Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社ワコム (6727)

ワコムは、ブランド製品事業とテクノロジーソリューション事業を展開するデジタルペン技術企業。液晶ディスプレイ一体型ペンタブレットや筆圧感知ペンタブレットを自社ブランドで展開し、部品・モジュールはOEM向けに供給する。国内ペンタブレット販売台数シェア89.4%を持ち、EMR・Active ESを核にXR、AI、セキュリティ領域へ拡張を進める。[本社]埼玉県加須市 [創業]1983年 [上場]2003年

1. 事業概要

ワコムグループは、ブランド製品事業とテクノロジーソリューション事業を主軸に、関連するサービス業務等を行う。ブランド製品事業では、クリエイティブソリューションとして、液晶ディスプレイ面に直接描画と文字入力ができるディスプレイ型ペンタブレット、筆圧感知ペンにより繊細な描画が可能なペンタブレット、簡単な操作で使用できるペンタブレットを展開する。用途はグラフィックスデザイン、映画やアニメ制作、写真編集、工業デザイン、イラストレーション、ホームページデザイン、オンライン教育、テレワークなどに及ぶ。ビジネスソリューションでは、これらディスプレイやペンタブレットをクリエイティブ、教育、医療・公共、デジタルサイン分野向けに提供する。テクノロジーソリューション事業では、Active ElectrostaticとEMRを中核とするデジタルペン技術を搭載したデジタルペン、マルチタッチセンサー、タッチパネル等の部品・モジュールを供給し、タブレットPC、電子書籍、携帯端末等への組み込み需要を取り込む。

2. 競争優位性

競争優位の中核は、デジタル手書きに関するコア技術の蓄積と、それを製品・部品・サービスへ横展開する技術基盤にある。事業方針でもTechnology Leadershipを掲げ、商品ポートフォリオ刷新の一環として当社初の有機ELペンタブレット「Wacom Movink」を上市するなど、技術革新を価値源泉と位置付ける。研究開発面では、現行のペン、ペーパー、インク技術に加え、XR、AI、セキュリティとの融合を進める。ブランド製品事業では知的財産権の拡大を図る方針を明示し、VR空間内での描画ソリューションや次世代ペン技術の開発を推進する。テクノロジーソリューション事業では、OEM顧客への搭載拡大に加え、UPFパートナーとともにWGPを採用した製品開発を進め、ITエコシステム内で自社ペン技術を「事実上の標準」として位置付けることを志向する。市場シェア面では、BCNランキングによる2024年の国内ペンタブレット部門販売台数シェアが89.4%に達し、国内ニッチ市場で極めて強い地位を持つ。独占禁止法適用リスクが記載される水準までシェアが高い点は、裏返せば強固な市場支配力を示す。

3. 市場環境

事業環境は、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどの技術革新に伴う情報処理の低価格化、利用容易化が進む局面にある。一方で、PC市場ではディスプレイ技術の劇的変化、ペン技術やIoTデバイスの浸透による競合参入、教育のDX化や生成AI進化に伴う価値提案の高度化が進む。クリエイティブ市場でも、ワークフロー変化、生成AIの一般化、デバイス環境変化、競争激化、消費冷え込み、VFX市場のリセッションに伴う投資ホールドなどが需要構造に影響する。法規制面では、電磁波規制、安全規制、PL関連法、輸出入規制、関税、個人情報保護法制への対応が必要となる。加えて、グローバル販売と海外外注生産を前提とするため、為替、関税、地政学、サプライチェーン分断の影響を受けやすい構造を持つ。

4. 成長戦略

中期経営計画「Wacom Chapter4」は2026年3月期から2029年3月期を対象とし、企業価値向上を「利益創出力の強化×市場評価の向上」と定義する。最終年度目標として、連結売上高1,500億円、連結営業利益150億円、ROE20%以上、ROIC18%以上を掲げるほか、R&D+設備投資620億円、技術資本提携120億円以上を計画する。株主還元では総還元性向50%以上、累進配当制度導入、年間配当金下限22円を示す。事業面では、ブランド製品事業の構造改革と商品ポートフォリオ強化、販路マネジメント改善、固定費削減を進める。新技術領域では、XR、AI、セキュリティを活用したデジタルインクサービスの立ち上げと収益化を目指す。具体例として、XR分野で独自メタバース空間とWacom VR Pen、AI分野でZ会との共同開発、セキュリティ分野で「Wacom Yuify」のオープンベータ版、リモート制作支援で「Wacom Bridge」のオープンベータ版を展開する。製品面では「Wacom Movink 13」「Wacom Intuos Pro(2025)」を投入し、新しいユースケース「ポータブルクリエイティブ」の確立を図る。

