株式会社フジクラは、情報通信、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、不動産の5事業部門を展開する。グループ経営理念に基づき「つなぐ」テクノロジーを通じて「顧客価値創造型」事業へ積極的に展開し、「情報インフラ」「情報ストレージ」「情報端末」を核心的事業領域と位置づけ、経営資源を集中的に投入する。
**1. 事業概要と競争優位性**
情報通信事業部門は、光ファイバ、光ケーブル、通信部品、光部品、光関連機器、ネットワーク機器、工事等を手掛ける。世界トップレベルの細径・高密度光ファイバケーブル「SWR®/WTC®」技術を有し、既存品比で約20%の細径化、30%の軽量化、2倍の高密度化を実現した「Air Blown Wrapping Tube Cable™」を開発する。データセンタ向けには小型・細径の光コネクタ付きケーブル需要に対応し、ミニ多心コネクタ(MMC)の開発を進める。次世代光通信分野では、高密度・大容量伝送を可能にするマルチコアファイバ(MCF)と接続技術の実用化に向けた開発を進め、標準クラッド外径で4つのコアを持つMCFや、世界最高密度の16コアMCFを発表する。これらの技術的優位性は、データセンタ市場及び通信インフラ市場での競争優位性を確立する。米国ハイパースケールデータセンタ向けビジネスでの更なるシェア拡大を目指す。
エレクトロニクス事業部門は、プリント配線板(FPC)、コネクタ、電子ワイヤ等を製造する。スマートフォン向けFPCの高密度化・高速伝送対応、車載用途FPC、小型・低背・堅牢・高速伝送コネクタの開発を推進する。
Beyond2025として、核融合発電への利用が見込まれる高温超電導線材、ファイバレーザ、EV(電気自動車)の3分野に注力する。レアアース系高温超電導線材は、液体ヘリウムを使用しない次世代の高温超電導機器を実現する製品として、世界トップレベルの性能を実現する。ファイバレーザは、光通信用ファイバや光部品で培ったコア技術をベースに20kW超高出力レーザを上市し、半導体加工市場やレーザー核融合ビジネスの開拓を目指す。EV急速充電向けには、国内初となる定格150kWの液冷方式ケーブルコネクタを上市し、細径・軽量かつ超急速充電を実現する液冷ケーブルの開発を推進する。
ミリ波の分野では、超高速で大容量な無線通信インフラを実現する5G基地局向けミリ波帯通信デバイスの開発を進め、世界トップクラスのビーム制御能力と送受信能力を持つWLP版高周波IC及びミリ波アンテナボードを開発する。これらの革新的な技術開発と大規模な設備投資(SWR®新工場、MTフェルール増産、高温超電導線材増産)は、高い参入障壁を形成する。
**2. 沿革ハイライト**
1910年3月、藤倉電線株式会社を設立する。1949年5月、東京証券取引所に上場する。1992年10月、商号を株式会社フジクラに変更する。1984年以降、タイ、イギリス、香港、中国、アメリカ、スペイン等に現地法人を設立し、グローバル展開を加速する。2005年には電力事業全般を営業譲渡し、古河電気工業株式会社との事業統合を完了する一方、三菱電線工業株式会社との合弁会社「株式会社フジクラ・ダイヤケーブル」を設立し、建設・電販事業や産業用電線事業を集約する。2024年4月には導体事業を株式会社フジクラ・ダイヤケーブルに承継し、銅電線製造販売事業を集約する。
**3. 収益・成長**
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、2023年5月に「25中期経営計画」を公表する。基盤技術やコア技術を活かせる「情報インフラ」「情報ストレージ」「情報端末」を核心的事業領域とし、高収益な企業グループを目指すことを基本戦略とする。当期は25中期の定量目標を1年前倒しで概ね達成する。
成長ドライバーとして、情報通信事業部門では、生成AIの普及・拡大を背景としたデータセンタ投資の加速、データトラフィックの増加、欧米通信事業者の設備投資回復、中東・アジア等の新規市場開拓を見込む。国内では空気圧送工法に対応した光ファイバケーブル(AB-WTC™)の普及促進に注力し、海外では戦略商品である「SWR®/WTC®」の供給体制を強化するため、モロッコ拠点にWTC®の生産ラインを構築する。中長期的にはWTC®の海外生産比率を5割超まで引き上げ、グローバル生産体制の構築を図る。データセンタ向けビジネスでは、米国のハイパースケールデータセンタ向けでの更なるシェア拡大を目指し、次世代小型多心コネクタの生産能力を拡大する。ハードディスクドライブ用アクチュエータの増産投資も実行する。
Beyond2025の分野では、カーボンニュートラルの実現を新たなビジネス創出の好機と捉え、核融合発電のR&D案件取り込み、半導体加工市場の開拓、レーザー核融合ビジネスの展開、EV急速充電向け事業の推進を図る。
**4. 財務健全性**
当社グループは、総じてキャッシュ・フローの創出力が向上しており、3か年累計の営業キャッシュ・フローは25中期を超過する見込みである。その結果、超過したキャッシュを成長投資と株主還元に充当する方針を決定する。25中期では自己資本比率51.7%を定量目標として設定する。
**5. 株主還元**
超過したキャッシュの使途について検討した結果、成長投資と株主還元に充当する。株主還元については、2026年3月期の連結配当性向を40%とする。
**6. 注目ポイント**
株式会社フジクラは、「つなぐ」テクノロジーを核に、情報通信、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、不動産と多角的な事業を展開する。特に情報通信分野では、世界トップレベルの光ファイバケーブル技術「SWR®/WTC®」を競争優位性とし、生成AI普及に伴うデータセンタ・通信インフラ市場の拡大を主要な成長ドライバーとする。Beyond2025として、核融合発電向け高温超電導線材、半導体加工向けファイバレーザ、EV急速充電ケーブルコネクタといった次世代技術への積極的な研究開発と設備投資を進める。グローバル生産体制の強化や新規市場開拓により、持続的な成長と高収益化を目指す。中期経営計画の目標を前倒しで達成し、成長投資と株主還元を強化する方針は、企業価値向上への強いコミットメントを示す。一方で、需要動向、為替変動、原材料価格変動、地政学リスク、知的財産、情報セキュリティ、災害、人財確保といった事業リスクへの対応も重要となる。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 7494.2B | 76.7倍 | 17.2倍 | 0.0% | 25,330.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 979.4B | 799.8B | 806.5B |
| 営業利益 | 135.5B | 69.5B | 70.2B |
| 純利益 | 91.1B | 51.0B | 40.9B |
| EPS | 330.3 | 185.0 | 148.3 |
| BPS | 1,477.0 | 1,236.7 | 980.9 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 0.18% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.10% |
| 大樹生命保険株式会社 | 0.04% |
| 株式会社三井住友銀行 | 0.03% |
| 株式会社日本カストディ銀行(三井住友信託銀行退職給付信託口) | 0.02% |
