Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

日本電解株式会社 (5759)

日本電解は、電子機器回路基板やLIB負極集電体向け電解銅箔を製造する。独自の機械特性・表面処理技術を競争優位性とし、高強度・高伸び率、安定剥離強度、相反特性両立など、マイクロメートル単位で高品質な製品を提供。車載電池用銅箔は日系大手LIBメーカー、回路基板用銅箔は日米大手CCLメーカーへ販路を持つ。xEV市場の年平均11.8%成長予測や5G・高速通信、自動運転技術の進展が成長ドライバー。継続企業の前提に疑義があるが、高付加価値分野シフト、技術力強化、コスト低減で収益改善を図る。 [本社]茨城県筑西市 [創業]1958年 [上場]2021年

**1. 事業概要と競争優位性**

日本電解は、硫酸銅を主成分とする電解液から電気分解により金属銅を薄膜状に析出生成・加工する電解銅箔製造事業を営む。単一セグメント事業である。電解銅箔は、電子・電気機器の回路基板導体、及び電気自動車等で使用されるリチウムイオン二次電池(LIB)の負極集電体に用いられる重要な素材である。

製造工程はベース箔製造、粗化・表面処理、スリット・検査、出荷に分かれる。資源リサイクル銅材料を主原料とし、24時間連続操業により規定通りの長さの製品を安定生産する。マイクロメートル単位の品質管理、防塵管理を実施する。

競争優位性は、銅箔の機械特性や表面処理に関する独自技術にあり、これが最大の差別化要因である。車載電池用銅箔、微細回路基板用銅箔は、一般銅箔の1.5倍以上(550N/㎟)の引張強さを持ち、再結晶化後に一般銅箔の2倍以上(12um箔で20%程度)の高い伸び率を示す。この特性により、顧客加工工程での不具合抑制、充放電時の破断耐性、フレキシブル配線板での屈曲・折り曲げ特性を実現する。高強度銅箔は一般銅箔の約2倍(600N/㎟)の引張強さを有し、200℃でも高い引張強さを維持する。キャリア付極薄銅箔は、剥離層形成から極薄銅層形成の全てをめっき法で形成し、有機系成分を含まず200℃を超える温度でも安定した剥離強度を持つ。回路基板用銅箔においては、電気信号損失抑制のための表面粗さの低さと樹脂基材との密着性向上のための一定の表面粗さという相反する特性を両立する。これらの高度なプロセス技術とノウハウ蓄積が参入障壁となる。

販路は、車載電池用銅箔が日系大手車載用LIBメーカーを通じて大手EVメーカーへ、回路基板用銅箔(高強度銅箔、微細回路基板用銅箔、キャリア付極薄銅箔)が5G関連製品の高機能電解銅箔として日米大手銅張積層板メーカーを通じて5Gスマートフォンや5G基地局の実装OEMメーカーへ、汎用箔が米国内大手銅張積層板メーカー等へ広がる。

ビジネスモデルの質として、銅材料価格の変動リスクに対し「銅価スライド制」を導入するが、価格反映に数か月程度のタイムラグがあり、リスクが完全に回避されるわけではない。電力料金高騰も製造コスト上昇につながる。特定の販売先(パナソニックグループ約5割強)への依存リスクが存在する。

**2. 沿革ハイライト**

1958年10月、旧日本電解が電子回路基板用銅箔製造を目的として設立された。1967年5月には「ニッケル、鉄及びモリブデン三元合金メッキ方法」に係る特許を取得する。1998年6月に電池用銅箔(現・車載電池用銅箔)の販売を開始し、2012年11月には高強度銅箔の販売を開始した。2019年10月、現商号である日本電解株式会社に変更。2020年3月には北米における製造販売拠点としてDenkai America Inc.を完全子会社化し、2021年6月に東京証券取引所マザーズ市場(現・グロース市場)に株式を上場した。2023年5月、Denkai America Inc.Camden工場内に車載電池用銅箔製造ラインを竣工。2024年1月にはLCY Technology Corporation及びLee Chang Yung Group International Pte. Ltd.と業務提携契約を、同年6月にはテックス・テクノロジー株式会社と資本業務提携契約を締結した。

