Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

田中精密工業株式会社 (7218)

田中精密工業は自動車部品を中核に、ソリューション、モビリティの3事業を展開する。主力はロッカーアームASSYなど内燃機部品だが、電動車向けインバーターフレーム、モーターカバー、トランスアクスルケースへ拡張する。接着剤要素技術とFA設備技術を活用したモノづくりソリューション育成も進める。一方で本田技研工業グループ向け依存とエンジン部品需要低下が課題となる。[本社]富山県富山市 [創業]1948年 [上場]1997年

1. 事業概要

田中精密工業グループは、部品製造事業を主軸に、ソリューション事業、モビリティ事業を展開する。部品製造事業では四輪・二輪・汎用向け自動車部品を製造販売し、四輪ではVTECロッカーアームASSY、バルブリフター、VCRリンクピン、ピストンピン、バルブスプリングリテーナー、テンショナーサブアーム、ウォーターパッセージ、シンクロナイザーリング、シャフト、モーターカバー、トランスアクスルケース、アウトボードリテーナーなどを手掛ける。加えて鋳造金型としてアルミダイカスト金型、低圧鋳造金型、重力鋳造金型も扱う。ソリューション事業ではAGV、組立装置、検査装置、洗浄装置、接着積層コア製造装置、巻線固定装置、IoTシステム、AIソフトウエア、航空宇宙向け部品を展開する。モビリティ事業ではホンダ製品の四輪、二輪、パワープロダクツの販売に加え、レンタルサービスやWHILLの販売・レンタルも行う。主要取引先は本田技研工業株式会社にあり、グループは日本、米国、タイ、ベトナムで事業を展開する。

2. 競争優位性

競争優位の中核は、自動車部品製造で蓄積した加工・鋳造・接着・自動化の要素技術を複数事業へ横展開できる点にある。研究開発では主力部品ロッカーアームで培ったアルミダイカスト技術を進化させ、BEVやHEV向けインバーターケース、モーターカバーの製造に必要な800トンクラスのダイカスト生産技術の構築を進める。ソリューション事業では独自の接着剤技術を接着積層モーターコア製造へ転用し、モーター高効率化に貢献する商材を育成する。さらにFA設備・ソフトウエア事業を通じ、モノづくり現場の課題解決に資する装置・ソフトを提供する。顧客の開発初期段階から技術課題の解決に関与する営業技術部の体制も、受注獲得とスイッチングコスト形成に資する。モビリティ事業では富山県内のホンダ車販売シェアが38%へ拡大しており、地域販売網と顧客接点が優位性となる。2025年2月には中型サイズのアルミダイカスト金型製造を得意とする㈱米谷製作所を傘下に加え、サプライチェーンとエンジニアリングチェーンを強化する。

3. 市場環境

自動車業界は電動化の加速度的進展、CASEやMaaSによる価値観変化、SDV進化によるソフトウエア主導化という大変革期にある。これにより、同社の主力であるエンジン部品は長期的な需要低下が見込まれる。特に主力製品ロッカーアームASSYへの依存度が高く、連結売上高に対する比率は2025年3月期で54.6%となる。また主要顧客の本田技研工業株式会社は2040年のエンジン搭載四輪車販売ゼロ目標を公表しており、同社グループ向け売上高比率66.1%という顧客集中も構造課題となる。一方で、電動車向け部品、モーター関連製造技術、工場自動化、IoT・AI活用の製造分析などは成長余地を持つ。国内自動車販売では所有から利用への変化が進むが、レンタルや近距離モビリティ提案は新たな需要開拓余地を持つ。

4. 成長戦略

中期経営計画は2023年3月期から2027年3月期を対象とし、基本方針として既存の自動車部品製造事業の深化と、新規事業創出およびモビリティ事業強化を掲げる。組織面では部品製造事業部、ソリューション事業部、モビリティ事業部の3事業部制と管理本部を設置し、深化と探索の両立を図る。部品製造事業部では電動車向け製品の展開強化、顧客拡大、収益力・競争力強化を進める。営業技術部による顧客ニーズ把握、戦略企画部によるグローバル統制、AI・IoTを活用したスマートファクトリー導入、生産革新室と生産技術部の新設による原価管理基盤再構築と自動化開発を推進する。ソリューション事業部ではFA設備・ソフトウエア事業、モーターコア製造技術事業、モーター部品製造技術事業を戦略事業と位置付け、アライアンス強化による商材拡充も進める。モビリティ事業部では販社統合を通じたシェア拡大に加え、WHILLや四輪・二輪・発電機レンタルを展開する。中期計画最終年の2027年3月期目標として、連結売上高340億円、営業利益率5%を掲げる。

