Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

川岸工業株式会社 (5921)

川岸工業は1906年創業の鋼構造物メーカー。鉄骨等鋼構造物の設計・製作・現場施工を主力とし、プレキャストコンクリート製品も手掛ける。専門性の高い技術者・技能者によるノウハウ蓄積と、溶接施工の高能率化・生産性向上に向けた継続的な研究開発が競争優位性を構築する。全国に工場を分散配置し、大規模な設備投資を伴う事業構造は参入障壁となる。「100年先も建築鉄骨で日本を支えるトップ企業」を目指し、DX推進や人財育成を成長ドライバーとする。 [本社]東京都港区 [創業]1906年 [上場]1962年

1. 事業概要と競争優位性

川岸工業株式会社は、鉄骨等鋼構造物の設計、製作、現場施工を主力事業とする。建築用プレキャストコンクリート製品の製造、販売及び取付工事も営む。子会社の川岸プランニング株式会社が設計・積算業務を担い、グループとして鋼構造物メーカーの一貫体制を構築する。主な顧客は総合工事業者であり、民間建築投資の動向が業績に影響を与える。

同社の競争優位性は、1906年創業の歴史と、専門性を有した技術者・技能者によるノウハウ蓄積に裏打ちされる。人財確保・育成は重要な課題であると同時に、その専門性の高さが参入障壁を形成する。技術面では、鉄骨製作における溶接施工の高能率化・生産性向上を目的とした継続的な研究開発を行う。BOX柱角継手への1パスサブマージアーク溶接工法適用実験や、550N級冷間成形角形鋼管の溶接施工実験を実施する。第80期も極厚BOX柱(板厚75mm~85mm)の2パスサブマージアーク溶接実験、新規溶接材料(550N級、590N級鋼材)導入実験、780N級鋼材を用いたBOX柱製作とSAW材料による溶接実験などを計画し、生産性向上と新材料・新工法導入を図る。日本建築学会等の研究委員会にも積極的に参加し、技術レベルの向上に努める。全国に工場を東日本地区と西日本地区に分散配置し、当事業年度に541百万円の設備投資を実施する大規模な事業構造は、新規参入障壁となる。経営理念に「鉄骨で日本を支える」を掲げ、「100年先も建築鉄骨で日本を支えるトップ企業」を目指す。

2. 沿革ハイライト

川岸工業の歴史は、1906年3月に川岸太一郎が大阪市に川岸工業所を創立したことに始まる。1947年3月に川岸工業株式会社を設立。1962年1月には東京証券取引所市場第二部及び福岡証券取引所市場に上場した。全国各地に生産拠点を新設し、事業規模を拡大する。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行し、同年10月には川岸工事株式会社を吸収合併し、事業体制を強化した。

3. 収益・成長

同社は「第1次中期経営計画(2024年9月度-2026年9月度)」を策定し、成長とコア事業の収益力強化を基本方針とする。中期経営計画の数値目標は、3年累計で売上高737.8億円、営業利益45.4億円、当期純利益37.1億円、最終年度営業利益率4.5%以上、ROE2.7%以上を設定する。

2025年9月期の業績は、売上高242.19億円と期初目標を下回ったものの、営業利益18.73億円、当期純利益14.47億円と期初目標を上回った。工場稼働率低下の影響を受けつつも、利益は目標を上回る。

成長ドライバーとして、ICT&DX化の推進による省力化・省人化、生産拠点の見直しと再編、将来への積極的な投資を掲げる。研究開発活動を通じた新工法・新材料導入は、生産性向上と技術的優位性の維持・向上に貢献する。経営環境は首都圏の大型物件を中心に当面底堅いものの、長期的には横ばいで推移する見通しであり、案件の選別と管理能力の強化が求められる。人財確保、鋼材価格変動、民間建築投資の動向が事業リスクとなる。

4. 財務健全性

川岸工業は高い財務健全性を維持する。2025年9月期末において、総資産349.92億円に対し純資産289.56億円を計上し、自己資本比率は約82.7%に達する。有利子負債は0円であり、無借金経営を継続する。2025年9月期の営業活動によるキャッシュ・フローは32.43億円、投資活動によるキャッシュ・フローは2.06億円と、安定した事業活動と堅実な投資姿勢を示す。豊富な手元資金31.66億円と無借金経営は、外部環境変化への耐性と将来の成長投資余力を提供する。

5. 株主還元

株主還元については、中期経営計画において配当性向30%以上を目標とする。2025年9月期の配当性向は30.7%であり、1株当たり配当金額は前年から10円増加の160円を実施した。また、期間累計で7.1億円の自己株式取得も実施し、株主への利益還元に積極的な姿勢を示す。

6. 注目ポイント

川岸工業は、100年超の歴史と専門技術に裏打ちされた鋼構造物メーカーとしての地位を確立する。溶接技術を中心とした継続的な研究開発と外部委員会への積極的な参加は、技術的競争優位性を維持・向上させる重要な要素である。無借金経営と80%超の自己資本比率は強固な財務基盤を示し、安定運営と成長投資を可能にする。人財確保・育成、DX推進といった課題への対応が持続的成長の鍵を握る。首都圏大型物件の需要は底堅いが、長期的な市場横ばい見通しの中で、案件選別と生産性向上がビジネスモデルの質を高める。積極的な株主還元策も魅力的な要素である。

出典: 有価証券報告書 (2025-09) doc_id=S100XBJH | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
13.1B 8.4倍 0.4倍 0.0% 4,380.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 24.2B 27.6B 26.0B
営業利益 1.9B 1.7B 1.4B
純利益 1.4B 1.5B 1.2B
EPS 521.0 498.2 426.2
BPS 10,554.0 9,723.9 9,152.0

大株主

株主名持株比率
伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社0.18%
エムエム建材株式会社0.18%
川岸興産株式会社0.06%
神鋼商事株式会社0.05%
内藤 征吾0.03%
川岸 隆一0.03%
INTERACTIVE BROKERS LLC  (常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)0.03%
株式会社飯田運送0.03%
株式会社りそな銀行0.02%
株式会社SBI証券0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-02-10Black Clover Limited 0.00%(5.69%)
2022-11-29Black Clover Limited 5.69%+0.69%
2021-10-01JFEスチール株式会社 0.47%(4.65%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-01-20TDNetその他川岸工譲渡制限付株式としての自己株式処分の払込完了に関するお知らせ4,430+0.23%
2025-12-25TDNet不祥事・訂正川岸工(訂正)「譲渡制限付株式としての自己株式処分に関するお知らせ」の一部訂正について4,190+0.72%
2025-12-23TDNetその他川岸工譲渡制限付株式としての自己株式処分に関するお知らせ
2025-10-27TDNet人事川岸工代表取締役の異動に関するお知らせ4,550-1.65%
2025-09-29TDNetその他川岸工従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての自己株式の処分の払込完了及び一部失権に関するお知4,515+1.66%
2025-08-29TDNetその他川岸工従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての自己株式の処分に関するお知らせ4,410+0.57%
2025-07-28TDNet決算川岸工2025年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)4,070+6.14%
2025-07-28TDNet業績修正川岸工2025年9月期通期業績予想及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ4,070+6.14%
2025-02-10EDINET大量保有Black Clover Limited変更
2022-11-29EDINET大量保有Black Clover Limited大量保有 5.69%
2021-10-01EDINET大量保有JFEスチール株式会社大量保有 0.47%