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株式会社 赤阪鐵工所 (6022)

赤阪鐵工所は舶用内燃機関及び部分品、産業・土木機械の製造販売・修理工事を手掛ける。1960年の三菱重工業との技術提携や1996年のISO9001認証に基づく品質管理体制を競争優位性とする。主機関販売に加え、部分品・修理工事、鋳物・機械加工品、受託製造機関の売上拡大を図る。海運・造船業界の脱炭素化・自動運航化を成長機会と捉え、メタノールエンジンや清浄装置事業等の新規事業開発を推進し、主機関の国内シェア奪還と海外販路拡大を目指す。 [本社]東京都千代田区 [創業]1934年 [上場]1961年

1. 事業概要と競争優位性

株式会社赤阪鐵工所は、内燃機関関連事業を主要事業とする。舶用内燃機関及びその部分品、産業・土木機械の製造販売及び修理工事を行う。主機関販売に加え、部分品・修理工事、鋳物製品、機械加工品、受託製造機関の売上拡大を図るビジネスモデルを構築する。

競争優位性は、長年の技術蓄積と厳格な品質管理体制に根差す。1960年、三菱重工業株式会社長崎造船所との間にUE形機関の技術提携を行い、舶用内燃機関分野の技術力を強化した。1996年には国際規格ISO9001NK・品質システム認証を取得し、高度な品質管理を実践する。経営理念「顧客第一主義」に基づき、信頼される製品づくりを行う。これらの実績は、顧客からの信頼獲得と継続的な取引関係構築に寄与する。

参入障壁は、舶用内燃機関製造に不可欠な専門技術とノウハウの蓄積、大規模な設備投資、熟練した専門人材の確保である。1910年の創業以来培われた技術と経験は、新規参入者にとって模倣困難な無形資産となる。鋳造工場や組立運転工場、豊田第2機械工場といった生産設備への継続的な投資は、製造能力と品質維持の基盤を形成する。舶用機関は長期使用され、修理や部分品供給を通じて顧客との関係が継続する傾向があり、高いスイッチングコストを伴う顧客ロックイン構造を形成する。

市場シェアについては、「主機関の国内シェア奪還と販売領域拡大」を優先課題とする。これは、国内市場における競争激化や、過去のシェア水準からの回復を目指す姿勢を示す。同時に、海外への販路拡大にも取り組む。

成長ドライバーは、海運・造船業界における脱炭素化と自動運航の進展である。国際海運分野では代替燃料を使用する新造船の建造が活発化し、これに対応する次世代燃料エンジン(メタノールエンジン、水素キャリア物質からの水素発生装置)の開発を加速させる。低燃費型新機関の開発や自動運航船の実用化に向けたシステム開発も推進する。2023年10月には株式会社住本科学研究所より潤滑油清浄装置に関する事業を譲り受け、清浄装置事業やBDF(バイオディーゼル燃料)製造事業などの新規事業拡大を図り、持続的成長と社会課題の解決を通じて企業価値向上を目指す。

2. 沿革ハイライト

赤阪鐵工所は1910年5月、創業者赤阪音七が船舶用焼玉機関の修理を個人経営で開始したことに起源を持つ。1934年12月に株式会社赤阪鐵工所を設立し、法人組織へ移行する。1961年10月には東京証券取引所市場第二部に上場した。技術面では、1960年12月に三菱重工業株式会社長崎造船所との間でUE形機関の技術提携を結び、製品競争力を強化する。品質管理体制の確立にも注力し、1996年11月には国際規格ISO9001NK・品質システム認証を取得した。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、スタンダード市場へ移行する。近年では、2023年10月に株式会社住本科学研究所より潤滑油清浄装置に関する事業を譲り受け、事業領域の拡大を図る。本社は東京都千代田区丸の内に所在する。

