トレーディア株式会社は、当社、連結子会社1社、持分法適用関連会社6社で構成する海貨系国際物流グループとして、輸出部門、輸入部門、国際部門、倉庫部門、その他部門を展開する。輸出部門では、荷主の委託を受け、輸出書類・ネゴ書類の作成、貨物梱包、通関手続、港湾での船舶向け輸送、現地配送、納入先での据付けまでを担う。輸入部門では、海外産地から国内納入先までの船舶・コンテナ手配、官公庁申請、輸入関税・消費税の包括延納申請、港湾での受取・引渡し、自家倉庫や外貿各港での保管・仕分を代行する。国際部門では、海外各国の業者との提携を通じ、日本と諸外国間の外航海運利用運送に加え、諸外国の内陸運送や通関を含むドア・ツー・ドア輸送を一貫して引き受ける。倉庫部門では阪神地区の保有倉庫の一部賃貸による賃料収入を得る。その他部門では船内荷役等を行う。五大港で業務から荷役作業までを一貫責任体制で行う点が事業の骨格となる。
競争優位の中核は、五大港での事業基盤、自社倉庫設備、通関・保税関連の許認可、港湾周辺の実務ノウハウの蓄積にある。輸出入の両部門で神戸・大阪・名古屋・京浜・横浜を拠点とし、輸出では業務から荷役作業までを一貫責任体制で提供し、輸入でも自家倉庫と外貿各港での保管・仕分を含めた全業務を代行する。沿革上、一般港湾運送事業の免許を神戸港、京浜港、名古屋港、大阪港で取得し、2008年には特定保税承認、認定通関業者認定を取得しており、制度対応力と信用力が参入障壁として機能する。港湾運送事業の規制緩和は近年大きく前進しておらず、港湾地域への企業の新規参入もない状況と記載されており、既存事業者に有利な市場構造がうかがえる。加えて、阪神コンテナー輸送、三笠陸運、広瀬産業海運、錦茂国際物流(上海)など関連会社網を通じ、海上コンテナ輸送、トラック運送、はしけ輸送、中国関連物流を補完する。DX面ではサイバーポート接続や通関業者向けクラウドサービスと基幹システムの連携強化を進め、デジタルフォワーディング事業者としての地位確立を目指す。
港湾物流業界は、地政学リスクの高まり、米国の関税政策による自由貿易体制の萎縮、サプライチェーン再編により物流形態の変革が加速する局面にある。一方で、港湾運送事業の規制緩和は大きく進んでおらず、新規参入もないとされる。国内では少子高齢化と人口減少により消費全体の縮小が進み、神戸港をはじめ港湾の輸出入貨物取扱量の減少が予想され、業者間競争の激化が見込まれる。加えて、コンテナ・トラック運送業界の2024年問題、燃料費高騰、海上運賃下落、顧客の物流コスト削減意識の強まりが収益環境を圧迫する。取扱貨物面では、輸出主力が機械機器、輸入主力が繊維製品・生活雑貨等の消費資材にあり、輸入部門と国際部門輸入では中国依存度が高い。中国関連営業収入占有率は輸入53.0%、国際56.7%、全体48.9%と記載され、特定国依存が市場環境上の重要論点となる。
成長戦略として、基幹港湾施設の機能強化によるコア事業強化、グループ企業活用による新規事業参入、DX推進、海外事業拡大を掲げる。港湾関連データ連携基盤の構築により、全ての港湾情報や貿易手続きを電子的に扱うサイバーポートへの接続を進め、通関業連合会のクラウドサービスとの連携強化も図る。子会社を活用したグループ内IT環境整備により業務効率化を進め、デジタルフォワーディング事業者としての地位確立を目指す方針を示す。輸送面では、海上輸送とJR鉄道輸送網を組み合わせた国際複合一貫サービスを提供し、モーダルシフトによる物流機能強化と環境負荷低減を推進する。「みなとSDGs」登録に加え、施設のグリーン経営認証の拡大も進める。海外では、グループ会社を含めた海外合弁会社4社を中心に既存サービス強化と新商品開発を推進し、取引先の海外生産拠点の変化に対応しつつ、新たな投資先を模索して海外事業拡大と収益源多様化を図る。さらに、基幹港湾物流施設への投資で高付加価値貨物を取り込み、安定的収益源の確保と輸出入部門の収益性向上を目指す。
主なリスクは3点挙げられる。第1に、貨物事故や事務ミス、法令違反に伴う事務・法務リスクがある。特定保税承認者、認定通関業者として保税業務・通関業を行うため、重大事故時には搬入停止等の行政処分を受ける可能性がある。第2に、取扱貨物と顧客・地域の集中リスクがある。輸出上位10社の営業収入占有率は59.7%、輸入上位10社は40.2%で、中国関連比率も高い。第3に、大規模災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃がある。五大港中心の物流施設保有は強みである一方、災害時の事業継続上の脆弱性も内包する。
ガバナンス面では、取締役会を頂点としたリスク管理体制を敷き、重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの洗い出し、未然防止、発生時の迅速対応、再発防止策の実施に取り組む。事務事故や法務事案は執行役員会への報告義務を課し、月例会議や職制会議を通じて全従業員へ周知する運用を採る。労使関係は、1951年結成のトレーディア労働組合と1983年結成のトレーディア ワーカーズ ユニオンとの交渉を重ね、正常な労使関係を維持すると記載する。人的資本面では、組織・制度改革や教育制度充実を通じて社員の意識改革を進める方針を示す。株主還元の具体的方針は提示テキスト内では確認できないが、経営指標として自己資本利益率と売上高経常利益率を重視し、株主資本の効率的運用と企業価値向上を目指す方針を掲げる。
| 時価総額 | PER | PBR | 配当利回り | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2.3B | 8.7倍 | 0.5倍 | 0.0% | 1,590.0円 |
| current | prior1 | prior2 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | — | — | — |
| 営業利益 | 253M | 200M | 443M |
| 純利益 | 267M | 326M | 518M |
| EPS | 182.5 | 222.9 | 353.9 |
| BPS | 3,172.0 | 3,001.0 | 2,513.5 |
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| トランコム株式会社 | 0.10% |
| トレーディア株式会社社員持株会 | 0.07% |
| 大豊運輸倉庫株式会社 | 0.05% |
| 丸正株式会社 | 0.05% |
| 日本郵船株式会社 | 0.05% |
| 三菱UFJ信託銀行株式会社 (常任代理人:日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | 0.05% |
| 日本製麻株式会社 | 0.04% |
| 垂水邦明 | 0.02% |
| 株式会社シンワ・アクティブ | 0.02% |
| 頴川欽和 | 0.01% |
| 日付 | 提出者 | 保有割合 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 2023-04-17 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ | 5.31% | +5.31% |
| 日付 | ソース | カテゴリ | アクター | イベント | 株価 | 翌日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023-04-17 | EDINET | 大量保有 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グルー | 大量保有 5.31% | — | — |