**3. 収益・成長**

市場環境は、世界的なカーボンニュートラル導入・強化の動きが後押しとなり、xEV(電動自動車)市場が拡大する。LIBの負極集電体には電解銅箔が使用され、全世界におけるxEVの需要拡大は減速傾向が見られるものの、車載電池用銅箔の需要は2022年から2035年にかけて世界市場年平均11.8%の成長が予測される。次世代LIB(全固体電池等)の技術開発も加速する。回路基板用市場では、5Gに代表される高速通信や高周波HDIのニーズが高まり、電子機器の高性能化、5Gへのシフトが急速に進む。自動運転技術やADASの普及も高機能回路基板の更なる需要を牽引する。

成長ドライバーとして、高付加価値分野へのシフトを掲げ、高性能車載電池用銅箔や高速通信分野をターゲットにした高周波基板用銅箔に注力し、収益性の高い製品の販売比率向上を目指す。技術力の更なる強化として、プロセス技術開発を通じた製品の更なる品質向上や生産効率改善によるコスト競争力確保に努める。また、並行して、今後の市場ニーズに適合する製品の開発も推進する。車載電池用銅箔においては、先進LIBや全固体電池等の次世代LIBの要求特性に適合した機械特性や表面処理に特徴を有する製品の開発及び市場投入、回路基板用銅箔においては、高速通信や高密度実装領域をターゲットとした製品の開発及び市場投入を継続的に進める。特に、次世代の高速通信(6G等)に対応した銅箔の要素技術開発も行う。連結子会社との事業シナジー拡大も成長戦略の柱であり、Denkai Americaにて車載電池用銅箔の生産開始に向けた体制整備を進め、米国市場への製品供給を推進する。LCY Technology Corporationとの業務提携により、地理的顧客ポートフォリオの相互補完と拡大、回路基板分野での技術協力を図る。

ESGへの取り組みとして、銅材料の100%再利用及び車載電池用銅箔によるxEV普及への寄与を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する。

**4. 財務健全性**

当社グループは、前連結会計年度に続き当連結会計年度においても重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上した。当連結会計年度末において、手元資金と比べて短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の残高の水準が高いことから、当該借入金の返済が困難な状況にある。これらの状況により、当社グループは継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する。

有利子負債は、2024年3月末時点で13,644,500千円であり、総資産額23,908,111千円に占める割合は57.1%と、有利子負債への依存度が高い水準にある。

当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しているが、取引先金融機関から期限の利益等の喪失の権利行使をしないことに合意を得ている。

継続企業の前提に関する疑義解消に向け、高付加価値分野へのシフト、技術力の更なる強化、価格改定による利幅の改善・製造コスト低減により収益性の向上に取り組む。また、保有資産の売却や設備投資案件の厳選及び抑制等により、事業及び運転資金の安定的な確保と維持に努めるとともに、財務体質の改善及び強化を図る。運転資本の充実のため、あらゆる資本政策の可能性についても検討しており、その取り組みとして、2024年6月24日付でテックス・テクノロジー株式会社との間で資本業務提携契約を締結した。

