Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

株式会社 エージーピー (9377)

空港インフラを中核に、駐機中航空機向け電力・空調・圧搾空気の供給を国内10空港で展開し、旅客搭乗橋や手荷物搬送設備、検査装置、物流センター設備の保守へ拡張する。空港管理規則等の規制、長期運営で蓄積した技術・運用ノウハウ、高額な設備投資負担が参入障壁として機能する。国産初のバッテリー駆動式GPU「Be power.GPU」やEMS開発で脱炭素需要を取り込む。[本社]東京都大田区 [創業]1965年 [上場]2001年

1. 事業概要

株式会社エージーピーは、駐機中の航空機へ電力、冷暖房、圧搾空気を供給する動力供給事業を主力とし、固定式設備と移動式設備を用いて国内10空港でサービスを展開する。対象空港は新千歳、成田、羽田、中部、伊丹、関西、神戸、広島、福岡、那覇に及ぶ。加えて、空港関連の特殊機械設備である旅客搭乗橋、手荷物搬送設備の保守管理や工事、航空機用格納庫、機内食工場、貨物ターミナル、冷熱源供給設備、特高変電所、ホテルなどの施設保守・更新工事、受託手荷物検査装置やハイジャック防止設備の保全、ビジネスジェット支援を手掛ける。さらに、空港外では総合物流センター等の保管・搬送設備の保守管理へ進出する。商品販売事業では、保冷・加熱カート等のフードシステム販売、GSEの輸入販売、航空機用冷暖房車やBe power.GPU、ブレーキクーリングカートの製作販売、アフターサービス、EV充電設備の賃貸・保守、技術支援業務を展開する。

2. 競争優位性

競争優位の中核は、空港インフラ事業で長年培った高度な技術と運用ノウハウにある。動力供給事業は約60年間継続運営しており、空港の安全を遵守・維持する現場で蓄積した経験が、空港内設備の運用保守や空港外物流設備保守への横展開を可能にする。国内10空港で動力供給を担う実績は、空港インフラの現場運営における信頼性の裏付けとなる。参入障壁としては、空港管理規則等の規制に加え、各空港事務所長等の承認が必要となる場合がある点、高額な初期投資を要する設備投資型事業で回収期間が長期にわたる点が大きい。技術面では、国産初のバッテリー駆動式GPU「Be power.GPU」を自社開発し登録商標化しているほか、日本独自の技術と位置付ける固定式埋設型GPU/PCAの性能向上、固定式空調装置の自社開発、AI蓄電池、EMS、IoTを活用した空港設備のエネルギー最適化を推進する。知的財産の管理・活用にも言及しており、脱炭素対応技術を競争力強化に結び付ける構図を持つ。

3. 市場環境

市場環境は、航空需要回復と脱炭素政策強化の二面性を持つ。経済面では、訪日観光需要の回復が動力設備の稼働率向上に寄与し、中国、韓国、台湾、ASEAN諸国からのインバウンド需要拡大が主要事業の回復基調を支える。一方、燃料価格、電力料金、人件費、資材調達費の上昇が収益への下押し圧力となる。政策面では、2022年の国土交通省航空局「空港分野の脱炭素化アクションプラン」と2023年のGX実現に向けた基本方針が、APU使用時間短縮、GPU・PCA導入、EV化、再エネ導入、EMSによる電力制御高度化を後押しする。これにより、空港インフラ側の脱炭素責任が明確化し、同社には事業機会と対応責任が同時に生じる。競争環境については、商品販売事業で他社との競争が予想される旨の記載がある一方、動力供給事業は規制と設備負担の大きさが参入を難しくする構造を持つ。

4. 成長戦略

中期経営計画2022-2025では、「ESG経営の推進」「成長の実現」「戦略投資と還元の両立」を掲げ、経営戦略の柱として「選択と集中」「事業基盤のシフト」「経営基盤の強化」を推進する。成長戦略の主眼は、国内主要空港向けサービスを空港外、海外、地方へ拡張する点にある。空港外では物流保守サービスの市場開拓を進め、今後はAI、IoT等の革新技術を取り入れたサービス形態の変革を計画する。環境分野では、電動ブレーキクーリングカート、Be power.GPU、EMS開発、空港内車両EV化、水素運搬・充てん作業助成業務、再生可能エネルギー活用検討を進める。研究開発面では2025年度より本社にR&D機能を新設し、固定式埋設型GPUの高機能化と制御最適化、固定式空調装置の自社開発、海外製空調装置の導入・標準化、蓄電池技術導入準備を推進する。数値目標として、2026年3月期の中期目標を連結売上高160億円以上、営業利益率10%以上、ROE10%以上へ上方修正し、次期中期計画の最終年度2030年度には連結売上高200億円以上を目指す方針を示す。投資面では、2025年度より老朽化設備の更新投資を本格化するため、期初に10億円の資金調達を実施する。

