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神鋼鋼線工業株式会社 (5660)

神鋼鋼線工業は、PC鋼線、ワイヤロープ、架設・緊張用部材等の特殊鋼線関連、鋼索関連、エンジニアリング関連製品を製造販売する。神戸製鋼所からの分離独立で培った技術とノウハウ、デミング賞受賞・ISO認証による品質が競争優位性。高強度・高機能製品、新エネルギー分野向け、長寿命・メンテナンスフリー製品、耐震ケーブルブレース等の開発で市場ニーズに対応。公共事業減少や自動車EV化に対応し、防災・減災、インフラメンテナンス向け高付加価値製品で需要開拓を図る。 [本社]兵庫県尼崎市 [創業]1917年 [上場]1962年

1. 事業概要と競争優位性

神鋼鋼線工業グループは、特殊鋼線関連事業、鋼索関連事業、エンジニアリング関連事業、その他(不動産賃貸等)を展開する。特殊鋼線関連事業ではPC関連製品(PC鋼線、PC鋼より線等)やばね・特殊線関連製品(ばね用鋼線、ステンレス鋼線等)を、鋼索関連事業ではワイヤロープ製品(一般ロープ、特殊ロープ等)を、エンジニアリング関連事業では架設・緊張用部材及び機器等を製造販売する。主要原材料は親会社である株式会社神戸製鋼所から商社を通じて購入し、一部工程は子会社に委託する。

競争優位性は、1917年設立を源流とし、1954年に神戸製鋼所から分離独立した歴史の中で培われた特殊鋼線・ワイヤロープに関する長年の技術とノウハウである。1967年のデミング賞実施賞受賞やISO9001認証取得(ロープ事業部1997年、鋼線事業部2000年)は、厳格な品質管理体制と製品信頼性を示す。開発センターと事業部門が連携し、新製品開発や現製品改良を行う。新事業企画開発部と連携し、多様化・高度化する顧客ニーズを捉え、新たな市場・用途の掘り起こし、環境負荷低減(SDGs・カーボンニュートラル)を考慮したテーマ設定を行う。研究開発では、特殊鋼線関連事業で高強度化・高品質化、高機能製品開発を、鋼索関連事業で高機能製品開発や機能付加製品、SDGs・カーボンニュートラル対応製品開発を、エンジニアリング関連事業で防災関連分野の耐震ケーブルブレース等の新製品普及、橋梁・建築物の維持・メンテナンス分野での補修・モニタリング技術開発を進める。これらの技術的優位性は、高付加価値製品の提供を可能にする。

参入障壁として、長年の事業活動で蓄積された特定の技術とノウハウ、実績に基づく顧客からの信頼、親会社からの安定的な原材料調達網、厳格な品質管理体制が挙げられる。特に土木・建築分野のインフラ関連製品は、安全性と信頼性が極めて重視されるため、実績と認証が不可欠である。

2. 沿革ハイライト

1917年12月、乾鉄線株式会社として設立する。1954年3月、株式会社神戸製鋼所より分離し、神鋼鋼線鋼索株式会社として発足する。1962年8月、大阪証券取引所市場第二部へ株式上場する。1967年11月、デミング賞実施賞を受賞する。1971年4月、株式会社朝日製綱所と合併し、神鋼鋼線工業株式会社に商号変更する。1993年3月、東京証券取引所市場第二部へ株式上場する。2022年4月、東京証券取引所の市場区分の見直しによりスタンダード市場へ移行する。子会社の設立や吸収合併を通じて事業再編と強化を図ってきた。

3. 収益・成長

成長ドライバーとして、事業環境変化に対応した高付加価値製品へのシフトを推進する。公共事業分野の新設工事発注数減少や自動車分野のガソリン車から新エネルギー車への移行による需要減少が見込まれる一方、建設関連分野における物流施設等の需要増加、労働力不足問題等に貢献する長寿命製品や労務負担軽減・作業効率を重視した製品等の高付加価値製品の需要増を捉える。橋梁分野では複数の大型ケーブル橋案件、メンテナンス分野では既設ケーブル橋の点検・補修需要の増加、耐震防災分野では自然災害に備えた建築物の耐震補強ニーズの高まり等、様々な分野において需要が高まると想定する。新エネルギー分野を始めとした新たな需要開拓や新事業育成、防災・減災と強靭化向けを始めとしたサステナビリティ貢献製品・サービスの拡大を重点課題とする。

ビジネスモデルは製造販売が中心である。諸コストの上昇に対し、販売価格改定を強化し、安定収益基盤の確立を目指す。中期経営計画「Next Innovation 2026」のもと、“環境変化に適応し、持続的に成長できる企業基盤の構築”を目指し、ROIC5%以上、経常利益21億円以上を継続できる安定収益基盤の確立に向けた各種施策に取り組む。2024年度実績はROIC2.9%、経常利益12億円である。

4. 財務健全性

2025年3月期連結会計年度末現在、総資産は440億81百万円、純資産は240億22百万円である。現金及び現金同等物は33億30百万円に対し、有利子負債は103億70百万円である。自己資本比率は約54.5%であり、財務基盤は比較的安定している。

5. 株主還元

年間配当は、2023年3月期45.0円、2024年3月期50.0円、2025年3月期60.0円と増加傾向にある。

6. 注目ポイント

公共事業減少や自動車のEV化といった構造変化に対し、高付加価値製品、サステナビリティ貢献製品(防災・減災、長寿命化、新エネルギー分野向け)への事業転換と需要開拓の進捗に注目する。原材料価格高騰や労働力不足といった外部環境リスクに対する価格転嫁と生産性向上の取り組みも重要である。中期経営計画「Next Innovation 2026」で掲げるROIC5%以上、経常利益21億円以上の目標達成に向けた施策の実行状況、および長年の技術とノウハウを活かした研究開発による新たな市場・用途の開拓能力が今後の成長を左右する。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W371 | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
8.6B 8.3倍 0.4倍 0.0% 1,461.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 34.3B 32.7B 31.3B
営業利益 1.2B 1.0B 938M
純利益 1.0B 906M 832M
EPS 175.0 153.3 140.9
BPS 4,064.7 3,863.0 3,673.6

大株主

株主名持株比率
株式会社神戸製鋼所0.43%
神鋼鋼線取引先持株会0.05%
神鋼鋼線従業員持株会0.03%
㈱みずほ銀行0.03%
マザ ススム0.02%
日本生命保険相互会社0.02%
神鋼商事株式会社0.02%
三井物産スチール株式会社0.01%
みずほ信託銀行株式会社0.01%
丸山 三千夫0.01%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-10TDNet人事神鋼鋼線役員人事等について1,439+2.36%
2025-06-25TDNetその他神鋼鋼線支配株主等に関する事項について1,376-1.16%