Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

日本タングステン株式会社 (6998)

粉末冶金技術を基盤に、機械部品と電機部品を展開する素材・部品メーカー。NTダイカッター、磁気ヘッド基板、二軸混錬押出機用部材、電気接点、タングステン・モリブデン線材などを供給する。半導体、衛生用品機器、医療、自動車、産業機器向けに広く展開し、海外子会社も活用。次期計画では粉末冶金技術×グローバル市場を軸に事業ドメイン再定義を進める。[本社]福岡県福岡市博多区 [創業]1931年 [上場]1961年

1. 事業概要

日本タングステンは、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成し、機械部品事業、電機部品事業、その他事業を展開する。機械部品事業では、NTダイカッター、磁気ヘッド基板、半導体・液晶関連機械部品、二軸混錬押出機部材、耐摩耐食部品、超硬・セラミックス精密加工品、ウルトラファインバブル関連製品、自動化・省力化機器などを製造販売する。電機部品事業では、電力開閉機器用電気接点、抵抗溶接用・放電加工用・プラズマ用等電極、X線遮蔽材、バランサー用錘、医療及び環境用途向けタングステン・モリブデンの線、棒、板、リボンなどを製造販売する。ターゲット市場は、衛生用品機器・医療用部品、半導体・電子部品、自動車部品、産業用機器・部品の4市場に整理する。海外では中国、米国、イタリア、タイに拠点を持ち、主力製品の顧客海外展開に対応する体制を敷く。

2. 競争優位性

競争力の中核は、既存事業の根幹と位置付ける粉末冶金技術にある。会社自身が全社戦略方針として粉末冶金技術の強化を企業の成長基盤と明示しており、機械部品と電機部品の両事業にまたがってタングステン、モリブデン、超硬、セラミックスの加工・応用を展開する点に特徴を持つ。注力商品としてNTダイカッター、カテーテル用タングステンワイヤー製品、磁気ヘッド基板、二軸混錬押出機用部材、EVリレー用接点を挙げており、複数の成長市場に対して材料技術と精密加工技術を横展開する構図を持つ。研究開発では、半導体製造装置用部材への独自開発セラミックスの適用研究、新たな放熱部材の開発、AIを取り入れたマテリアルズ・インフォマティクスによる新素材開発加速に取り組む。医療分野については、リスク記載の中で市場参入障壁の高さに言及しており、同分野で供給するカテーテル用タングステンワイヤー製品は一定の参入障壁を伴う市場で展開することが読み取れる。加えて、主要顧客の海外展開に対応して米国、イタリア、中国、タイに関係会社を設立しており、顧客追随型の供給体制も競争力の一部となる。

3. 市場環境

会社が注力する市場のうち、半導体・電子部品市場はデータセンター向け投資拡大などを背景に好調推移を見込む。衛生用品機器・医療用部品市場は緩やかな回復傾向、産業用機器・部品市場は二軸混錬押出機用金属部品の需要一服がある一方、産業用設備向けブレーカー用電気接点は堅調推移を見込む。自動車部品市場はコロナ禍前水準に向けた回復基調にあるものの、米国の関税引き上げなどの影響が懸念材料となる。外部環境としては、米国の関税政策による貿易・投資・供給網の混乱リスク、日本経済成長の下振れ懸念が示される。原材料面では、タングステンやコバルトなどのレアメタルを主に中国や欧州からの輸入に依存しており、地政学、法改正、需給逼迫、価格変動の影響を受けやすい。環境規制面ではISO14001の国際認証を取得し、環境関連法令への対応を進める。

4. 成長戦略

2024年度を最終年度とする4か年の「日本タングステングループ2024中期経営計画」では、利益体質の強化、既存事業の収益拡大、成長期待事業の拡大、新商品・新規事業の創出、サステナビリティを踏まえたパーパスとマテリアリティの策定・実行に取り組む。最終年度目標は売上高130億円、営業利益10億円、営業利益率8%、ROE8%で、実績は売上高123億円、営業利益6.8億円、営業利益率5.6%、ROE5.5%となる。これを踏まえ、次期は全社戦略の実行を可能とする新たな組織の下で組織機能を強化し、2026年度開始の次期中期経営計画を策定する方針を示す。経営課題は「全社戦略の抜本的強化」「組織間シナジーの最大化」「生産性と付加価値の向上」とする。全社戦略方針では、多様化する顧客ニーズの深い理解、粉末冶金技術の強化、全社視点での事業分析とポートフォリオ再編の仕組み強化を掲げる。次期中期経営計画の骨子は、2030 Visionの見直し、事業ドメインの再定義、すなわち「粉末冶金技術×グローバル市場」、コアコンピタンス強化、付加価値創造サイクル構築と組織機能強化、事業ポートフォリオ再編、サステナビリティ経営との融合で構成する。研究開発面では、官学との共同研究、外部研究機関との共同研究、新商品開発への人的リソース投入強化を進める。

5. リスク

主要リスクは3点に整理できる。第1に市場環境・競争力リスクで、注力商品ごとの市場変動、主要顧客の設備投資抑制、価格競争、技術革新、医療分野の高い参入障壁が売上に影響する可能性を持つ。第2に原材料調達・価格変動リスクで、タングステンやコバルトなどレアメタルの輸入依存、地政学や需給逼迫による調達難と価格急変が収益を圧迫し得る。第3に海外事業・関税・為替リスクで、米国関税政策、各国の政治経済変動、法規制、税制改正、価格競争、為替変動が海外拠点と輸出取引に影響する可能性を持つ。

6. ガバナンス

リスク管理面では、取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、各部門長がリスクオーナーとして重要リスクを評価、対応策を策定し、特に重要なリスクは委員会で実施状況と実効性をモニタリングする。緊急時には緊急対策本部を設置する体制を持つ。新商品開発状況についても取締役会でモニタリングを強化する。環境面ではISO14001認証取得の下で管理を行い、省エネルギー対策、産業廃棄物削減、太陽光発電事業、CO2削減に貢献する製品販売や研究開発に取り組む。株主還元方針については、提示テキスト内では確認できない。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W5QR | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
11.8B 16.4倍 0.9倍 0.0% 2,295.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 12.4B 11.5B 12.6B
営業利益 689M 476M 927M
純利益 676M 527M 767M
EPS 139.6 108.9 158.8
BPS 2,588.5 2,498.8 2,324.1

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・九州電力株式会社及び九州電力送配電株式会社口)0.07%
株式会社福岡銀行0.04%
日本タングステン取引先持株会0.04%
日本タングステン従業員持株会0.04%
みずほ信託銀行株式会社0.03%
明治安田生命保険相互会社0.02%
株式会社西日本シティ銀行0.02%
株式会社佐賀銀行0.02%
宇部マテリアルズ株式会社0.02%
日本生命保険相互会社0.01%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-05TDNet決算日タングス2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)2,036-6.19%
2026-02-05TDNet人事日タングス代表取締役ならびに役員の異動および人事異動に関するお知らせ2,036-6.19%
2025-11-13TDNet決算日タングス2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)1,481-8.78%
2025-08-07TDNet決算日タングス2026年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)1,347-3.56%