日本証券金融は、連結子会社2社および持分法適用関連会社2社を含む日証金グループの中核企業として、貸借取引業務を核とするセキュリティ・ファイナンス業務を展開する。主要業務は、金融商品取引業者や個人投資家、機関投資家向けの金銭・有価証券の貸付にあり、具体的には貸借取引、一般貸付、債券貸借、貸株業務を行う。加えて、有価証券等管理業務、国債等現先取引業務の登録金融機関業務も担う。子会社の日証金信託銀行は顧客分別金信託、有価証券信託等の信託業務と預金・貸出等の銀行業務を行い、日本ビルディングはグループ保有不動産の賃貸・管理を担う。関連会社の日本電子計算、ジェイエスフィットは情報処理サービスやソフトウェア開発・販売を行う。グループ全体では、貸借取引、セキュリティ・ファイナンス、有価証券運用、信託銀行、不動産管理からなる事業ポートフォリオを構築し、収益源の多様化と収益変動要因の複線化を進める。
最大の競争優位は、提示テキスト上で明示された「我が国唯一の証券金融会社」という独自のポジションにある。制度信用取引を支える貸借取引業務の運営を通じて、証券市場に資金や証券の流動性を供給するインフラ機能を担う点は、単なる金融サービス提供を超える公共性と参入障壁を形成する。貸借取引業務は金融商品取引法第156条の24に基づく内閣総理大臣の免許業務にあり、有価証券等管理業務や国債等現先取引業務も同法第33条の2に基づく登録を要する。この規制面のハードルに加え、同社は資金取引や有価証券取引で培ったノウハウを活用し、債券レポ・現先取引や株券レポ取引を拡大している。債券レポ・現先取引では、海外からの日本国債借入ニーズと国内の機関投資家・地域金融機関等の運用ニーズを結びつけ、仲介役を果たす。さらに、日証金信託銀行はニッチな分野での管理型信託サービスを強みとする。国際的評価として、Securities Finance Times紙主催のIndustry Excellence Awards 2024でAsian Repo Team of the Yearを受賞しており、業務遂行力の外部評価も確認できる。
同社を取り巻く市場環境は、金融のグローバル化、フィンテックに代表される高度化、株式市場の環境変化、金利環境の変化に左右される。提示テキストでは、マイナス金利解除以降の金利上昇が、政策金利や市場金利を基に決定する貸付金利の上昇や取引先の資金需要増加を通じて、基本的にポジティブに作用すると認識する。制度信用取引の動向は依然重要にあり、個人投資家の利用減少や運用スタイルの多様化、一般信用取引や先物取引へのシフトはリスク要因となる。一方で、債券レポ・現先取引や株券レポ取引などセキュリティ・ファイナンス分野では、国内外の資金・証券ニーズをつなぐ役割が拡大する余地がある。業界面では、証券金融会社に対する業務範囲規制が存在し、新規業務には承認が必要となる場合があるため、成長余地と規制制約が併存する市場構造となる。
第7次中期経営計画では、ROEについて安定的に5%を上回る水準の維持とさらなる向上、連結経常利益について安定的に100億円超の維持とさらなる向上を掲げる。加えて、2023年11月公表の長期的展望では、資本コストを意識しつつ収益基盤強化と資本効率向上を進め、ROE8%の水準を意識しながら着実な向上を図り、PBR1倍超の市場評価定着を目指す。戦略の柱は9項目で、中心は貸借取引業務の強化、セキュリティ・ファイナンス業務の拡充、グループ連結経営の強化、有価証券運用による安定収益確保、資金調達手段の拡充、新規業務開発の推進となる。2024年度には貸借取引で金利設定方法の見直しや国内外向け情報発信強化を実施し、セキュリティ・ファイナンスでは外国金融機関など取引先拡大、取扱有価証券の多様化に取り組む。サステナビリティ関連では、東京大学との共同研究として、DLT活用によるトークン化有価証券や担保の円滑な取引可能性を検証する実証研究を進め、報告書公表や国際学会での報告も行う。デジタル技術活用による業務効率化、人材育成強化、情報開示拡充も競争力基盤の強化策に位置付ける。
主なリスクは3点に整理できる。第1に規制・許認可リスクとなる。貸借取引業務は免許業務にあり、信託銀行子会社や不動産子会社も各種法令の適用を受けるため、免許取消、業務停止、法令変更、新規業務承認未取得は事業運営に影響を及ぼす可能性がある。第2に市場・信用・調達リスクとなる。制度信用取引残高の変動、金利急変、債券や外貨建て有価証券の価格変動、信用供与先の悪化、短期資金調達環境の悪化、格下げは収益と財務に影響し得る。第3にオペレーショナルリスクとなる。システム障害、サイバー攻撃、情報漏洩、自然災害は、証券市場インフラとしての業務継続に重大な支障を与える可能性がある。
同社は、証券・金融市場のインフラを支える企業として、堅固なガバナンス体制の下でコンプライアンス、企業統治、経営リスク管理の徹底を経営方針に掲げる。取締役会では、第7次中期経営計画や長期的展望を踏まえ、中長期的な企業価値向上に向けた議論の充実、年間審議スケジュール設定、次期中期経営計画策定に向けたディスカッションを進める。指名委員会はスキルマトリックス、スキルの複層化、年齢構成やジェンダー多様化を継続審議し、報酬委員会は長期的展望と整合的な報酬体系を検討する。監査委員会は内部監査部門や会計監査人と連携し監査実効性向上に取り組む。株主還元方針については、強固な自己資本を維持しながら企業価値向上を図るとともに、株主への利益還元を引き続き充実したものとしていく方針を示す。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 188.8B | 17.2倍 | 1.3倍 | 0.0% | 2,146.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 59.5B | 50.3B | 42.5B |
| 営業利益 | 11.3B | 10.2B | 6.4B |
| 純利益 | 10.4B | 8.0B | 6.0B |
| EPS | 124.6 | 94.0 | 67.8 |
| BPS | 1,630.5 | 1,725.6 | 1,574.6 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| THE SFP VALUE REALIZATION MASTER FUND LTD. (常任代理人 立花証券株式会社) | 0.16% |
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 0.11% |
| THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SPECIAL OMNIBUS SECS LENDING ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 0.06% |
| 公益財団法人資本市場振興財団 | 0.06% |
| 株式会社みずほ銀行 | 0.04% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 0.03% |
| BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) | 0.02% |
| STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 0.02% |
| 三井住友信託銀行株式会社 | 0.02% |