5. リスク

主要リスクは3点に集約できる。第1に、特定顧客依存にあり、本田技研工業株式会社およびその関係会社向け売上高比率が高く、同グループの販売動向が業績に影響する。第2に、特定製品依存にあり、ロッカーアームASSYの構成比が高いため、新機構への置換や内燃機関代替の進展、競争激化が打撃となる。第3に、地域集中と外部環境リスクにあり、国内生産拠点や販売店、外注加工先が富山県下に集中し、自然災害時の供給停滞リスクを抱える。加えて為替変動、品質不具合、世界景気悪化も影響要因となる。

6. ガバナンス

経営面では2030年ビジョン「Change the Future~技術と創造力で新時代に新価値を提供します~」を掲げ、事業部制への移行により各事業の役割明確化と成果の透明性向上を進める。財務面では、クロスボーダーで余剰資金を資金需要事業へ還流させるマネジメントシステム構築を課題とし、財務ガバナンス高度化を図る方針を示す。人材面ではコース別人材マネジメント、教育制度刷新、海外人材交流や外国人人材採用検討を進める。労使関係は安定と記載する。株主還元方針については、提示テキスト内では確認できない。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W46V | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
11.1B 6.2倍 0.5倍 0.0% 1,140.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 40.5B 42.5B 34.2B
営業利益 2.7B 3.7B 2.2B
純利益 1.8B 2.2B 1.0B
EPS 185.3 228.7 104.8
BPS 2,483.3 2,357.7 1,903.4

大株主

株主名持株比率
本田技研工業㈱0.25%
田中共進会持株会0.13%
名古屋中小企業投資育成㈱0.05%
田中 一郎0.05%
田中 龍郎0.05%
㈱商工組合中央金庫0.04%
㈱北陸銀行0.03%
田中精密工業従業員持株会0.03%
㈱富山第一銀行0.03%
㈱三菱UFJ銀行0.02%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-11-27本田技研工業株式会社 24.34%+22.34%
2025-06-20本田技研工業株式会社 24.34%+19.34%
2023-12-07澤田 大樹 12.16%+1.05%
2023-02-16田中 一郎 5.78%(1.04%)
2023-02-15田中 一郎 5.78%(1.04%)
2022-06-03平野 平幸 11.11%+6.11%
2022-05-24澤田 大樹 11.11%+11.11%
2022-05-23平野 平幸 0.00%(10.33%)
2022-05-23平野 平幸 11.11%+6.11%
2022-04-15田中 龍郎 5.32%(1.02%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-03-02TDNetその他田中精密従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ1,267-4.66%
2026-02-18TDNetM&A田中精密会社分割(簡易新設分割)による中間持株会社設立に関するお知らせ1,216-0.33%
2025-11-27EDINET大量保有本田技研工業株式会社大量保有 24.34%1,110+6.22%
2025-07-15TDNetその他田中精密譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ1,010-0.40%
2025-06-20EDINET大量保有本田技研工業株式会社大量保有 24.34%1,019-0.79%
2023-12-07EDINET大量保有澤田 大樹大量保有 12.16%
2023-02-16EDINET大量保有田中 一郎大量保有 5.78%
2023-02-15EDINET大量保有田中 一郎大量保有 5.78%
2022-06-03EDINET大量保有平野 平幸大量保有 11.11%
2022-05-24EDINET大量保有澤田 大樹大量保有 11.11%
2022-05-23EDINET大量保有平野 平幸変更
2022-05-23EDINET大量保有平野 平幸大量保有 11.11%
2022-04-15EDINET大量保有田中 龍郎大量保有 5.32%