Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社ファインシンター (5994)

株式会社ファインシンターは、粉末冶金工法を基盤に自動車焼結製品、鉄道焼結製品、油圧機器製品を製造販売する。トヨタ自動車へ継続販売し、鉄道事業では新幹線向けに高いシェアを持つ。材料開発技術や創業以来の集電性・耐摩耗性技術に競争優位性を発揮する。DX認定事業者として「未来Factory」でモノづくり革新を進める。自動車電動化対応に加え、昆虫食事業で粉末加工・熱処理技術を活かし特許出願するなど新規分野開拓を図る。 [本社]愛知県春日井市 [創業]1950年 [上場]1962年

1. 事業概要と競争優位性

株式会社ファインシンターは、当社及び製造子会社6社で企業集団を構成し、自動車焼結製品、鉄道焼結製品、油圧機器製品の製造販売を主な事業内容とする。関連当事者であるトヨタ自動車株式会社には継続的に自動車焼結製品を販売する。

競争優位性として、粉末冶金工法を基盤とした材料開発技術を持つ。ハイブリッド車・燃料電池車の電気コントロール部に使われる「リアクトルコア」の次世代型を2021年11月より生産開始し、2023年度中には年間380万台規模まで生産を拡大する。高付加価値の「リアクトルAssy」や「アモルファス」などの新材料開発も進める。「高強度材」「機能材」「トライポロジー、複合材」「ニッケルコバルトレス材」「省エネ材」の5つの切り口で材料開発を加速する。2021年度にはコバルトレス材の量産を開始し、2022年度には高強度・高精度材料及びニアネット工法による新製品を生産開始する。鉄道事業では創業以来培った集電性・耐摩耗性に関する技術を活かし、新幹線向けに高いシェアを持つ。自動車焼結部品で培ったネットシェイプ技術を鉄道事業の産業用集電部品に応用し、低コスト化を図る。

経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」として、AI・IoT技術を融合した「未来Factory」コンセプトを推進する。24時間無人稼働化、全工程自動搬送、製品1個1個へのQRコード付与による製品単位での品質保証、匠の技の設備機構への落とし込み、現場オペレーター作業の標準化、段替短縮のDX化により競争力強化を図る。新規事業分野では、粉末加工・熱処理技術を応用した昆虫食事業を展開し、焙煎コオロギ粉の商標登録を完了、焙煎コオロギ粉を製作する工法も特許出願中である。独自工法により超微粉かつ丸みを帯びた製粉化を実現する。これらの技術的優位性、長年のノウハウ蓄積、大規模な設備投資を伴うモノづくり革新、特定の顧客との継続的な取引関係が参入障壁となる。

2. 沿革ハイライト

1950年12月、東京都板橋区に設立し、粉末冶金製品製造を開始する。1962年6月、東京証券取引所市場第二部に株式を上場する。1990年5月、東北焼結金属株式会社(現・ファインシンター東北株式会社)を設立する。1996年5月以降、タイ、米国、中国、インドネシアに子会社を設立し、海外展開を推進する。2002年10月、日本粉末合金株式会社と合併し現社名に変更、株式会社三信(現・ファインシンター三信株式会社)を株式取得により子会社化する。2008年8月、本店登記を愛知県春日井市へ移転し、本社及び技術部門を集約する。2022年4月、東京証券取引所スタンダード市場、名古屋証券取引所メイン市場へ区分変更する。

3. 収益・成長

当社は、事業領域の拡大と事業基盤の強化・付加価値の向上による売上高営業利益率、株主資本利益率(ROE)、モビリティの脱炭素化への貢献のためCO₂排出量の削減率を重要な経営指標とする。2025年度の経営目標として、売上高400億円レベル、営業利益8%、ROE10%の達成を目指す。