3. 収益・成長

海運・造船業界は、脱炭素化と自動運航化の変革期にある。国際海運分野では代替燃料を使用する新造船の建造が活発化し、主機関の引合いは増加傾向にある。当社は積極的に受注活動を展開する。一方で、資機材高騰分を主機関の売価に転嫁することが難しい状況が続くと予測する。この課題に対処するため、部分品・修理工事の売上拡大、海外への販路拡大、生産設備の稼働率向上、鋳物製品や機械加工品、受託製造機関の売上拡大に注力し、安定的な収益確保を図る。

研究開発活動は、持続的成長と社会課題解決の重要な柱である。2050年GHGゼロ社会実現に向け、メタノールエンジンの設計を進め、試験運転設備を建設した。このメタノール関連開発では公的な助成を受けている。水素キャリア物質からの水素発生装置の開発も推進する。直近のGHG削減に向けた開発として、新低燃費ディーゼル機関開発と従来機種の低燃費化に取り組む。当事業年度の研究開発費は221百万円である。

新規事業の拡大も成長戦略の要である。清浄装置事業とBDF製造事業を拡大し、企業価値向上と当社ブランド力の向上を図る。設備投資は、安全、環境保全、生産性維持向上を目的に実施する。当事業年度の内燃機関関連事業の設備投資総額は807百万円であり、将来の成長に向けた基盤強化を進める。

4. 財務健全性

直近の財務状況(current fiscal period)は、総資産14,035百万円、純資産8,959百万円、現金及び現金同等物610百万円、有利子負債1,189百万円である。当社は株主重視の考え方に基づき、ROE(株主資本利益率)3.0%以上を目標とする経営指標に掲げる。今後も経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の強化と製品開発、コストダウンの実現等に取り組み、安定的な収益を確保し企業価値を高める方針である。

事業等のリスクとしては、舶用内燃機関を中心とした事業活動のため、世界的な経済動向による船舶受注量の変動や採算性の乏しい製品の受注が業績に影響を与える可能性がある。原材料・資材等の調達における一部取引先への依存や価格急変、IMOで決定される環境規制内容による製品販売活動の制限、炭素税等のカーボンプライシング導入時の価格転嫁困難もリスク要因である。その他、自然災害、品質問題、保有資産の減損、人的資源の確保、感染症、情報セキュリティ、国際情勢(戦争、テロ、地政学的リスク)などが挙げられる。これらのリスクに対し、毎年各担当部門でリスクレジスターを作成し、洗い出しと低減活動を行う。

5. 株主還元

当社は株主重視の考え方により、ROE3.0%以上を経営指標として設定する。直近の年間配当額は30円である。

6. 注目ポイント

赤阪鐵工所の注目ポイントは、海運・造船業界の構造変化への適応力である。脱炭素化と自動運航化というグローバルなメガトレンドに対し、次世代燃料エンジン開発(メタノール、水素キャリア)や新規事業(清浄装置、BDF製造)への積極的な投資と事業譲受を通じて対応を図る。長年の技術蓄積とISO9001認証に裏打ちされた品質管理体制を基盤としつつ、これらの新領域での競争力確立、主機関の国内シェア奪還、そして海外販路拡大を実現できるかが今後の成長を左右する。資機材高騰下での収益性維持、そして各種資格や技能を有する専門人材の確保と育成も、持続的成長に向けた重要な課題である。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W52J | 生成: gemini-2.5-flash (2026-03-21)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
5.1B 116.1倍 0.5倍 0.0% 3,305.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 7.8B 7.9B 6.6B
営業利益 19M -13M 113M
純利益 38M 37M 254M
EPS 28.5 28.2 192.4
BPS 6,691.7 6,737.1 6,123.1

大株主

株主名持株比率
アカサカ共栄会0.09%
DNB BANK ASA CLIENT ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)0.07%
東京アカサカ共栄会0.05%
株式会社静岡銀行0.05%
株式会社みずほ銀行0.05%
赤阪 治恒0.03%
赤阪 雄一郎0.03%
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション0.03%
駿南鐵工株式会社0.03%
古賀 隆之0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2021-12-07株式会社みずほ銀行 0.04%N/A

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2021-12-07EDINET大量保有株式会社みずほ銀行大量保有 0.04%