5. リスク

主要リスクは三つ挙げられる。第一に、テクノロジーソリューション事業でサムスングループ向け売上高比率が高く、同社の需要動向や経営戦略変更の影響を受ける点がある。第二に、海外外注製造会社への依存が高く、中国を中心とした生産委託、部材不足、自然災害、工場変更時の習熟遅延が供給と収益に影響しうる。第三に、為替、関税、地政学、競争激化、生成AI普及による市場構造変化が、ブランド製品とOEM供給の双方に影響する。加えて、知的財産権侵害・抵触、情報セキュリティ、個人情報保護法制対応も重要な事業リスクとなる。

6. ガバナンス

ガバナンス面では、コンプライアンス リスク コミッティと、第三者が運営する内部通報制度「Wacom Speak-up Line」を設置し、国内外の法令遵守体制を整備する。役員及び従業員に対しては、ワコム倫理・行動規範を社内ポータルサイトに掲示し、定期的なオンライン教育やセミナーを実施する。情報管理面では、個人情報保護方針の明示、社内規程類の整備と運用、社員教育を進める。株主還元方針は中計で明確化されており、総還元性向50%以上と累進配当制度導入を掲げる。研究開発投資も経営の中核に据え、技術資本提携を含む投資枠を設定している点に、技術主導型企業としての資本配分方針が表れる。

出典: 有価証券報告書 doc_id=S100W3Z7 | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
114.2B 11.4倍 3.0倍 2.8% 846.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 110.0B 110.0B 110.0B
営業利益 14.0B 13.4B 13.0B
純利益 10.0B 9.5B 9.4B
EPS 74.3 71.0 69.9
BPS 278.1

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)  0.16%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)  0.07%
サムスン エレクトロニクス シンガポール ピーティーイー リミテッド (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)  0.06%
ステート ストリート バンク アンド トラスト クライアント オムニバス アカウント オーエムゼロツー 505002 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)  0.04%
ザ バンク オブ ニューヨーク メロン 140051 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)  0.04%
エイブイアイ グローバル トラスト ピーエルシー (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)  0.03%
山田 正彦  0.03%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)  0.03%
株式会社ウィルナウ  0.02%
ジユニパー (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-09-19三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 6.51
2025-09-16カナメ・キャピタル・エルピー 5.05
2025-08-21アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 13.17
2025-06-26アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 12.04
2025-06-05アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 11.04
2025-06-05三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 7.0
2025-05-02アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 9.18
2025-04-07ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニー 4.47
2024-10-21インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 3.98
2024-08-06ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニー 5.49
2024-05-21インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 5.31
2024-03-21ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニー 6.63
2024-03-13アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 7.73
2024-03-06インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 7.4
2024-02-16インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 8.63
2024-02-14アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 9.09
2023-12-13インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 8.63
2023-11-21ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニー 7.74
2023-11-21三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 8.34
2023-08-03アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 10.14

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-31TDNet株式会社リクロスエクスパンションの株式の取得(子会社化)の完了及び取締役の人事異動に関するお知らせ
2025-09-19TDNetHolding change by 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
2025-09-16TDNetHolding change by カナメ・キャピタル・エルピー
2025-08-21TDNetHolding change by アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド
2025-08-01TDNetbuyback: 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ
2025-08-01TDNet譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ
2025-07-30TDNetearnings: 2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2025-07-30TDNet2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2025-07-14TDNetbuyback: 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ
2025-07-14TDNet譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ
2025-06-26TDNetHolding change by アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド
2025-06-06TDNet主要株主の異動に関するお知らせ
2025-06-05TDNetHolding change by 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
2025-06-05TDNetHolding change by アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド
2025-05-21TDNet株主提案の一部撤回に関する書面受領および一部撤回に対する同意のお知らせ
2025-05-19TDNet(訂正)株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせの一部訂正について
2025-05-16TDNetbuyback: 自己株式の消却完了に関するお知らせ
2025-05-16TDNet自己株式の消却完了に関するお知らせ
2025-05-16TDNet株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ
2025-05-16TDNet定款一部変更に関するお知らせ