成長ドライバーとして、自動車産業の電動化(BEV化)への対応を強化する。ハイブリッド車のインバーター用次世代型リアクトルコアの生産拡大や、電動化機能部品の開発を進める。非自動車分野では、鉄道事業において新幹線向けに加え在来線用や海外鉄道向け、産業用集電部品へのビジネス拡大を図る。油圧事業では医療機器分野の拡大、ブランド力を活かした高級デンタルチェアのアジアでの拡販、小型産廃機器開発などを進める。新規事業分野として、食糧問題に貢献する「昆虫食事業」を推進し、25年度までに量産ラインを構築し、パウダー販売や同パウダーを使用したOEM食品の拡販を展開する。また、鉄道・油圧で培った技術を融合し、オリジナルコア製品の新規市場拡販を目指す。グローバル最適生産・供給体制の構築も成長戦略の一環であり、タイ子会社をアジアの中核工場と位置づけ、第2拠点立上げ準備を進める。当連結会計年度の研究開発費は537百万円、設備投資は3,940百万円であり、主に未来Factoryの構築、新規製品導入及び合理化に伴う設備購入、老朽設備更新に充当する。

4. 財務健全性

当連結会計年度の総資産は47,835百万円、純資産は16,993百万円である。現金及び現金同等物は4,119百万円を保有する。有利子負債は当連結会計年度で17,547百万円である。当連結会計年度において、2,202百万円の減損損失を計上する。2021年12月にはサステナビリティ・リンク・ローンでの資金調達を実施し、CO₂排出量の削減率をサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットに設定する。

5. 株主還元

資本コストを上回るROE目標を設定し、収益力の向上を図る。得られた収益を、資本コストを基準とした判断に基づく将来への成長投資や、最適資本政策に基づき株主還元を行うことにより、企業価値の最大化を目指す。年間配当は当連結会計年度で20.0円である。

6. 注目ポイント

自動車産業のBEV化加速という大変革期において、電動化関連製品の開発強化と非自動車分野(鉄道、油圧、新規事業)への多角化を進める点が注目される。連結売上高に占めるトヨタ自動車及び同社現地子会社の割合は24.7%であり、自動車業界の構造変化は業績に影響を及ぼす可能性がある。

経済産業省「DX認定事業者」として推進する「未来Factory」によるモノづくり革新は、競争力強化と収益性向上に寄与する。また、2050年度カーボンニュートラルに向けたCO₂排出量削減目標を掲げ、サステナビリティ・リンク・ローンを活用するなどESG経営を推進する姿勢は、持続的成長へのコミットメントを示す。

粉末加工・熱処理技術を活かした昆虫食事業や、既存技術を応用したオリジナルコア製品の新規市場開拓は、将来の成長ドライバーとなる可能性を秘める。一方で、海外事業展開に伴う政治・経済状況の変化、原材料価格の変動、為替変動リスクを抱える。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100R1LO | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
6.7B 0.5倍 0.0% 1,522.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 42.7B 42.4B 39.7B
営業利益 683M 413M -1.0B
純利益 -207M -593M -2.7B
EPS -48.4 -135.6 -621.0
BPS 3,291.9 3,689.9 3,309.6

大株主

株主名持株比率
トヨタ自動車株式会社0.21%
ファインシンター従業員持株会0.09%
カヤバ株式会社0.05%
千住金属工業株式会社0.05%
阪田 和弘0.04%
株式会社アイシン0.02%
池口 史子0.02%
小島 昌義0.02%
株式会社三菱UFJ銀行0.01%
三井住友信託銀行株式会社0.01%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-11-05TDNet業績修正ファインシンター通期連結業績予想の修正に関するお知らせ1,586+11.35%
2025-11-05TDNet決算ファインシンター2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)1,586+11.35%
2025-11-05TDNetその他ファインシンター2026年3月期 第2四半期決算補足説明資料1,586+11.35%
2025-09-25TDNet事業計画ファインシンター中期経営計画の公表時期見直しに関するお知らせ1,401-8.57%
2025-07-30TDNet決算ファインシンター2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)903-2.66%
2025-07-30TDNetその他ファインシンター2026年3月期 第1四半期決算補足説明資料903-2.66%
2025-06-30TDNetその他ファインシンター支配株主等に関する事項について824-0.12%
2025-06-30TDNetその他ファインシンター特別利益(投資有価証券売却益)の計上に関するお知らせ824-0.12%
2025-06-27TDNetその他ファインシンター東京証券取引所及び名古屋証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ823+0.12%