アサカ理研グループは、株式会社アサカ理研と連結子会社アサカ弘運株式会社で構成される。主たる事業は、電子部品屑等から貴金属を回収する貴金属事業、エッチング廃液を再生し銅を回収する環境事業、各種計測データ処理システム等の開発・販売を行うシステム事業である。アサカ弘運は貴金属事業及び環境事業の運搬業務を担う。
貴金属事業は、プリント基板メーカー等から集荷した都市鉱山から金、銀、白金、パラジウム等の貴金属を当社独自の技術で分離・回収し、返却または販売する。当社開発の「ハイエクト装置」による溶媒抽出法は技術的優位性を持つ。真空成膜用装置の治具洗浄・機能再生、一次電池からのリチウム回収・販売も行う。環境事業は、プリント配線基板メーカーの使用済み塩化第二鉄廃液を引き取り、新液として再生し、副産物である銅を回収・販売する。再生液は凝集剤や還元剤としても販売し、資源循環に貢献する。システム事業は、生産・検査現場の合理化・省力化を実現する品質管理ソリューションを提供する。
競争優位性は、独自の金属・無機薬品リサイクル技術の蓄積にあり、2012年度「知財功労賞」特許庁長官表彰(特許活用優良企業)を受賞する。ISO9001、ISO14001認証、紛争鉱物不使用の金製錬所としてのCFS(現:RMAP)認証取得により、技術力と信頼性を示す。参入障壁として、化学薬品を多用する事業特性から化学物質排出把握管理促進法や廃棄物処理法等の厳格な法令遵守が求められ、規制強化は追加的負担を伴う。当連結会計年度の設備投資総額は1,618,656千円、特に貴金属事業(LiB再生事業含む)への投資は1,460,709千円に上り、大規模な設備投資も参入障壁を形成する。ビジネスモデルの質として、金属相場変動リスクに対し、仕入と同時に販売先と販売価格を約定する「先渡取引」や加工賃取引を活用し、収益源の安定化を図る。
1969年8月、福島県郡山市にアサカ理研工業株式会社を設立し、塩化第二鉄液製造とプリント基板屑・廃液からの銅粉回収を開始する。1971年10月、金の回収技術を開発し貴金属回収事業に参入した。2008年11月、ジャスダック証券取引所に株式を上場した。2012年4月、「知財功労賞」特許庁長官表彰を受賞する。2019年5月、リチウムイオンバッテリー(LiB)再生事業に参入し、2025年5月には2028年4月の事業開始を取締役会で決議する。
売上高は2023年9月期8,285,656千円、2024年9月期7,967,841千円、2025年9月期8,685,989千円で推移する。営業利益は2024年9月期293,586千円から2025年9月期492,944千円へ増加した。純利益は2023年9月期307,327千円、2024年9月期371,674千円、2025年9月期300,240千円である。
成長ドライバーは、環境保全意識の高まりと希少資源の重要性増大による資源リサイクル市場の拡大である。新規事業のLiB再生事業は、世界中で需要が高まる車載用リチウムイオン電池のリサイクル市場をターゲットとし、独自技術開発と電池メーカーとの提携を進め、2028年4月の量産工場稼働による早期収益化に注力する。電子部品・デバイスメーカーにおける自動車関連部品や生成AI関連投資分野での需要拡大も、貴金属事業の追い風となる。研究開発活動では、レアメタル分離精製技術、高純度化、回収率向上に関するテーマに重点的に取り組み、当連結会計年度の研究開発費は710,340千円である。
総資産は2023年9月期8,348,738千円から2025年9月期13,806,370千円へ増加した。純資産は2023年9月期4,255,929千円から2025年9月期4,925,747千円へ増加する。有利子負債は2023年9月期0千円から2025年9月期5,506,606千円へ大幅に増加し、総資産に対する依存度は2025年9月末日時点で40.72%と高い。営業活動によるキャッシュ・フローは2024年9月期799,943千円、2025年9月期409,988千円である。
財務リスクとして、有利子負債増加に伴う金利変動リスク、および一部ローン契約に付される財務制限条項が挙げられる。金利変動リスクに対しては、長期借入金を原則固定金利または金利スワップ等で固定化する。財務制限条項については、随時モニタリングを行い、財務状況の改善と金融機関との良好な関係維持に努める。特定の取引先への仕入依存度が高い状況が続くが、新規取引先獲得とLiB再生事業等の新規事業創出により収益基盤の多角化を図り、依存度低減を目指す。
年間配当金は、2023年9月期8.0円、2024年9月期8.0円、2025年9月期12.0円と推移する。一株当たり当期純利益(EPS)は2023年9月期61.27円、2024年9月期74.16円、2025年9月期59.77円である。一株当たり純資産(BPS)は2023年9月期841.01円、2024年9月期919.20円、2025年9月期972.02円と増加傾向にある。当社グループは、株主資本コストを上回るROEおよびROICの継続的達成を重要な指標とし、LiB再生事業による収益安定化を通じて、段階的なROEおよびROICの向上を見込む。
今後の注目ポイントは、LiB再生事業の進捗と2028年4月稼働後の早期収益化の実現である。電子部品・デバイス業界における自動車関連部品や生成AI関連投資分野での需要拡大が貴金属事業の収益に与える影響も注視する。貴金属相場の変動リスクに対する「先渡取引」や「加工賃取引」といったリスクヘッジ策の有効性も継続的に評価する必要がある。研究開発活動への積極的な投資が、将来の競争優位性強化と新たな成長ドライバー創出にどう繋がるか、その成果が期待される。高水準の有利子負債依存度を背景に、財務健全性の維持と資本効率の向上が経営課題となる。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 19.0B | 61.9倍 | 3.8倍 | 0.0% | 3,700.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8.7B | 8.0B | 8.3B |
| 営業利益 | 493M | 294M | 395M |
| 純利益 | 300M | 372M | 307M |
| EPS | 59.8 | 74.2 | 61.3 |
| BPS | 972.0 | 919.2 | 841.0 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社モラル・コーポレーション | 0.42% |
| 白岩 政一 | 0.04% |
| 株式会社常陽銀行 (常任代理人  日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | 0.04% |
| 株式会社東邦銀行 (常任代理人  日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | 0.03% |
| 日本生命保険相互会社 (常任代理人  日本マスタートラスト 信託銀行株式会社) | 0.03% |
| 東京中小企業投資育成株式会社 | 0.02% |
| アサカ理研社員持株会 | 0.01% |
| モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 | 0.01% |
| 佐藤 恵美子 | 0.01% |
| 株式会社SBI証券 | 0.01% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-01-23 | TDNet | その他 | アサカ理研 | 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ | 4,020 | -0.50% |
| 2025-12-24 | TDNet | 人事 | アサカ理研 | 社外取締役との責任限定契約締結に関するお知らせ | 2,330 | -1.29% |
| 2025-12-24 | TDNet | その他 | アサカ理研 | 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ | 2,330 | -1.29% |
| 2025-12-24 | TDNet | 人事 | アサカ理研 | 役員人事に関するお知らせ | 2,330 | -1.29% |
| 2025-12-09 | TDNet | その他 | アサカ理研 | ふくしま産業活性化企業立地促進補助金の採択に関するお知らせ | 2,335 | -4.20% |
| 2025-11-21 | TDNet | IR | アサカ理研 | 2025年9月期 決算説明会 | 2,332 | +11.36% |