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日本精線株式会社 (5659)

日本精線はステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン®)の製造販売を主力とする。長年培った「Micro & Fine Technology」を競争優位性とし、ステンレス鋼線のトップメーカーとして、独自技術によるシェアナンバーワン・オンリーワン製品群を展開する。単線9μmの極細線や独自開発の金属繊維ナスロン®、半導体向け超精密ガスフィルター(NASclean®)などで高付加価値を提供。医療・精密電子機器・再生可能エネルギー・半導体等のサステナビリティ成長分野に貢献する。原材料価格変動は販売価格変更やサーチャージ制度で対応する。 [本社]大阪府大阪市中央区 [創業]1951年 [上場]1962年

1. 事業概要と競争優位性

日本精線グループは、当社、親会社である大同特殊鋼株式会社、および国内外の子会社5社で構成され、ステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン®)の製造販売を主力事業とする。伸線加工事業でステンレス鋼線とダイヤモンド工具を、金属繊維事業でナスロン®およびその応用製品である超精密ガスフィルター(NASclean®)を製造販売する。

競争優位性は、長年培った「Micro & Fine Technology」を基盤とする技術力と、次世代素材・技術開発をリードする姿勢にあり、「ステンレス鋼線のトップメーカー」としての地位を確立する。独自開発技術による「シェアナンバーワンやオンリーワンの製品群」を多数保有し、顧客製品に高い付加価値をもたらす。具体的には、高強度・高耐熱・超非磁性などのオーダーメイドばね用材は、医療関連、精密電子機器、次世代水素社会を支える。極細線は、単線としてステンレス鋼線の極限の細さである9μmを実現し、太陽光発電パネルや電子部品の製造プロセスに不可欠なスクリーン印刷用途で用いられる。独自開発の金属繊維ナスロン®は線径1~50μmで、高機能メタルフィルターとしてフィルムや樹脂、炭素繊維などの製造濾過プロセスに利用される。ナスロン®を基にした超精密ガスフィルターNASclean®は、半導体・フラットパネルディスプレイ・太陽電池パネル等の生産過程におけるガス濾過に用いられ、半導体製造装置に組み込まれる。社会のデジタル化に伴い、NASclean®の需要は高まる。同社は「圧倒的な競争力を備え、競合他社が追随できない領域」を目指し、コア技術を活かした高機能・独自製品の創出に注力する。ビジネスモデルの質として、原材料価格変動リスクに対し、販売価格変更や契約に基づくサーチャージ制度を導入し、その影響を限定的にする。ISO9001規格の全社認証、ISO14001規格の枚方工場認証を取得する。

2. 沿革ハイライト

1951年6月、三信特殊線工業株式会社として設立され、1956年10月に日本精線株式会社へ商号を変更する。1962年3月、東京・大阪両証券取引所市場第二部に株式を上場し、1996年9月には市場第一部銘柄に指定された。海外展開は1988年5月のタイ現地法人THAI SEISEN CO.,LTD.設立を皮切りに、2006年5月には中国に耐素龍精密濾機(常熟)有限公司、2008年9月には韓国に韓国ナスロン株式会社を設立し、グローバルな生産・販売体制を構築する。2005年9月には大同特殊鋼株式会社が筆頭株主となり、同社グループの一員となる。2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、プライム市場へ移行する。

3. 収益・成長

同社グループは、環境・エネルギーのクリーン化、デジタル化が進む産業構造において、ステンレス分野への期待が高まる中、「より細く、より強く、より精密な」ニーズに対応する。2024年4月より中期経営計画「NSG26」(最終年度2027年3月期)をスタートさせ、「サステナビリティ成長分野へ高機能・独自製品の開発・拡販と企業価値向上により持続的成長を図る」をスローガンに掲げる。主要な成長ドライバーは、サステナビリティ成長分野(再生可能エネルギー、医療、IoT/AI、自動車CASE)への高機能・独自製品の開発深化である。再生可能エネルギー向けには、太陽光発電パネルの発電効率向上に寄与する極細線(9μm量産化、8μm量産化を目指す)の能力増強投資を推進する。IoT/AI分野では、半導体・デジタルデバイス製造プロセスに不可欠な超精密ガスフィルターの機能向上と供給能力アップ、半導体検査装置向け超高強度極細ばね用材の提供を通じてデジタル社会のイノベーションに貢献する。2050年カーボンニュートラルを見据え、有機ハイドライド(MCH)による水素貯蔵回収小型プラント実証実験など、水素関連技術の研究開発を深化させる。将来の人材不足に対応する設備の省人化・自動化、極細線の細径化や受注拡大に対応した能力増強、ワールドワイドの拡販を意識した海外拠点の機能拡大に向けた設備投資により生産基盤を強化し、生産性向上を図る。ステンレス鋼線では超高強度ばね材、高精度スクリーン用極細線、医療用ステンレス鋼線など、金属繊維では半導体プロセスガス用小型精製器、高耐食低圧損フィルターなど、多岐にわたる新製品・新技術開発を継続する。

