遠州トラックグループは、遠州トラック株式会社、子会社3社、親会社の株式会社住友倉庫で構成し、一般貨物自動車運送事業、貨物運送取扱事業、倉庫事業、不動産事業等による総合物流事業を営む。物流事業では、貨物運送、貨物運送の取次、荷物の保管・管理、物流加工を展開し、遠州トラック本体に加え、株式会社藤友物流サービス、遠州トラック関西株式会社、小笠運送株式会社が担う。その他事業では土地建物の賃貸・売買等、不動産事業、太陽光発電による売電を行う。事業戦略上は、関東・関西間の物流サービス拡充、EC物流、共同配送、調達物流の進化を重点領域に位置付ける。2018年にはインターネット通販の宅配業務に参入し、中継物流拠点「コネクトエリア浜松」を開設するなど、輸送と拠点機能を組み合わせたサービス拡張を進める。2024年4月には静岡県袋井市に袋井LSC営業所を開設する。
競争優位の中核は、関東・関西の中間に拠点を持つ立地と、これを活かした中継輸送プラットフォームにある。会社は「物流の2024年問題」の解決策の一つとして中継輸送を推進し、業界に先駆けて中継拠点を設置したと記載する。中継輸送(e-change)プラットフォームを活かし、乗務員が日帰り運行できる環境を構築する方針を掲げ、幹線輸送とエリア配送をつなぐネットワーク拡充を進める。加えて、静岡県、関東圏、中京圏で共同配送網を拡充し、化学品や食品などで業務効率化を図る点も差別化要素となる。メーカー至近の立地を活かした調達物流では、原料・資材の集積、セット組み機能、多頻度適時輸送を組み合わせ、顧客に最適な納品形態を提供する。運営面では、安全・品質を向上させながら、自社車両と乗務員、作業員で運営する自社輸送体制を堅持する方針を明示し、顧客ニーズへの柔軟対応力を確保する。さらに、自動配車システムの全社展開、新基幹システム構築、倉庫ピッキングシステム、自動搬送ロボット、マテハン設備導入など、DXと省人化投資を進める。
市場環境では、運輸・倉庫業において様々なモノやサービスの価格が高騰する一方、運賃や作業料などの価格転嫁が不十分な状況にある。加えて、2024年4月から乗務員の年間労働時間上限規制が実施され、労働力不足が懸念される。こうした規制環境は、乗務員不足、長時間労働是正、適正運賃収受への対応を業界全体に迫る。会社は中継輸送、共同配送、モーダルシフト、調達物流最適化を通じて、CO2削減と労働制約対応の両立を図る。法規制面では、一般貨物自動車運送事業、倉庫業等が国土交通大臣等の許可や登録に基づく事業にあり、排ガス規制等の環境・安全規制の影響を受ける。提示テキスト内では国内シェアや特定分野での占有率は確認できない。
中期経営計画は2023年4月から2026年3月までの3カ年計画で、期間中に90億円の事業投資を行い、新しい物流サービスに挑戦し、事業領域を拡大する方針を示す。数値目標は2026年3月期の営業収益522億円、営業利益36億50百万円、期間累計事業投資額90億円、ROE8%以上、配当性向30%以上とする。成長ドライバーとして、第一に中継輸送(e-change)プラットフォームを活かした輸送ネットワーク拡充を掲げる。第二に、東海エリアでのEC物流ネットワークを活用した新規EC顧客の個配業務開拓を進める。第三に、静岡県、関東圏、中京圏での共同配送網拡充を進める。第四に、協力会社ネットワークを強化し、多様なニーズへの対応力を高める。第五に、顧客製造拠点近くの物流施設を活用した調達物流を進化させ、部品集約、セット組み、多頻度適時輸送を提供する。第六に、顧客ニーズに合わせた立地で物流拠点を新設し、原料・資材の調達物流拠点や製品の消費地在庫拠点として活用する。投資面では、基幹システム再構築、自動配車システム全社展開、自動搬送ロボット導入、大型車両の電動化への顧客共同対応を進める。
主要リスクは複数存在する。第一に、インターネット通販関連取引の増加により、特定取引先との取引が営業収益の約30%を占める取引集中リスクを抱える。第二に、軽油価格上昇に伴う燃料費変動リスクがあり、増加分を運賃に転嫁できない場合に収益へ影響する。第三に、一般貨物自動車運送事業や倉庫業に関する許可・登録、環境・安全規制への抵触や規制強化が、事業停止、許可取消、人的・資金的負担増加につながる可能性を持つ。加えて、自然災害、感染症、情報漏洩、システム障害、重大事故、コンプライアンス違反も重要リスクとして列挙する。
ガバナンス面では、コンプライアンス遵守とコーポレート・ガバナンス強化を重要課題に位置付ける。2024年問題に法令遵守で対応し、コーポレートガバナンス・コードに対応したガバナンス強化を進める方針を示す。内部管理では、企業行動指針を定め、内部監査室や内部統制委員会等を通じて法令違反や重大な誤謬の防止に努める。人的資本への投資も経営基盤の一部として重視し、従業員の処遇改善、職場環境改善、健康経営推進、エンゲージメント向上を掲げる。株主還元方針としては、中期経営計画の数値目標に配当性向30%以上を明示する。沿革上は1995年に日本証券業協会へ店頭売買有価証券として登録し、2004年にジャスダック証券取引所へ上場、2022年に東京証券取引所スタンダード市場へ移行する。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 26.7B | 11.0倍 | 1.1倍 | 0.0% | 3,535.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 48.6B | 41.8B | 39.7B |
| 営業利益 | 3.2B | 2.6B | 3.2B |
| 純利益 | 2.4B | 2.0B | 2.3B |
| EPS | 320.0 | 274.0 | 306.1 |
| BPS | 3,106.1 | 2,883.8 | 2,699.2 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社住友倉庫 | 0.61% |
| 澤田邦彦 | 0.03% |
| 遠州トラック従業員持株会 | 0.02% |
| 株式会社商工組合中央金庫 | 0.02% |
| 有限会社スリーナイン | 0.02% |
| 日本生命保険相互会社 | 0.01% |
| 株式会社静岡銀行 | 0.01% |
| 株式会社三井住友銀行 | 0.01% |
| 静岡県信用農業協同組合連合会 | 0.01% |
| MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社) | 0.01% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026-02-03 | TDNet | 決算 | 遠州トラック | 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) | 3,720 | -3.36% |
| 2025-07-18 | TDNet | 人事 | 遠州トラック | 取締役及び執行役員に対する譲渡制限付株式としての自己株式処分の払込完了に関するお知らせ | 3,135 | +0.16% |
| 2025-06-19 | TDNet | その他 | 遠州トラック | 支配株主等に関する事項について | 2,945 | +0.34% |
| 2025-06-19 | TDNet | 人事 | 遠州トラック | 取締役及び執行役員に対する譲渡制限付株式としての自己株式の処分に関するお知らせ | 2,945 | +0.34% |