| RBC IST 15 PCT LENDING ACCOUNT - CLIENT ACCOUNT (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 0.02% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2025-10-17 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 23.29% | (0.86%) |
| 2025-09-19 | 三井住友信託銀行株式会社 | 4.92% | (0.09%) |
| 2025-03-21 | 三井住友信託銀行株式会社 | 5.01% | +5.01% |
| 2025-01-21 | 三井住友信託銀行株式会社 | 4.99% | (0.35%) |
| 2024-08-23 | 日本証券金融株式会社 | 4.61% | (1.03%) |
| 2024-08-09 | 日本証券金融株式会社 | 5.64% | +5.64% |
| 2024-08-09 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 24.15% | +1.07% |
| 2024-02-05 | 株式会社ストラテジックキャピタル | 3.96% | (1.08%) |
| 2023-04-27 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 23.08% | +1.17% |
| 2023-01-10 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 5.34% | (1.01%) |
| 2022-08-19 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 6.35% | (0.91%) |
| 2022-03-22 | 株式会社ストラテジックキャピタル | 5.04% | -- |
| 2022-03-17 | 株式会社ストラテジックキャピタル | 5.04% | +0.03% |
| 2022-03-04 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 7.26% | (1.12%) |
| 2022-02-15 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 21.91% | +1.06% |
| 2021-12-16 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 20.85% | +1.08% |
| 2021-12-07 | 株式会社みずほ銀行 | 0.04% | N/A |
| 2021-10-12 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 19.77% | +1.04% |
| 2021-09-07 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズピーティーイー・リ | 18.73% | +1.00% |
| 2021-05-21 | 株式会社ストラテジックキャピタル | 5.01% | +0.01% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-03-03 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 2,235 | -3.76% |
| 2026-02-12 | TDNet | 決算 | 日証金 | 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) | 2,212 | +1.63% |
| 2026-02-12 | TDNet | 業績修正 | 日証金 | 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ | 2,212 | +1.63% |
| 2026-02-12 | TDNet | 業績修正 | 日証金 | 配当予想の修正(増配)に関するお知らせ | 2,212 | +1.63% |
| 2026-02-12 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得枠拡大に関するお知らせ | 2,212 | +1.63% |
| 2026-02-12 | TDNet | 人事 | 日証金 | 取締役候補者に関するお知らせ | 2,212 | +1.63% |
| 2026-02-03 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 2,166 | +0.69% |
| 2026-01-22 | TDNet | 人事 | 日証金 | 代表執行役の異動等の人事に関するお知らせ | 2,176 | +0.18% |
| 2026-01-06 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 2,083 | +0.48% |
| 2026-01-05 | TDNet | その他 | 日証金 | 貸借取引貸付金・貸付有価証券等の平均残高のお知らせ | 2,030 | +2.61% |
| 2025-12-18 | TDNet | その他 | 日証金 | 自己株式の消却に関するお知らせ | 1,994 | -0.35% |
| 2025-12-02 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 1,926 | +2.28% |
| 2025-10-17 | EDINET | 大量保有 | シンフォニー・フィナンシャル・パートナー | 大量保有 23.29% | 1,808 | +1.33% |
| 2025-10-02 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 1,775 | +0.45% |
| 2025-09-19 | EDINET | 大量保有 | 三井住友信託銀行株式会社 | 大量保有 4.92% | 1,877 | -0.59% |
| 2025-09-02 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 1,853 | -1.35% |
| 2025-08-07 | TDNet | 決算 | 日証金 | 2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) | 1,892 | -2.80% |
| 2025-08-07 | TDNet | その他 | 日証金 | 業績連動型株式報酬制度の改定に関するお知らせ | 1,892 | -2.80% |
| 2025-08-04 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 1,829 | +1.97% |
| 2025-07-02 | TDNet | 配当・還元 | 日証金 | 自己株式の取得状況に関するお知らせ | 1,722 | -0.29% |