**5. 株主還元**

株主還元に関する具体的な方針や配当実績の記載はない。

**6. 注目ポイント**

高機能電解銅箔における独自の機械特性や表面処理技術が、同社の競争優位性の核である。特に、車載電池用銅箔や微細回路基板用銅箔における高い強度と伸び率、安定した剥離強度、相反する特性の両立は、顧客の高度な要求に応える。成長市場であるxEV、5G・高速通信、自動運転分野を主要ターゲットとし、これらの市場拡大が成長ドライバーとなる。特に、車載電池用銅箔の世界市場年平均11.8%成長予測は大きな機会である。継続企業の前提に関する疑義が存在するため、高付加価値分野へのシフト、技術力強化、コスト低減といった収益改善策と、保有資産売却や資本提携を含む財務改善策の進捗が、今後の投資判断において最も注目されるポイントとなる。北米拠点での車載電池用銅箔生産開始やLCY Technologyとの業務提携は、グローバル展開と事業シナジー創出に寄与する可能性がある。銅材料の100%再利用など、ESGへの取り組みも推進する。

出典: 有価証券報告書 (2024-03) doc_id=S100TVRZ | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 16.7B 17.0B 20.6B
営業利益 -1.0B -1.6B
純利益 -874M -1.9B 848M
EPS -96.6 -252.4 117.2
BPS 743.1 823.0 793.9

大株主

株主名持株比率
テックス・テクノロジー株式会社0.21%
楽天証券株式会社0.02%
徳岡工業株式会社0.01%
春名 啓0.01%
植田 孝0.01%
一戸 隆文0.01%
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%
野村證券株式会社 (常任代理人 株式会社三井住友銀行)0.01%
JP JPMSE LUX RE J.P. MORGAN SEC PLCEQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%
久野 利明0.00%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-01-10テックス・テクノロジー株式会社 5.95%(23.06%)
2025-01-10テックス・テクノロジー株式会社 0.00%(5.95%)
2024-12-10テックス・テクノロジー株式会社 0.00%(5.95%)
2024-12-09テックス・テクノロジー株式会社 5.95%(23.06%)
2024-07-17テックス・テクノロジー株式会社 29.01%+8.16%
2024-03-27リー・チャン・ユン・グループ・インターナショナル・ピーティー 0.00%(19.98%)
2024-03-15テックス・テクノロジー株式会社 20.85%+1.15%
2024-03-06テックス・テクノロジー株式会社 19.70%+1.14%
2024-03-01テックス・テクノロジー株式会社 18.56%+1.41%
2024-02-20テックス・テクノロジー株式会社 17.15%+1.18%
2024-02-06リー・チャン・ユン・グループ・インターナショナル・ピーティー 19.98%+17.98%
2024-02-01リー・チャン・ユン・グループ・インターナショナル・ピーティー 19.98%+14.98%
2023-07-07テックス・テクノロジー株式会社 15.97%(2.63%)
2023-03-02株式会社SBI証券 3.25%(7.48%)
2023-02-15株式会社SBI証券 19.83%(1.11%)
2023-02-15株式会社SBI証券 18.81%(1.02%)
2023-02-15株式会社SBI証券 17.79%(1.02%)
2023-02-15株式会社SBI証券 16.70%(1.09%)
2023-02-15株式会社SBI証券 15.72%(0.98%)
2023-02-15株式会社SBI証券 14.78%(0.94%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-01-10EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 5.95%
2025-01-10EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社訂正
2024-12-10EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社変更
2024-12-09EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 5.95%
2024-07-17EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 29.01%
2024-03-27EDINET大量保有リー・チャン・ユン・グループ・インターナ変更
2024-03-15EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 20.85%
2024-03-06EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 19.7%
2024-03-01EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 18.56%
2024-02-20EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 17.15%
2024-02-06EDINET大量保有リー・チャン・ユン・グループ・インターナ大量保有 19.98%
2024-02-01EDINET大量保有リー・チャン・ユン・グループ・インターナ大量保有 19.98%
2023-07-07EDINET大量保有テックス・テクノロジー株式会社大量保有 15.97%
2023-03-02EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 3.25%
2023-02-15EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 19.83%
2023-02-15EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 18.81%
2023-02-15EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 17.79%
2023-02-15EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 16.7%
2023-02-15EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 15.72%
2023-02-15EDINET大量保有株式会社SBI証券大量保有 14.78%