Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社酉島製作所 (6363)

各種ポンプ・ポンププラントを中核に、据付工事、保守サービス、環境装置、小水力発電設備、電力供給を展開する。売上・利益の9割超をポンプ事業が占め、受注生産の設計力と大型・高圧ポンプの実績を基盤とする。海水淡水化向けで高い競争力を持ち、中東を重点に高採算のアフターサービス拡充を進める。省エネ型SEP、TR-COM、液化アンモニア・水素向け開発も成長軸とする。[本社]大阪府高槻市 [創業]1919年 [上場]1961年

1. 事業概要

株式会社酉島製作所グループは、当社、子会社29社、関連会社3社で構成し、各種ポンプ・ポンププラント、環境装置、小水力発電設備、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売、据付工事・サービス、電気の供給業務を手掛ける。事業の中心はポンプ事業で、国内では当社、九州トリシマ、新東邦など、海外では香港、インドネシア、欧州、インド、豪州、中東、北米、タイ、マレーシア、台湾などに拠点を配置する。全セグメント売上高と営業利益の合計に占めるポンプ事業の割合はいずれも90%を超え、実質的にポンプ専業色が強い事業構造を持つ。製品領域は大型・高圧ポンプ、海水淡水化プラント向けポンプ、気候変動対策向けポンプ、液化アンモニア・液化水素向けポンプまで広い。加えて、納入後の据付、保守、アフターサービスを継続的に提供し、環境・新エネルギー分野では小水力発電設備の販売・据付や電気供給も行う。

2. 競争優位性

競争優位の中核は、大型・高圧ポンプにおける技術蓄積と、社会インフラ用途での納入実績にある。会社は海水淡水化プラント向けポンプで高い競争力を持つと明記し、中東諸国や北アフリカ諸国に多数納入してきた。水と電気のインフラを支える用途は、性能、信頼性、保守対応力が重視され、実績の蓄積自体が参入障壁として機能する。省エネ領域では、世界最高水準の効率を達成した「スーパーエコポンプ(SEP)」を開発し、2024年度省エネ大賞の最高位である経済産業大臣賞を受賞した。研究開発面では、液化アンモニア用ポンプ、液化水素昇圧ポンプ、耐水モータ一体型ポンプ、回転機械モニタリングシステム「TR-COM」などを展開する。TR-COMは小型センサ一つで機械状態を遠隔監視でき、2017年の販売開始以来、累計販売個数2万個を突破し、スマート保安技術認定やインフラメンテナンス大賞農林水産省特別賞の獲得により官公需分野での信頼向上にもつなげる。さらに、ポンプ納入後に利益率の高いアフターサービスや保守関連業務が継続的に発生する事業構造を経営戦略の柱と位置付けており、リカーリング性を備える点も強みとなる。

3. 市場環境

市場環境は、脱炭素、減災・防災、水インフラ更新、人手不足対応の4方向から需要機会が広がる構図となる。気候変動対応では、炭素税やCO2排出規制強化、自治体入札要件の変化が顧客ニーズを変え、省エネ、高効率、水素、アンモニア、CCUS関連製品への需要増加が見込まれる一方、火力発電市場縮小は既存需要の逆風となる。減災分野では豪雨や台風の頻発化により排水機場や下水処理場向けポンプ需要が高まる。水不足は海水淡水化プラント向け需要増加の機会となる。地域面では、中東地域が受注高の約24.4%を占める重要市場で、経済発展や人口増加を背景にインフラ需要の成長性が高い半面、紛争、経済制裁、法制度変更など地政学リスクも大きい。競争環境の詳細な他社比較は提示テキスト内では確認できないが、同社は海水淡水化向けで高い競争力を有すると自ら位置付ける。

4. 成長戦略

中期方針は、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた「2050長期ビジョン及び2024中期経営計画 -Beyond110-」に基づく。HOP、STEP、JUMPの3段階で進め、HOP期間では当初掲げた2029年度目標を7年前倒しで達成したため、2023年度終了時に目標を再設定した。現在はSTEP期間にあり、2029年度の主要目標として「売上高1,000億円規模、営業利益率10%以上、ROE10%以上」を掲げる。重点施策は、第一に「つくる力」の強化で、受注生産に対応する設計工程のフロントローディング、営業部門との連携強化、設計人財の営業配置、手戻り抑制、リードタイム短縮を進める。第二に生産能力増強で、国内外子会社で設備投資を開始し、M&Aも含めた生産拠点戦略を検討する。第三にサービス事業強化で、中東を重点地域とし、エジプト、アラブ首長国連邦、カタールに新拠点を開設し、サウジアラビアでは拠点移設を実施する。技術面ではSEPによる省エネ提案強化、液化アンモニアポンプの商用規模実液試験、液化水素ポンプの高圧化・大流量化、CO2分離回収プロセス向けポンプへの新規参入、TR-COMの防爆仕様展開が成長ドライバーとなる。