4. 財務健全性

同社グループは、強固な財務基盤を維持する。中期経営計画「NSG26」では連結ROE8%以上を目標とし、資本コストや株価を意識した経営を推進する。事業リスクとして、気候変動、感染症、サイバー攻撃、外部環境変化(先端技術分野への依存、通商政策、原材料価格高騰、代替品開発)、安全・品質問題などを認識する。これらに対し、サステナビリティ委員会や経営会議でリスク評価と対策(BCP見直し、ITセキュリティ強化、製品ポートフォリオ充実、サーチャージ制度、品質管理強化など)を講じる。

5. 株主還元

中期経営計画「NSG26」において、連結配当性向50%程度を目標とする。

6. 注目ポイント

サステナビリティ経営: TCFD提言への賛同を表明し、気候変動に係るリスクと機会の特定、シナリオ分析による戦略のレジリエンス検証を行う。2030年CO2排出量30%削減(2013年度比)、2050年カーボンニュートラルを目標に掲げる。CDP気候変動質問書で3年連続「B」評価、水セキュリティ質問書で「B」評価を取得する。統合報告書を発刊する。コーポレート・ガバナンス強化: プライム市場上場企業として、独立社外取締役3名体制(将来的に過半数となる4名体制を予定)を構築し、ガバナンス体制を強化する。支配株主と少数株主の利益が相反する取引について審議・検討を行う特別委員会を設置する。人的資本への投資: 6年連続「健康経営優良法人」認定、初の「ホワイト500」認定、「健康経営銘柄2025」選定など、健康経営を推進する。多能工化やスキルマトリクス評価による人的資本の質の向上にも取り組む。知的財産の活用・拡張: コア技術を活かした高機能・独自製品の創出に加え、水素関連などのサステナビリティ成長分野に対する中長期視点での研究開発を推進する。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W0AF | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
39.1B 11.8倍 0.9倍 0.0% 1,252.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 46.7B 44.7B 49.1B
営業利益 4.6B 3.5B 4.2B
純利益 3.2B 2.6B 3.1B
EPS 106.0 84.5 100.7
BPS 1,343.5 1,268.0 1,208.1

大株主

株主名持株比率
大同特殊鋼株式会社0.50%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社0.08%
前尾吉信0.02%
株式会社日本カストディ銀行0.02%
特殊発條興業株式会社0.01%
ASADA株式会社0.01%
日本精線共栄会0.01%
日本精線従業員持株会0.01%
株式会社SBI証券0.01%
DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2022-02-07株式会社みずほ銀行 0.02%N/A
2022-02-04野村證券株式会社 2.53%(2.96%)
2022-01-21野村證券株式会社 5.49%+5.49%
2022-01-19大同特殊鋼株式会社 48.18%+7.65%
2021-05-11三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 3.99%(1.13%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-01-28TDNet決算日精線2026年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)1,183+6.00%
2025-10-29TDNet決算日精線2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信[日本基準](連結)1,080+1.76%
2025-06-27TDNet人事日精線社外取締役および社外監査役との責任限定契約締結に関するお知らせ1,075-0.56%
2022-02-07EDINET大量保有株式会社みずほ銀行大量保有 0.02%
2022-02-04EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 2.53%
2022-01-21EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.49%
2022-01-19EDINET大量保有大同特殊鋼株式会社大量保有 48.18%
2021-05-11EDINET大量保有三井住友トラスト・アセットマネジメント株大量保有 3.99%