Activist Journal — EDINET 大量保有報告モニター

日本通信株式会社 (9424)

日本通信は、ドコモ・ソフトバンク網を活用するMVNO/MVNEと、法人向けモバイル・ソリューションを展開する。強みは、モバイル専用線、デュアル・ネットワーク、ローカル5G向けSIM、米国で培ったSIM認証技術に加え、金融庁が安全性・利便性への資与を認めた特許技術FPoSにある。MVNO顧客満足度首位や相互接続進展も競争力を支える。[本社]東京都港区 [創業]1996年 [上場]2004年

1. 事業概要

日本通信は、「安全・安心にビットを運ぶ」という使命のもと、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを中核事業として展開する。報告セグメントは「モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューション」の単一セグメントとする。モバイル通信サービスでは、ドコモ及びソフトバンクの5G、4G、3G通信網を活用し、「日本通信SIM」「bモバイル」ブランドで個人向けSIMを提供するMVNO事業と、MVNOパートナー向けに通信サービスや運営支援を提供するMVNE事業を営む。MVNEでは、認証システム、課金・請求システム、顧客管理システム、ネットワーク・マネジメント、コールセンター、物流などを含むパートナープラットフォームを提供する。モバイル・ソリューションでは、日本及び米国で法人顧客や金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー向けに、モバイル専用線、デュアル・ネットワーク製品、機器監視サービス、ローカル5G向けSIMなどを提供する。加えて、特許技術FPoSを活用し、本人性及び真正性を担保した通信基盤・認証基盤の提供を進める。

2. 競争優位性

競争優位の中核は、通信と認証をまたぐ技術蓄積にある。モバイル・ソリューションでは、複数キャリア回線を冗長構成したデュアル・ネットワーク製品を企画・開発し、主回線障害時に副回線へ自動切替することで、無線通信の低コスト性と安定性を両立する。米国子会社JCI US Inc.は、ATMやPOSなど重要情報を扱う用途向けに、VPNを使用しないモバイル専用線サービスを提供し、端末から決済センターまでEnd to Endを無線専用線で完結させる強固なセキュリティを訴求する。FPoSは当社の特許技術にあり、金融庁から金融取引の安全性確保や利便性向上に資することが認められた。マイナンバーカードをトラストアンカーとし、スマートフォン内HSMで秘密鍵を生成し、電子署名法による認定を受けた電子認証局が電子証明書を発行する仕組みを採る。さらに、個人情報の提供先を本人が管理できる「ダイナミック・オプトイン」を搭載する。MVNO領域では、「日本通信SIM」が業界最安値の音声通話サービスを掲げつつ、プレフィックス方式ではなく大手携帯電話事業者と同等の通話品質を提供し、2024年携帯電話サービス顧客満足度調査MVNO部門で総合満足度第1位を受賞した点が差別化要因となる。

3. 市場環境

同社が属するモバイル通信市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及により社会インフラ化が進む一方、セキュリティやプライバシーの課題が市場拡大の前提条件となる。MVNO市場では、MNOとの公正な競争環境の整備が重要論点となってきた。同社は2007年の総務大臣裁定でドコモのデータ通信網との相互接続を実現し、さらに2019年の申立てを経て2020年6月の裁定で音声通話サービス卸料金の適正化を引き出した。2021年12月には総務省の情報通信審議会で090番号等をMVNOにも付与する方針が示され、2024年2月にはドコモとの音声・SMS網の相互接続に合意した。MSP分野では、2018年6月の割賦販売法改正が、クレジットカード非対面加盟店のカード情報非保持化を支援する同社サービスの追い風となる。ローカル5GやCBRSなど、企業・教育機関・自治体が独自ネットワークを構築する流れも需要機会となる。