5. リスク

主要リスクの第一は地政学リスクで、中東・アフリカ向け比率の高さから、紛争、海上封鎖、経済制裁、法制度変更が受注、出荷、回収、輸送コストに影響する。第二は人材と技術承継で、必要人材の確保困難、優秀人材の流出、技術承継失敗が受注要件未達や事故、外注コスト上昇につながる。第三は自然災害で、生産地域が大阪府高槻市の本社工場に集中しているため、洪水や台風による操業停止が生産能力低下や納期遅延を招く。加えて、サイバーセキュリティ、品質と安全性、安定調達、為替変動も重要リスクに位置付ける。

6. ガバナンス

リスク管理体制は、経営委員会及びリスク管理委員会の指示の下、コーポレート部門のサステナビリティ推進チームが情報収集・分析を担い、担当執行役員が経営委員会又は経営会議へ報告する仕組みを採る。重要度の高いリスクは代表取締役CEO又は取締役COOが取締役会へ適宜報告し、取締役会が実行状況を把握する体制を整備する。サイバー対応ではCSIRTを設置し、インシデント対応計画や啓発活動を実施する。株主還元の具体方針は提示テキスト内では確認できない。一方、経営目標としてROE10%以上を掲げ、持続可能な企業価値向上を重視する姿勢は確認できる。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W11V | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
77.4B 17.4倍 1.3倍 0.0% 2,665.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 86.5B 81.1B 64.7B
営業利益 5.4B 6.8B 5.9B
純利益 4.1B 6.2B 4.4B
EPS 153.0 234.8 166.5
BPS 2,101.0 1,966.6 1,705.2

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.11%
公益財団法人原田記念財団0.10%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.10%
株式会社りそな銀行0.05%
株式会社三井住友銀行0.04%
株式会社タクマ0.04%
酉島製作所従業員持株会0.03%
第一生命保険株式会社0.02%
株式会社栗本鐵工所0.02%
株式会社日阪製作所0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-10-07野村證券株式会社 4.14%(1.46%)
2025-09-02いちよしアセットマネジメント株式会社 4.06%(1.01%)
2025-04-22三井住友DSアセットマネジメント株式会社 5.15%+0.13%
2025-04-18野村證券株式会社 5.60%+5.60%
2025-04-03野村證券株式会社 4.00%(1.03%)
2025-01-07いちよしアセットマネジメント株式会社 5.07%+5.07%
2024-10-22野村證券株式会社 5.03%+5.03%
2024-10-04野村證券株式会社 3.62%(1.46%)
2024-05-09野村證券株式会社 5.08%+5.08%
2024-04-05野村證券株式会社 3.32%(1.68%)
2023-11-22野村證券株式会社 5.00%+5.00%
2022-07-22株式会社りそな銀行 6.18%+1.12%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-12-11TDNet人事酉島製組織改正ならびに役員人事について1,901+5.68%
2025-12-11TDNet業績修正酉島製公開買付けへの応募および特別利益(投資有価証券売却益)の計上および 通期連結業績予想の修正に関するお1,901+5.68%
2025-10-07EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 4.14%2,104-0.71%
2025-09-02EDINET大量保有いちよしアセットマネジメント株式会社大量保有 4.06%2,015-0.45%
2025-08-27TDNetその他酉島製特定子会社の異動に関するお知らせ2,030+0.30%
2025-08-22TDNet配当・還元酉島製自己株式の取得状況及び取得終了に関するお知らせ2,071-0.34%
2025-07-22TDNetその他酉島製譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ2,090+2.63%
2025-07-01TDNet配当・還元酉島製自己株式の取得状況に関するお知らせ2,024-0.35%
2025-06-25TDNetその他酉島製譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ1,845+5.75%
2025-06-23TDNet配当・還元酉島製自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得結果に関するお知らせ1,805+1.33%
2025-06-20TDNetその他酉島製自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付に関するお知らせ1,800+0.28%
2025-04-22EDINET大量保有三井住友DSアセットマネジメント株式会社大量保有 5.15%1,873+1.44%
2025-04-18EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.6%1,875-1.49%
2025-04-03EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 4.0%1,906-6.45%
2025-01-07EDINET大量保有いちよしアセットマネジメント株式会社大量保有 5.07%
2024-10-22EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.03%
2024-10-04EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 3.62%
2024-05-09EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.08%
2024-04-05EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 3.32%
2023-11-22EDINET大量保有野村證券株式会社大量保有 5.0%