制度の導入に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-08-22 | TDNet | 取締役候補者の選任に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-08-12 | TDNet | 2025年6月期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-08-12 | TDNet | 2025年6月期通期決算補足説明資料(事業計画及び成長可能性に関する事項) | — | — | ||
| 2025-08-12 | TDNet | earnings: 2025年6月期決算短信〔日本基準〕(非連結) | — | — | ||
| 2025-07-18 | TDNet | 自己株式の取得状況および取引終了に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-07-18 | TDNet | buyback: 自己株式の取得状況および取引終了に関するお知らせ | — | — | ||
| 2025-05-30 | TDNet | buyback: 自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ | — | — |