Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社銀座山形屋 (8215)

銀座山形屋グループは、オーダー紳士・婦人服を中核に、小売、卸売、受託縫製を一体運営する国内完結型アパレル企業。服づくりの柱に「メイド・イン・ジャパン」「着心地と品質」を掲げ、販売から採寸、縫製までの連携を強みとする。3ブランド店舗と入門向け「bref」を展開し、リピートオーダー重視の事業基盤構築を進める。[本社]東京都中央区 [創業]1907年 [上場]1987年

1. 事業概要

株式会社銀座山形屋グループは、持株会社である同社と連結子会社8社で構成し、紳士服・婦人服等アパレル製品の商品企画・製造・販売、ならびに靴・鞄・衣料雑貨品・服飾雑貨品・洋服生地等の販売を主業務とする。事業セグメントは小売事業、卸売事業、受託縫製事業の3本柱で構成する。小売事業は㈱ウィングロードおよび㈱銀座山形屋トレーディング西日本の店舗等で、主にオーダー紳士・婦人服とカジュアル洋品を販売する。卸売事業は㈱銀座山形屋トレーディング、同北日本、同西日本が担い、主にオーダー紳士・婦人服の卸販売と無店舗販売を行う。受託縫製事業は日本ソーイング㈱、日本ソーイング福岡㈱、日本ソーイング東京受注センター㈱などが担い、紳士・婦人服の受託縫製加工と受託加工販売を行う。グループ全体として、販売と製造を国内で連携させる体制を敷く。

2. 競争優位性

同社の競争優位性は、まず「メイド・イン・ジャパン」「着心地と品質」を服づくりの柱として明示し、国内製造注文服を販売展開する点にある。製造子会社を保有し、岩手県一戸町と福岡県飯塚市の製造拠点を基盤に、採寸接客から縫製までをグループ内で連携させる体制を構築する。これは品質管理、納期対応、接客と生産の擦り合わせにおいて優位性となる。加えて、販売面では「従業員全員がオーダーメイドのプロ」との方針のもと、服づくりと採寸接客の技術を継続的に磨くことを重視し、100%のリピートオーダーを目標に据える。リピート重視の姿勢は、顧客ごとの採寸情報や嗜好の蓄積を通じてスイッチングコストを高める方向に働く。ブランド面では「銀座山形屋」「サルトリアプロメッサ」「ミスターナ」に加え、入門編の「bref」を展開し、価格帯やスタイルの異なる需要を取り込む。提示テキスト内では市場シェアや特許の記載は確認できないが、国内完結型のオーダーメイド体制と接客技能の蓄積は参入障壁として機能する。

3. 市場環境

同社が属するスーツ業界は、労働人口の減少や就業スタイルの多様化により需要減少が続く厳しい市場環境に置かれる。加えて、一般消費財の物価上昇に対し消費者の節約志向が高まる一方、原材料価格やエネルギー価格の上昇、円安傾向も収益環境に影響を与える。さらに、猛暑や残暑など気温上昇は重衣料需要に直接影響する。他方で、同社は個人志向の多様化やこだわりによるオーダースーツ需要の高まりを見込む。アパレル業界が廃棄物の多い業界とされる中、受注により製造販売を行うオーダーメイドスーツは、既製服に比べ廃棄物の少ないビジネスモデルとしてサステナビリティ時代に適すると位置付ける。競合環境では、同業他社がコスト優位を狙い海外生産品の取扱いを一部で展開し始めている点が示される。

4. 成長戦略

同社は「世界一のオーダーメイド企業」をつくる方針を掲げる。成長戦略の中核は、小売事業における付加価値の高い3ブランド店舗を柱としつつ、オーダーメイドスーツの大量販売・大量生産から「一客一客・一着一着」を重視する企業基盤へ転換し、100%のリピートオーダーにつなげる点にある。2021年4月1日には、日本国内の地域的展開スピードをより機動的に推進するため、卸事業と受託縫製事業を北日本、東日本、西日本に会社分割した。商品戦略では、脱スーツや仕事着とカジュアルのボーダーレス化に対応し、「ユーティリティスーツ」をオーダーメイド仕立てで展開する。「銀座山形屋ブランド」は本物志向をテーマにセットアップやジャケット&パンツのセパレート提案を進める。「サルトリアプロメッサブランド」は全方位型のリラックススタイルを掲げ、ON・OFF・リモートの3シーン提案を行う。「ミスターナブランド」は単品アイテムのコーディネート提案を強化する。「bref」は28歳をメインターゲットとし、自社サイトによるWebオーダーと2プライス運営を行う。経営指標としては、安定した利益とキャッシュ・フローを出せる経営基盤の確立を方針とし、売上高経常利益率と総資産回転率の向上を目指す。

5. リスク

主なリスクは3点挙げられる。第1に、スーツを中心とした重衣料の季節性により、売上高と営業損益が下半期に偏る点がある。第2に、国内製造子会社による生産体制を採る一方、同業他社が海外生産による低コスト製品の取扱いを拡大した場合、価格競争力や製造子会社の稼働に影響が及ぶ可能性がある。第3に、製造拠点である岩手県一戸町と福岡県飯塚市での労働力確保が厳しく、高い縫製スキルを持つ人材を十分に確保・育成できない場合、生産ラインの安定稼働や品質改善、オーダー事業の成長に影響する可能性がある。加えて、自然災害、気候温暖化、原材料確保難、CO2排出コスト上昇もリスク要因となる。

6. ガバナンス

同社は持株会社として子会社の支配・管理を行う体制を採る。提出会社の従業員数は19名で、グループ全体では334名を擁する。人材面では、販売部門で技術を持った販売員の育成、生産部門で縫製技能士育成と定期的なOJT教育による技術指導を継続する方針を示す。労使関係では、銀座山形屋労働組合と日本ソーイング労働組合が存在し、いずれも労働協約に基づき隔月で労使協議会を開催し、正常かつ円満な関係を維持すると記載する。女性管理職比率は日本ソーイング㈱21.4%、㈱ウィングロード11.1%を開示する。一方、株主還元方針に関する具体的記載は提示テキスト内では確認できない。

出典: 有価証券報告書 (2024-03) doc_id=S100TVXV | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 3.8B 3.8B 3.5B
営業利益 64M 74M
純利益 90M 139M 44M
EPS 52.5 80.5 25.7
BPS 1,311.2 1,284.7 1,287.4

大株主

株主名持株比率
株式会社カネヨシ0.32%
山形 政弘0.06%
㈱Olympicグループ0.05%
GY会持株会0.05%
BTC協同組合0.03%
田邉 友紀恵0.02%
中島 眞喜子0.02%
東京注文服専門店会協同組合0.01%
フレックスジャパン㈱0.01%
東京メンズアパレル協同組合0.01%