4. 成長戦略

成長戦略の第一の柱は、ドコモの音声・SMS網との相互接続に基づく新サービスの開始にある。2026年5月開始予定の新サービスにより、同社は携帯基地局を保有しないもののMNOと同等のサービス提供を目指す「ネオキャリア」としての展開を志向する。音声通信サービスのコアシステムをプライベートクラウド上で仮想化し、柔軟性向上と構築コスト抑制を図る計画で、ng-voice GmbHを含む海外ベンダーと契約を締結済みとする。2034年には1,000万回線の提供を想定する。第二の柱はFPoS事業の拡大。電子署名法の認定による制度的信頼性の浸透を背景に、2034年には1億件の電子証明書提供を想定する。2024年5月にFPoSライブラリをリリースし、2024年10月にはmy電子証明書に関する業務実施方法で電子署名法に基づく認定を取得した。2025年2月には子会社my FinTech及びめぶくグラウンド等との提携により「デジタル認証モジュール」の提供を開始し、外部事業者のアプリに身元確認、当人認証、データ連携機能を組み込める体制を整えた。第三の柱はローカル4G/5G分野で、米国ユタ州との契約を通じて教育・遠隔医療ネットワーク向けにNGPサービスやSIM、HSMを提供し、米国での実績を日本展開へ接続する方針を示す。

5. リスク

主要リスクの一つは、技術進歩及び制度整備の停滞。セキュリティやプライバシーの課題が技術面・制度面で十分に解決されなければ、市場規模の拡大が遅延し、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。第二に、訪日旅行者向けプリペイド商品の需要変動がある。国際情勢、感染症、自然災害、為替変動、景気後退などにより訪日旅行者数が減少した場合、販売低迷につながる可能性がある。第三に、MVNO事業の競争環境は規制や接続条件の影響を受けやすく、公正な競争環境の確保が継続課題となる。

6. ガバナンス

ガバナンス面では、提示テキスト内で取締役会構成や独立社外取締役比率などの詳細は確認できない。一方、経営方針としては、MVNOとMNOの公正な競争環境の確保を重要課題に位置付け、総務大臣裁定の申立てや相互接続交渉を通じて事業基盤の整備を進めてきた点が特徴となる。株主還元方針についても、提示テキスト内では具体的な配当方針や自己株式取得方針は確認できない。経営資源の重点配分先としては、2026年5月予定の新サービス立ち上げ準備、認知度向上による顧客基盤拡大、FPoSの評価定着と事例拡大を掲げる。

出典: 有価証券報告書 (2025-03) doc_id=S100W51C | 生成: gpt-5.4 (2026-03-23)

主要指標

時価総額 PER PBR 配当利回り 終値
21.4B 25.2倍 5.8倍 129.0円

業績(3期)

current prior1 prior2
売上高 9.2B 7.4B 6.1B
営業利益 962M 1.1B 741M
純利益 849M 1.4B 691M
EPS 5.1 8.3 4.2
BPS 22.3 16.8 8.5

大株主

株主名持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(注2)0.12%
MLPFS CUSTODY ACCOUNT(注3) (常任代理人 BOFA証券株式会社)0.08%
NATIONAL FINANCIAL SERVICES LLC(注4) (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)0.08%
株式会社SBI証券0.02%
JP JPMSE LUX RE SOCIETE GENERALE EQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.02%
JPモルガン証券株式会社0.02%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(注2)0.02%
松井証券株式会社0.01%
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)0.01%
和田 佳一郎0.01%

大量保有報告書

日付提出者保有割合変動
2023-09-19テレーザ サンダ ヴォンダーシュミット 10.15%(0.66%)
2023-09-19テレーザ サンダ ヴォンダーシュミット 8.30%(1.85%)
2023-04-21クレディ・スイス証券株式会社 0.01%(9.79%)
2021-07-05エルティサンダビー・ヴィー・ビー・エー 9.71%--

カタリスト・タイムライン

日付ソースカテゴリアクターイベント株価翌日
2026-02-05TDNetその他日本通信第2回以降の無担保社債(適格機関投資家限定)の発行予定に関するお知らせ140+0.00%
2026-02-05TDNet決算日本通信2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)140+0.00%
2025-06-25TDNetその他日本通信譲渡制限付株式報酬としての新株発行に関するお知らせ155-1.94%
2025-06-25TDNet人事日本通信役員人事に関するお知らせ155-1.94%
2023-09-19EDINET大量保有テレーザ サンダ ヴォンダーシュミット大量保有 10.15%
2023-09-19EDINET大量保有テレーザ サンダ ヴォンダーシュミット大量保有 8.3%
2023-04-21EDINET大量保有クレディ・スイス証券株式会社大量保有 0.01%
2021-07-05EDINET大量保有エルティサンダビー・ヴィー・ビー・エー大量保有 9.71%