5. リスク

主なリスクの第一は、航空会社の運航便数、機種、地上動力利用頻度の変動にあり、減便、路線撤退、機材変更、感染症、自然災害、政治的要因が動力供給設備の稼働率低下につながる点にある。第二は、設備投資型事業特有の初期投資負担と長期回収リスクにあり、資材価格高騰、金利上昇、需要変動、老朽化更新投資が収益性を左右する。第三は、IoT・AI導入の進展に対し高度技術人材の確保・育成が追い付かない場合、保守対応力低下や受託機会減少を招く点にある。商品販売事業では競争激化もリスクとなる。

6. ガバナンス

ガバナンス面では、株主との対話を重視したIR活動と体制整備を進める。機関投資家・個人投資家向け説明会を四半期ごとに開催し、現場見学やOne on Oneミーティングも拡充する。制度面では2022年に指名・報酬委員会を設置し、2024年に経営体制を刷新、CxO制度導入、利益相反取引に関する特別委員会設置、空港業界外からの女性役員登用を実施する。2025年3月にはスタンダード市場の上場維持基準への適合を確認する。株主還元方針としては、中期経営計画期間4年間の累計総還元性向100%以上を掲げ、積極的な戦略投資と機動的な株主還元の両立を志向する。主要株主3社の議決権合計保有比率が71.14%にのぼる構造を踏まえ、独立性確保、説明責任、非財務情報開示を重視する姿勢を示す。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W5K2 | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 14.4B 13.0B 11.0B
営業利益 1.3B 1.1B 528M
純利益 974M 689M 511M
EPS 74.5 52.8 37.3
BPS 752.0 715.8 702.5

大株主

株主名持株比率
日本航空株式会社0.30%
日本空港ビルデング株式会社0.24%
ANAホールディングス株式会社0.18%
株式会社日本カストディ銀行(信託E口)0.06%
エージーピー社員持株会0.02%
STIFEL, NICHOLAUS + COMPANY, INCORPORATED SEG EBOC(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)0.01%
上田八木短資株式会社0.01%
栗原工業株式会社0.01%
有限会社福田商事0.01%
山田 典明0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2025-08-22みずほ信託銀行株式会社 0.00%N/A
2025-04-25日本航空株式会社 73.25%+43.28%
2025-04-25ANAホールディングス株式会社 73.25%+54.81%
2025-04-25日本空港ビルデング株式会社 73.25%+49.53%
2025-04-07みずほ信託銀行株式会社 0.06%+0.06%
2023-02-10日本空港ビルデング株式会社 23.72%(1.01%)
2022-12-28日本空港ビルデング株式会社 24.73%(2.08%)
2022-12-27日本航空株式会社 33.34%--
2022-12-27日本航空株式会社 29.97%(3.37%)
2022-12-27ANAホールディングス株式会社 18.44%(1.58%)

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2025-08-29TDNet業績修正エージーピー業績予想の修正に関するお知らせ1,537+0.26%
2025-08-29TDNetM&AエージーピーMacquarie Asia-Pacific Infrastructure Investments 1,537+0.26%
2025-08-29TDNet配当・還元エージーピー剰余金の配当(中間配当)予定に関するお知らせ1,537+0.26%
2025-08-22EDINET大量保有みずほ信託銀行株式会社変更1,536+0.26%
2025-08-06TDNet決算エージーピー2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)1,543-0.45%
2025-08-06TDNet業績修正エージーピー配当予想の修正に関するお知らせ1,543-0.45%
2025-06-26TDNet人事エージーピー代表取締役社長の異動に関するお知らせ1,549-0.90%
2025-06-26TDNet株主総会エージーピー株式併合及び定款の一部変更に係る議案を含む第60回定時株主総会における決議結果に関するお知らせ1,549-0.90%
2025-06-25TDNet人事エージーピー日本航空株式会社に対する株主提案の撤回・継続会への賛同の要請並びに同社派遣監査役らによる当社取締役を1,600-3.19%
2025-06-24TDNet株主総会エージーピー日本航空株式会社のプレスリリースに対する当社見解と株主提案の撤回要請について1,573+1.72%
2025-06-16TDNet事業計画エージーピー当社が第三者機関に依頼した株式価値算定根拠における事業計画の前提について(経過開示)1,525+0.26%
2025-06-16TDNetその他エージーピー2025年6月6日付JAL見解に関して株主の皆様にお伝えしたい当社の意見1,525+0.26%
2025-04-25EDINET大量保有日本航空株式会社大量保有 73.25%1,113+26.95%
2025-04-25EDINET大量保有ANAホールディングス株式会社大量保有 73.25%1,113+26.95%
2025-04-25EDINET大量保有日本空港ビルデング株式会社大量保有 73.25%1,113+26.95%
2025-04-07EDINET大量保有みずほ信託銀行株式会社大量保有 0.06%968+6.82%
2023-02-10EDINET大量保有日本空港ビルデング株式会社大量保有 23.72%
2022-12-28EDINET大量保有日本空港ビルデング株式会社大量保有 24.73%
2022-12-27EDINET大量保有日本航空株式会社大量保有 33.34%
2022-12-27EDINET大量保有日本航空株式会社大量保有 29.97%