| 株式会社静岡銀行 | 0.02% |
| STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234  (常任代理人 株式会社みずほ銀行) | 0.02% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001  (常任代理人 株式会社みずほ銀行) | 0.01% |
| JP MORGAN CHASE BANK 385781  (常任代理人 株式会社みずほ銀行) | 0.01% |
| HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES  (常任代理人 香港上海銀行) | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2025-12-03 | ブラックロック・ジャパン株式会社 | 6.64% | +1.17% |
| 2025-09-19 | 三井住友信託銀行株式会社 | 7.59% | (0.06%) |
| 2025-02-07 | みずほ証券株式会社 | 0.00% | N/A |
| 2024-12-05 | ブラックロック・ジャパン株式会社 | 5.47% | +5.47% |
| 2024-12-04 | 野村證券株式会社 | 7.01% | (1.97%) |
| 2024-11-22 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 4.20% | (1.14%) |
| 2024-11-20 | 野村證券株式会社 | 8.98% | +0.89% |
| 2024-08-21 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 8.09% | +1.32% |
| 2024-08-07 | みずほ証券株式会社 | 0.00% | +0.00% |
| 2024-05-08 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 6.77% | (0.75%) |
| 2024-03-21 | 野村證券株式会社 | 7.52% | +1.24% |
| 2023-11-21 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 6.28% | (0.22%) |
| 2023-10-19 | 野村證券株式会社 | 6.50% | +0.31% |
| 2023-06-07 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 5.34% | +5.34% |
| 2023-06-06 | LSV Asset Management | 4.73% | (0.41%) |
| 2023-04-21 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 4.97% | (1.10%) |
| 2022-05-20 | SMBC日興証券株式会社 | 6.07% | (1.09%) |
| 2022-02-22 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 7.16% | +1.80% |
| 2021-12-22 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 6.19% | (1.05%) |
| 2021-11-19 | 三井住友信託銀行株式会社 | 7.65% | (0.12%) |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-02-25 | TDNet | 人事 | フジクラ | 代表取締役の異動及び経営体制の変更並びに本年定時株主総会における取締役候補決定に関するお知らせ | 26,825 | +2.39% |
| 2026-02-25 | TDNet | その他 | フジクラ | 繰延税金資産及び繰延税金負債の計上に関するお知らせ | 26,825 | +2.39% |
| 2026-02-25 | TDNet | 資本政策 | フジクラ | 株式分割及び株式分割に伴う定款一部変更に関するお知らせ | 26,825 | +2.39% |
| 2025-12-03 | EDINET | 大量保有 | ブラックロック・ジャパン株式会社 | 大量保有 6.64% | 17,030 | -0.47% |
| 2025-09-19 | EDINET | 大量保有 | 三井住友信託銀行株式会社 | 大量保有 7.59% | 13,975 | +1.97% |
| 2025-02-07 | EDINET | 大量保有 | みずほ証券株式会社 | 変更 | — | — |
| 2024-12-05 | EDINET | 大量保有 | ブラックロック・ジャパン株式会社 | 大量保有 5.47% | — | — |
| 2024-12-04 | EDINET | 大量保有 | 野村證券株式会社 | 大量保有 7.01% | — | — |
| 2024-11-22 | EDINET | 大量保有 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 大量保有 4.2% | — | — |
| 2024-11-20 | EDINET | 大量保有 | 野村證券株式会社 | 大量保有 8.98% | — | — |
| 2024-08-21 | EDINET | 大量保有 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 大量保有 8.09% | — | — |
| 2024-08-07 | EDINET | 大量保有 | みずほ証券株式会社 | 大量保有 | — | — |
| 2024-05-08 | EDINET | 大量保有 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 大量保有 6.77% | — | — |
| 2024-03-21 | EDINET | 大量保有 | 野村證券株式会社 | 大量保有 7.52% | — | — |
| 2023-11-21 | EDINET | 大量保有 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 大量保有 6.28% | — | — |
| 2023-10-19 | EDINET | 大量保有 | 野村證券株式会社 | 大量保有 6.5% | — | — |
| 2023-06-07 | EDINET | 大量保有 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 大量保有 5.34% | — | — |
| 2023-06-06 | EDINET | 大量保有 | LSV Asset Management | 大量保有 4.73% | — | — |
| 2023-04-21 | EDINET | 大量保有 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 大量保有 4.97% | — | — |
| 2022-05-20 | EDINET | 大量保有 | SMBC日興証券株式会社 | 大量保有 6.07% | — | — |