Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

東京地下鉄株式会社 (9023)

東京都区部を中心に9路線の地下鉄ネットワークを保有・運営する交通インフラ企業。鉄道を核に、沿線での不動産賃貸、駅ナカ商業施設「Echika」運営、駅構内・車両内広告、情報通信を展開。約100年で培った鉄道運営ノウハウを活用し、CBTCやCBM導入、海外O&M市場進出、新線延伸、不動産循環型モデルで成長を図る。[本社]東京都台東区 [創業]2004年 [上場]2024年

1. 事業概要

東京地下鉄株式会社は、東京都区部を中心に9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道の運行及び運営、鉄道施設等の保守管理を担う。事業セグメントは運輸業、不動産事業、流通・広告事業、その他で構成する。運輸業では、駅清掃、駅運営管理、車両、土木構築物、建築物、電気設備の整備・保守をグループ会社が分担し、海外ではベトナム東京メトロを通じて都市鉄道運営・維持を支援する。不動産事業では、鉄道事業とのシナジーを基本に、沿線で渋谷マークシティ、渋谷ヒカリエ、東急プラザ原宿「ハラカド」などのオフィスビルやホテルを中心とした賃貸を行う。流通・広告事業では、Echikaなど駅構内商業施設の運営、駅構内や車両内広告、携帯電話通信サービスの営業許諾などを展開する。

2. 競争優位性

最大の競争優位は、東京都区部及びその周辺地域における強固な営業基盤と、9路線の地下鉄ネットワークを中核とする都市インフラ性にある。会社自身も、東京都区部に強固な基盤を有することを高い営業収益力を保つ上での強みの一つと位置付ける。鉄道事業は路線保有、運行、保守、駅運営、清掃までグループ内で一体運営しており、長年蓄積した鉄道技術、知見、システム、教育を含む運営ノウハウが参入障壁として機能する。中期計画では、無線式列車制御システムであるCBTCシステム、状態基準保全であるCBM、AI・ビッグデータ分析技術、自動運転技術GOA2.5の導入を進め、運行安定性向上、保全業務の生産性向上、コスト削減を図る方針を示す。加えて、駅や車両、発車メロディ、駅案内標、改札口ディスプレイ跡地など、鉄道事業に付随する多様なアセットを広告、商業、不動産へ横展開できる点も優位性となる。約100年にわたり培った鉄道運営技術とノウハウを活用し、他鉄道事業者向けサービス提供や世界のO&M市場進出を目指す点も、知見の外販という形で競争力を高める。

3. 市場環境

経営環境は、東京都心部の開発進展やインバウンド増加を背景としたお出かけ需要の回復が追い風となる一方、テレワーク・オンライン会議の定着による移動需要減少、人手不足、労務費・原材料費・電力料金の上昇、テロ・サイバー犯罪リスクの増加が重荷となる。鉄道事業は鉄道事業法に基づく許可・認可産業にあり、上限運賃設定や改定には国土交通大臣の認可又は届出を要する。バリアフリー料金制度も法令に基づく運用となるため、規制は高い参入障壁である一方、機動的な価格改定を制約する。加えて、東京地下鉄株式会社法や安全、環境、バリアフリー関連法令の影響も受ける。市場面では、首都圏人口の中長期的減少や高齢化が潜在リスクとなる一方、東京圏の国際競争力強化、臨海部・都心部アクセス改善、インバウンド需要取り込みが成長余地となる。

4. 成長戦略

中期経営計画「Run!~次代を翔けろ~」のもと、2028年3月期末目標として連結ROE7.7%、連結営業利益930億円、連結EBITDA1,740億円、連結純有利子負債/EBITDA倍率6.3倍を掲げる。運輸業では、安全性・利便性向上を最優先に、自然災害対策、セキュリティ強化、ホームドア整備、エレベーター整備を推進し、南砂町駅を除き2025年度に全駅ホームドア設置完了予定とする。新線建設では、有楽町線延伸と南北線延伸に2024年11月着手し、2030年代半ばの開業を目指す。さらに、有楽町線延伸部と東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線との相互直通運転に向けた取組を進め、ネットワーク価値向上を図る。技術面ではCBTC、CBM、GOA2.5を導入し、輸送システム変革を志向する。需要創出では、メトポのランク制度、休日メトロ放題、東京メトロmy!アプリ、Tokyo Subway Ticket、Tokyo City Pass、クレジットカードのタッチ決済、QRコード活用企画乗車券、後払い乗車サービス検討を進める。不動産では、駅直結物件や隣接地に加え、相互直通先沿線も含めた駅徒歩圏へ取得エリアを拡大し、オフィス、商業、住宅、ホテル、開発用地を取得する。不動産売却資金を再投資する循環型事業モデルも推進する。ホテル経営・運営事業への参画、駅ナカや高架下商業施設の刷新、デジタルサイネージ開発、コンテンツビジネス参画、CVC活動「Tokyo Metro Ventures」も新領域拡大策となる。海外では世界のO&M市場進出を通じ新たな収益源獲得を狙う。

5. リスク

主要リスクは3点に整理できる。第1に需要変動リスクで、首都圏人口の減少、就業・就学人口の減少、高齢化、テレワーク定着、経済情勢変化、本社機能や政府機関の移転が鉄道利用減少につながる可能性を持つ。第2にコスト上昇リスクで、電力料金、原材料価格、労務費の高騰が、電力多消費かつ継続的設備投資を要する事業特性上、収益に影響しやすい。第3に災害・事故・感染症リスクで、路線や施設の大半が東京都区部かつ地下に位置するため、地震、洪水、台風、浸水、火災、大規模停電、重大事故、感染症流行時の影響が大きくなりやすい。

6. ガバナンス

2024年10月の東京証券取引所プライム市場上場を契機に、経営指針を新たに策定し、ミッション「東京を走らせる力」を中心に、ビジョン、バリュー、スピリットからなる体系へ見直した。ガバナンス面では、コーポレート・ガバナンスの更なる充実を掲げ、社会情勢や法令改正を踏まえ随時見直す方針を示す。気候変動対応では社長が議長を務めるサステナビリティ推進委員会を設置し、TCFD提言に賛同する。人権面では人権方針、調達方針、調達ガイドラインを整備し、内部通報窓口の対象を取引先へ拡大する。株主還元方針に関する具体的記載は、提示テキスト内では確認できない。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W3LV | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
937.2B 17.4倍 1.3倍 0.0% 1,613.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 407.8B 389.3B
営業利益 86.9B 76.4B
純利益 53.7B 46.3B 27.8B
EPS 92.5 79.6 47.8
BPS 1,233.3 1,150.4 1,090.1

大株主

株主名持株比率
財務大臣0.27%
東京都0.23%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.07%
東京メトロ従業員持株会0.03%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.02%
NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE NON TREATY CLIENTS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)0.01%
STATE STREET BANK WESTCLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.01%
MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)0.01%
ゴールドマン・サックス証券株式会社BNYM(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.01%
J.P.MORGAN SECURITIES PLC(常任代理人 JPモルガン証券株式会社)0.00%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2024-11-06財務大臣 26.71%+22.71%
2024-10-29東京都 23.29%+18.29%

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-07-02TDNet配当・還元東京メトロ自己株式の取得状況及び取得終了に関するお知らせ (会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基1,652+0.42%
2024-11-06EDINET大量保有財務大臣大量保有 26.71%
2024-10-29EDINET大量保有東京都大量保有 23.29%